
ロボットのF1と言う触れ込みで、ライントレース競技が始められたのは、1988年のことだったと思います。
優勝賞金はかなり少なかったのですが、当時学生でロボット作りに興味があったので、作成したのが右側のもので、4年連続日本一となったロボットです。
毎年改良はしていますが、4年間の優勝賞金でロボット作成費は回収できたたはずです。
今は、Robo1と言う2足歩行ロボットでの格闘技大会がありますが、多くのロボット競技は、本体にCPUなどを積んではいるものの、有線または無線での操縦の物が多数です。
これは、完全に自立ロボットにすると、ハードウェア(電子回路、本体メカ)+ソフトウェアを作成しなければならず、参加者が少なくなってしまうので、大会の裾野を広げる意味でしょうがない部分だと思います。
先のライントレース競技は、完全自立型で(スタートさせたら手を触れられないが別にCPUは無くてロジック回路だけでも良い)、10m程度のコースを3周した際の最速タイムを記録するルールだったと思います。
今もまだ、この競技があるのかと思いググッてみると、いくつか引っかかってくるので、続いているようです。
こんな感じの競技↓
http://www.ftech-net.co.jp/robot/howto/trace01.html
こうした競技の難しさは、あまりロボットを高度にすると勝てないと言うことです。
どう言う事かと言うと、ライントレースでは名前の通り、床に書かれたラインをなぞって走るのですが、この検出に私の作成したロボットは、フォトトランジスタによって検出しているのですが、先方まで読み取ってスピードを出そうと思って、CCDカメラなどで検出すると、メカ的に重量増加したり、重心が高くなり肝心のスピードを出して、カーブなど走れなくなってしまいます。
なので、原始的な検出方法を用いて重量を軽く、重心を下げる事を考えて本体を作り、プログラムは、1周目をそこそこのスピードで走りながら、コースの直線の長さや、カーブの曲率半径を記憶させて、2週目はそのデータを元に加速、減速をしてタイムを詰めて、走れたら3周目は加減速のテーブルを切り替えて、さらにタイムを詰めるようにしてあります。
CPUは8ビットのZ80で8MHzで走っていて、プログラムは64kビットのROMに書き込んであり、RAMに展開して実行しています。プログラムはアセンブラで書いて、PC98上でクロスアセンブラをかけてROMライタで書き込んでいました。
このあたりの技術が、後に車のROM解析をするのに大いに役立ちました。
回路は自分で設計して、CPUボードだけ基板を起こして、あとは全てラッピング線を半田付けしているので、配線を間違えると見つけるのに苦労しましたが、それもなかなか楽しいものでした。
技術的向上を求めて、CCDカメラを使用したロボットを試作しましたが、この原始的なものを超えることが出来なかったため、以後この競技にエントリーしなくなりました。
左のロボットは別の競技用ですが、かなり進歩して初代レガシィのECUを元に、同じCPUにUPPで構成した頭脳にしています。こちらは、またの機会に紹介したいと思います。
Posted at 2005/04/08 18:51:28 | |
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