
今日はヤングマガジンの発売日と言うことで、湾岸ミッドナイトを立ち読みしていてふと思ったw
多くの人は、チューニングと聞くとどう思うのだろうか?
きっと、車を改造してパワーアップすることを思う人はかなり少ないだろう。みんカラメンバーの中では多いのだろうか?
一番は、ギターのチューニングなどのような楽器の調律、次はラジオなど受信機などの同調か?
最近は、バリコンでアナログの針が付いたラジオなど見かけなくなったから、もしかしてこれも通じなくなっているのかな?でも車のチューニングよりも多そうだ。
いや、車のチューニングと言っても言葉からすれば、調整のことであって、ターボを付けたりパワーアップを図ることはチューニングでなく改造と言うのが正しい。
今から15年くらい前の90年前後は、プレリュード、シルビア、スープラなど2ドアクーペが売れ、ターボ車を買うならブーストアップくらいは定番メニューだった。
いやいや、つい10年くらい前までは、車検で改造が厳しくチェックされるから、車検のたびにステアリングやバネを変えていた人がいっぱいいたはず(笑)
それに今のようにミニバンなどは無く、BFレガシィがでる前のレオーネツーリングワゴンは、田舎者みたいでダサイとまで言われた(^^;
その頃大学生だった私は、車が大好きだったが、他にも色々とやりたいことがあり睡眠を削っても時間が足り無いくらい忙しい生活をしていた。
自動車部には入っていなかったけど、見学に行ったりエンジンをバラスのを手伝ったりした。さすがに、水平対抗エンジンは下ろすのも大変なので、ヘッドまわりまでばらした事は無かったが、自動車部にあったトヨタのかっ飛びスターレットターボなどの直4は教材に持ってこいだった。
自動車部には機械工学科の学生が多く、電気工学科の学生がいなかったので、そのころから車に積まれはじめたEUCを研究室に持っていってはROM解析を行ったりした。
今のようにプロテクトはかけられていないので、普通にROMを外してPC9801にRS232Cケーブルで繋いだROMライターでROMの内容を吸い出して、16進数のテーブルを眺めてデータらしきところとプログラムらしきところに目を付けて一部を手で逆アセンブルしたり色々とやった。
アセンブラ、逆アセンブラが入手できれば解析は楽だった。
89年にBF/BCレガシィが発売され、この時に登場したRSという220psのターボモデルに惹かれた私は飛びついたのだが、スバルは日産とも関係が強かったことから同時代のR32スカイラインと同じタイプのECUを使っていたように記憶している。
このECUは進んでいて、ターボのブーストまで制御していた。
正確には覚えていないが、NECのV25と言う8086系の1チップCUPに、日立のUPP(ユニバーサル・パルス・プロセッサ)と言われた、タイマ、カウンタ、波形発生などプログラムによって何にでも使える非常に自由度の高いプロセッサが組み合わされて実現されていた。(と思うが記憶が曖昧。知っている人は訂正して下さい)
まあ、ECUのプログラムも今のように、VSCのような高度な事などやっておらず、触ると言ったら、リミッターの解除、ブーストの変更、燃調マップの変更くらいであるが、リミッターは一度解除すれば触る事も無いし、初代EJ20ターボは高回転ではかなり苦しそうにパワーを搾り出しているように感じられたので、怖くて1.○barなどとはとても出来なかった。
となると、遊べるのは燃調マップだ!
「アクセルとは」でも書いたように、燃料を必要以上に多く吹いてもパワーは出ない。センサなどの誤差を補正して、燃焼時に理想空燃比にするのがいいのだが、空燃比計など持っていなかった。学内を探せばあったかもしれないがそこまで気が回らなかった(^^;
となると手探りでマップを作らなければならない。
とりあえずオリジナルをじっくり観察すると、高回転、高負荷時には理論空燃比よりも多く燃料が吹かれている?? そんなことをして良いはず無いのにメーカーがそうセッティングしているという事は何か裏があるはずとは思ったが、答えに気が付かなかった。
センサの補正かとも思ったがそんなことはマップでなくプログラムで行っている・・・・
まあ、とりあえずちょっと燃料を薄くしたマップを作ってみれば分かるでしょう!と言うことで作成して試運転...おぉ、調子いいかも。高回転時の苦しさが消えている気がする(^^)
調子にのって色々なROMを作って試すうちに異変に気が付く。なんかエンジン変な振動していないか?水温も高いぞ?あぁ排気温度が高い!なんか激しくマズい気がする・・・
日本人は水温計などが正確に動くと、水温が上がったとか下がったとか神経質にクレームを言う人が多いと言うことで、かなりのバンドにおいて針は真ん中に居座り、本当にOHを表示する頃は本当にマズい状態だという。
原因はROM以外に無い。。。ここまできて初めてガソリンが高負荷時の冷却に使われているのだと気が付いた(^^;
いや~、そんな勿体ないことしないで冷却水設計をちゃんとやってよ!と思うのだが、国内での通常の使用を考えると、ヨーロッパのような高速燃費よりも渋滞での燃費やその他の経済性を考えているようだ。
しかし、知らないって怖いなぁ・・・燃調なんて適当にいじってもエンジンが壊れることなんて無いと思ってました。
ターボ車は濃過ぎる分には動かなくなるけど、薄すぎると異常燃焼でブローかオーバーヒートなんですね。一つ勉強しました。
と言う感じでROMを試行錯誤で完成させて、車を購入したディーラーに持っていって乗って貰ったら製品よりも良すぎると驚かれました。
今の車は何台ものコンピュータを積み、それを車内LANで結んで統合するため、そのプログラム開発には膨大な時間と人が投入されているみたいですし、ソフトのバグによる故障も発生する位なので、メーカーとしても第三者にECUは触って欲しくないし、気軽に触れるレベルで無くなって来ているのでしょう。
これはECUに限った話でなく、今の新車では、マフラーやエアロまでもメーカーの直系でカタログに用意されているのだから、アフターパーツで稼いでいた業界は大打撃を受けたことでしょう。
そう考えると、車のチューニングって言う言葉自体が死語になっていくのか?それもさみしいなぁ(^^;
Posted at 2005/03/14 22:51:10 | |
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