マスターシリンダ用シールキット調査：その③

その②に書きましたように、スズキ株式会社に見放されてしまったので、自分で情報を集めていきます。
まずはHT81Sのサービスマニュアルから。いくつものシールで構成されています。

倍力装置とM/Cがセットになった中古品を入手して分解しました。
S/Mの図の順番で並べてみました。

倍力装置のラベルです。
上：2003年式、車体番号HT81S-7205〇〇、最初期型
下：2005年式、車体番号HT81S-7248〇〇、最終型

M/Cの刻印です。マスターシリンダー径は15/16“、メーカはJKCのようです。

ついでに間違って買ってしまったHT51S用のシールキットを調べます。

説明書が同梱されていて、構造図と各シール類の原寸図が記載されています。

M/Cと倍力装置をつなぐシールに13/16の刻印があり、マスターシリンダー径を表していると思われます。その左にはJKCと読める刻印があります。
6枚目の図面のシール類の寸法からも、HT51Sのマスターシリンダー径は13/16“で間違いなさそうです。制研化学の資料にも13/16“と書かれていました。
6枚目の原寸図にHT81Sから取り出したシール類を乗せてみましたが、どれも合いません。
以上より、81と51はマスター径が違うことがわかりました。
JKC製の15/16“マスターを使っているクルマが他にあれば、HT81Sに流用できる可能性が出てきました。

こちらは51810-76F20に対応する社外品のリペアキットです。
上：ミヤコのTK-S226のパッケージ(拾い画像)
「51810-76F20」「13/16」と書かれていることから、13/16“マスター用のシールキットです

下：制研化学の出している資料
SK62691(200-62691)に関する部分の抜粋です。こちらにも「51810-76F20」「13/16“」と書かれていることから、13/16用のシールキットであることがわかります。
ちなみに13/16“はHT51S、ワゴンR、アルト、Keiなどのサイズです。
結局、ミヤコも制研化学もHT81S用と謳っているものは13/16“で、15/16“のHT81Sには使えないものであることが分かりました。