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2005年03月22日 イイね!

レガシィにおけるVDCとは

レガシィにおけるVDCとは先日、スピードマスターさんと話をしていたのでESPネタです(^^;

ESP(Electric Stability Program ベンツなど)、VSC(Vehicle Stability Control トヨタなど)、VDC(Vehicle Dynamic Control スバルなど)などの呼び方に違いがありますが、どれもアンチスピンデバイスのことです。


レガシィのマニュアルには書かれていますが、一部の条件ではオフにしないと、ESPの過剰な動作によってブレーキを掛けたり、駆動トルク配分によって走行性能を落とすので、動作を知って使う必要があります。

ESPを初めて量産車に採用したのは、メルセデスベンツで、世界に先駆けて採用してきたABS(Antilock Brake System),ASR(Acceleration Slip Regulation )=TCS(Traction Vontrol System)を統合してコントロールする技術を1994年にボッシュと共同開発し、1995年発売のEクラスで初めて採用しました。

ベンツでは、1999年モデルから全車種にて標準装備として、軽自動車のスマートKまで標準で装備しています。
その背景には、1999年~2000年の1年間で、古い車種も含めてベンツによる交通事故率は15%も減少したことによる、この装置への絶対的な自信があるようです。
これは、トヨタのデータでも単独事故で30%減少、死亡事故で15%の減少をしているとのことですから、かなり効果のある装置と言えそうです。

ベンツでは、制動力を4輪独立でコントロールするABSを1970年から採用し、1985年にはASRをSクラスで初めて量産車に採用されました。
ASRは、滑りやすい路面での、発進時などにスリップを抑えるもので、4輪のうちの1輪がスリップ状態にあることを、車輪の回転速度の差から判断して、エンジン出力の制御とブレーキングによってタイヤのスリップを防ぐものですが、1994年にABSとASRの機能を統合して制御するESPを発表しました。

ESPのコンピューターは、車輪速度、横方向加速度、ステアリング角度、ブレーキ圧、ヨーレイトの5つのセンサーからの情報をもとに、常に車両の挙動を監視して、各タイヤがグリップを保ちきれない状態にあるとコンピューターが判断すると、1輪または複数の車輪へ個別にブレーキをかけ、エンジン出力の制御を自動的に実行して、スピンを抑える方向のモーメントを発生させてスピンに陥るのを防ぎます。

各種安全技術については、ベンツは特許を取らずに公開したため、トヨタではABSを1971年に発表、ASRを1987年、ESPに関してはボッシュの持つ特許を回避するために独自に開発を行い1995年に発表しています。

そして、昨年発売されたクラウンマジェスタでは、 VDIM(Vehcle Dynamic Integrated Management)と言われる、ESPを一歩押し進めて、ABS、ASR、電動パワステを統合制御するもので、スピンに陥る前からコンピュータが介入して、車の安定度を保つシステムを発表しました。
使用しているセンサは、舵角、操舵トルク、全輪車輪速、加速、ヨーレイト、ブレーキペダルで、この信号を元にスキッド制御コンピュータ、サスペンション制御コンピュータ、電動パワステ制御コンピュータ、エンジン制御コンピュータをLANで接続して統合制御しています。

スバルではESPをVDCと呼び、レガシィではオプション装備ですが、欧州ではどんな小型車でも標準装備にしているように、プレミアムを目指すならサイドエアバッグと共にVDCは標準装備にすべき装備でしょう。

勿論、タイヤの限界を超えて滑り出してしまえば、いくらESPがあってもお終いですが、そこまでの過程で事故を大幅に減少させることが可能ならば、保険だと思って付けるのがいいように思います。

こんな良い装置なのに、オフスイッチが付いているのは、べつに自信のある人が走りを楽しむために付いているわけではありません。トヨタあたりは、オフにすべきでは無いと考えているようです。

これは、マニュアルにも書かれていますが、雪上では条件によってオフにする必要があるためです。
これは、他社の2駆の車でも一部書かれていますが、AWDを採用するスバルならではの事情もあります。

4輪スタッドレスを装着しているなら、ESPを入れておけば有効にアンダーやオーバーを修正してくれますが、ノーマルタイヤにチェーンを装着した場合などタイヤ間でグリップに差がある場合に問題となります。

レガシィでは、チェーンを装着する場合は前輪に巻くことになりますが、後輪がノーマルタイヤの場合は、駆動トルクによって後輪がスリップし、特にATの後輪に多くのトルク配分を行うタイプでは、スリップを検出して出力は絞るし、後輪にブレーキを掛けたり、ATも前輪に多くのトルク配分をしようとして、おかしな動作のFF車になってしまいます。

このあたり、MT車の方がトルク配分が50:50ですし、ビスカスカップリングのLSDが、センターデフ、一部車種ではリアデフにも入っているので、ESPを入れたままでも案外まともに走ります。

自分のレガシィはビスカスLSDの入ったMTで、ATはスキーに行く際に友人の車を運転しただけなので雪道での走行時間は違いますが、MTのAWDシステムのが方が安定しているように感じます。

このように、AWDのESPではタイヤのグリップが異なるような場合は、ESPをオフにする必要があります。また、足回りを変えてグリップが変化する場合、ESPが付いていると加速度センサーやヨーレイトセンサーの信号によってプログラムが組まれているので、ESPの介入タイミングが適正化されずどちらの性能も活かせなくなってしまいます。
Posted at 2005/03/22 17:55:07 | コメント(2) | トラックバック(0) | 技術解説 | クルマ

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