過去にオカルト系チューンとして「アーシングとは」でアースについては書いていますので、興味のある方は目次から探してください。
それで、アーシングなる物も下火になったかと思っていたら、オカルトなる物、残っているんですねぇ...
例えば、
http://www.sun-auto.co.jp/pro_hotearth100.htmとか
上記HPより抜粋すると
---------------------ここから----------------------
マフラーアースとは?
排気によって発生した静電気がマフラー内で排気動脈の流れを阻害し、悪影響を与える場合があります。そこで、マフラージョイント部にアースを取ることによって、マフラー内部の静電気を除去し、排気の流れをスムーズにするのが、マフラーアースなのです。
マフラーアースの効果
●排気の流れをスムーズにし、トルク・レスポンスUPを実現
●静電気を除去することにより、マフラー本体の耐腐食性が向上
●マフラーの異音解消に効果的
国産・輸入車ともに、標準でマフラーアースがついている車もあります。
---------------------ここまで----------------------
これを読んで信じる人っているのかな?
静電気が発生するのは正しいですが、その後の排気動脈の流れを阻害って、排気ガスってどんな成分なんでしょう?
いや、それよりも静電気によって流れが阻害される気体って何?って突っ込み所満載(^-^)
しかし、売っているって事は売れているのかな?しかもお値段2万円!!タダの電線に勿体ないです。
最後に、枠で書かれている「国産・輸入車ともに、標準でマフラーアースがついている車もあります。」って言うのはどういう意味に取ればいいのでしょうか??
標準で付いている物だから、効果があるという事か?それとも、既に付いている車はいらないと言う事なのか?
車が好きで、リフトで上げたり、下に潜ったことのある人なら知っていると思いますが、よほどの旧車じゃない限り、普通はマフラーにアースは付いるのを知っていますよね??
当然、自動車メーカーがやることですから意味があって付いています。
間違っても静電気が排気ガスの流れを阻害するからではありません!
気体の静電気は、雷を見ればわかるように高い電圧となって、放電に伴ってノイズを出します。
マフラーは、ガスケットを挟んでエンジンに取り付けられて、ボディーからはゴムの緩衝材を介して吊られていますので、ボディと電気的に絶縁された状態となり、静電気によってボディと大きな電位差を持ちます。
そのため、アースが無いとノイズを発生してラジオにノイズが入ったり、場合によってはノイズによってECUなどのコンピュータの誤動作に繋がることがあります。
なので、ノイズが発生しないように、ボディと同電位にするためにアース線が付いています。
アナログ回路設計を行うときに、アース線に電流が流れないように、1点アースにしたりポイントを厳選します。
これは、経験値が物を言う世界ですが、やはりこうしたノイズなどアナログの世界ではノウハウが物を言います。
そうして、問題がないようなポイントにメーカーがせっかくアース線を付けているのに、排気効率が悪くなると言うオカルト的理屈から、2万円近くも投資して効かないだけならまだしも、もしかしたら循環電流でも流れて余計に悪いんじゃないの??と思える線を付けるのはどうかと思ったりしたわけです(^^;
Posted at 2005/12/26 23:05:42 | |
トラックバック(0) |
技術解説 | クルマ