
このボードでは交換をしている人も多いスタビライザーですが、車においてはアンチロールバーと呼ばれ、直訳すると「ロールを抑える棒」となります。
Truthさんが4月2日のブログで、BEにおける実体験から、参考になる解説を書かれていますので、専門的に考察するならば「自動車のサスペンション」などの書籍を読みながら理由を考えると、手を入れる際の挙動の変化などが見えてくると思います。
このスタビは、それほど高い物ではないので、手軽なチューニングパーツとして、多くの製品が販売されており、それらの説明には「乗り心地を悪化させることなくロールを抑えて安定を増す」とか「柔らかいバネが使えるので乗り心地が良くなる」とか「ロール剛性のアップによるコーナーで安定が増す」などなど良いことづくめで悪いことが無いような書き方を見かけます。
しかし、交換をしたことある人なら、体験的にデメリットもあることを理解していると思います。
もしデメリットが無いならば、どんな車でも採用するし、乗り心地に影響がないなら太い物を装備するでしょう。
コストダウンのため、安い車には採用されていないと言う意見もありますが、ライン装着する部品代としては、1000円未満、販売価格で8千円程度でしょうからメリットが大きいならば採用に踏み切ると思われます。
また、足回りに対するコスト制約も少なく、現在のFRで最も洗練された足を持つと、各所で絶賛されているメルセデスのW203では、一部のモデルでスタビが付いていません。
しかも、このスタビの無いモデルが、足回りのバランスが一番良いと言われますし、200km/hくらいでのレーンチェンジも、スタビを装着する日本車よりも安心して行えます。
一方で、低コスト車の代表であるスズキアルトには、スタビが標準で採用されています。
このように考えると、スタビはサスペンションセッティングにおける塩、胡椒のような物と言えるでしょう。
塩だけでなく、胡椒もあるところがなかなか奥深いのですが...
メーカーではスタビを標準採用するにあたって、バネと合わせてセッティングを行っているので、基本的にここに触る場合は、バネ、ダンパーまでトータルで考えるのが理想です。
レガシィで考えると、BE以降のマルチリンクサスを採用するモデルで、リアにフロントより径の太い物を採用するという方法は、リアの巻き込むそぶりを目立たなくする方法として正しいと思います。
ただ、日本車は、たとえFRであろうと、最終的にはスピンするようなセッティングは許されないでしょうから、ここはレガシィも同じだと思います。
リアにマルチリンクを採用するようになった、先代、現行のレガシィでちょっとハードな走行した人なら、オーバーに陥いりそうだとか、狙ったラインよりも巻き込むのでハンドルを戻す必要があると感じことがあると思いますが、B4においてはそれは「素振り」であって、狙ったラインよりも内側に行くと思ってもそのままアクセルを踏んでいると、ちゃんと狙ったラインを通ります。(私が試した領域の話です)
このあたりは、precisionさんがハードな走行をしていそうなので(すいません、勝手な想像です(^^;)、癖を掴んでいると思いますがどうなのでしょう...
想像では、ワゴンの方がリアの剛性がセダンよりも低いことと、ある程度の荷物を載せることを想定しなければならないので、そのセッティングの関係でよりリアサスの癖が出やすいけれど、同じ味付けがされているのではないでしょうか?(アクセルを踏んでいって、オーバーに陥ることは無いということ)
メーカーでは、ダンパーのオリフィスまで含めてチューニングを行うので、足回りのセッティングは無限の組み合わせがあると思いますので、販売時にベストと考えた物でも、代が進むに従って熟成されていきます。
当然ながらメーカーであるスバルが一番わかっているので、4代目では、サスの横剛性を上げてきたのでしょう。
各モデルのスタビ径はしりませんが、spec.Bのようなハードな走りを行うモデルでは、リアに太めのスタビを採用しているとすれば、メーカーが現行サスの(悪)癖を理解していている証拠のように思います。
Posted at 2005/04/04 12:07:06 | |
トラックバック(1) |
技術解説 | クルマ