2005年10月30日
車に乗る機会は減りつつありますが、新しい車が出ると試乗に行ったりしています(^^;
それで、備忘録的に書いていますので、変なやつの独り言だと流してください。
最新のポルシェが最良のポルシェと言いますが、清水和夫氏もご自身のブログ(10月25日)で10年前の空冷ポルシェが何でこんなに味わい深いのか明快な説明が出来ない。
自動車評論家として半人前なのか...との事を書かれていましたが、私はこれは濃密感の違いだろうと思います。
濃密感って何だろうって考えると、タイヤの位置決め精度に行き着くのでは無いだろうか?と言う結論に至りました。
要するに古い車は、サスも単純で横方向に動かなかった。これは、基本的で大切な要素であると、現行のアストラに乗って認識しました。
今は、接地性を高めるためにリアはマルチリンク、フロントもロワアームをダブルジョイントにして、仮想転舵軸を持つように設計しますが、この感触がダイレクト感を奪って、操作に微妙なヒステリシスを持たしているのではないでしょうか。
人間の手の感覚って敏感なので、古くからの車を知っている人ほどこうした違和感を感じるようです。
最近の中型車以上はサブフレームを持っています。
本来、サブフレームは音、振動を抑えるために使われ始めたもので、使われていると高級と言うイメージがあるようですが、現在では多くの車が違う意味でサブフレームを使っています。
これは、新しいBMWを見ていてコストダウンだとの確信に変わりました。
BMWの3シリーズは駆け抜ける喜びを重視し、そのサスにもこだわって長らく使ったセミトレーリングアームから、E36の時にセントラルアームアクスルと呼ばれたセミトレーリングアームとダブルウィッシュボーンの良いとこを組み合わせたものを採用しました。
E36は4年半くらい乗りましたが、このサスは、横剛性、前後剛性共に高く今思えば剃刀のような鋭さをもっていて、スポーツサスの一つの到達点だと思います。
その味がE46で薄められ、E90ではそれまで積み上げてきたものを捨てて、サブフレームにマルチリンクと言うベンツが190Eで採用した方式に乗り換えて、普通の車になってしまいました。
別にこの方式が悪いわけではなく、だからこそ現在の多くの車がこの方式を採用しているのですが、BMWが今回サス形式を替えて、サブフレームを採用したかと考えると、組み立て誤差を誤魔化せるからでしょう。
部品の値段を左右するのは、材質よりも精度が大きく関わってきます。以前のサスでは設計通りの性能を出すためには、部品の加工も組み立ても精度を要し非常にお金が掛かっているのがわかりました。
しかし、販売台数を増やし、3シリーズもCクラスと同様に今年から南アフリカなど世界各国で生産を始めました。そうした場合、従来のサスでは設計通りの性能が出せない...
そこで採った方法が、最終的に誤差はサブフレームの取り付けで調整して誤魔化すという方法ではないでしょうか。
こうすれば、部品点数は多少増えても、世界各国でそれなりの品質で組み立てることが出来るし、ノイズ、振動面でも有利になるでしょう。
代わりに失われたものは、正確なタイヤの位置決めによる鋭い切れ味と、濃密な味なのではないでしょうか。
Posted at 2005/10/31 00:00:18 | |
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