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S2000、東京でも見ませんねー

次はイタリア街で撮影かなって思いながら、いいクルマを買って
ヨカッタと喜びを噛み締めつつ、信号待ちをしていた時だった。
ルームミラーを見ると、恐ろしい勢いでミラーの中で大きくなる
銀色のADバンが。

ヤバい!!と思った瞬間、突然の恐ろしく激しい衝撃に襲われた。
ブレーキはしっかりと踏んでいたが、その衝撃で前のタクシーに追突。
非常に驚いていたが、何が起こったのかはすぐに理解できた。
ルームミラーに見えたADバンがすごい勢いで追突したきたのだ。

S2000はもうリアがムチャクチャに大破、まずは込み上げる怒りを
胸にADバンのドライバーに向かって、「どこ見とるんじゃ」と一喝
呆れたことに「すみません、寝てました」
「何キロ出してた」
「寝てたんでわかりません」
「ブレーキ踏んでないのか」
「踏んでません」

頸が痛くなってきたので、すぐに加害者に警察と救急車を要請させた。
まずパトカーが到着し、事情説明。そのうちに救急車が到着したので
車内で横になりながら救急隊員と話していると、警官が来て、クルマを
動かす手配をしてくれと言ってきたので、大阪の者で
わからないので警察署で預かってと言ったら、それは出来ないと言われた。
そりゃ、どかさないとねー。ここは永田町3丁目の財務省前。
JAFに連絡して、桶川の買ったショップに取り合えず運ぶことにした。
JAFが来るまで、警察がクルマを見ていてくれるというので、ワタシは
救急車で慶応大学付属病院へ搬送された。
初救急車、初ストレッチャーだ。
救急隊員の方はみなさん親切で、礼儀正しかった。
そこでCTスキャンを取ってもらって、取り合えず骨に異常なし。
カラーを付けてもらって、現場に戻ると加害者も救急搬送された後で
大破したS2000がパトカーに護られて停まっていた。
横を通っていくクルマのドライバーは皆あまりの大破ぶりに
注目していた。

大破したS2000。

トランク廻りは完全に潰れ、無限のカーボンリアウィングも
脚が外れて壊れてしまい、アミューズのチタンマフラーも
ぐちゃぐちゃに折れ曲がった。
左のフレームはリアバンパーフェイスを突き破り、外に露出している。
アミューズのフロントバンパーはタクシーのバンパー下に潜り込んだので
これまたバリバリに割れてしまった。



フロントはフレームまでいってなさそうだが、高額なパーツが軒並み
壊れてしまった。
しかし、エンジン、ステアリング、駆動系はOKなので、動かすことは
できる。

しばらくして、JAFのローダーが来たので、桶川のショップへ逆戻り。

受け取ってから一日経たずして、スクラップ同然になったクルマに
ショップの方も怒りを隠せないようだった。
まだどうするかわからないので、取り敢えず預かってもらい、電車で
帰ることにした。
あまりに悲しいので、赤羽で降りて、NHKの72時間に出た、おでん屋で
おでんとワンカップ酒にダシを入れて、ダシ割を呑んだ。

そのあと、調書を取られるために、麹町署に行った。
麹町署は電気点検中で、冷房も照明もない中、蒸し暑く暗い取り調べ室で
調書を1時間程取られた。

まぁ、被害者なのと、相手方の不注意で1日経たないうちに大破したクルマに
警察官も同乗してくれ、加害者は絶対に許しませんと言ってくれた。

警察を出て、東京駅から、乗る予定のなかった新幹線で帰途につき、
ヘトヘトになって大阪に着いた。

仕上がりを妄想している間に、納車の日を迎え、陸送費をケチるために
また桶川のショップに取りに行くことにした。
ショップに到着すると、フロントスポイラーが補修され、赤エンブレム、赤幌に
なった愛車が待っていた。
うー、カッコいい。

おおー、このクルマを買ってヨカッタ!!
まぁ、初めてみた時には気付かなかったキズとか、今回は見えたりしたけど。
お店の方にお礼を言い、S2000に乗り込む。
試乗してないので、初乗りだ。

クラッチが重い。低回転で合わせるとエンストする。
エクセディの強化クラッチが入っているそうだが、これは近いうち
交換しようと決意した。

給油して、そろそろと高速を使って家に帰るため、
まずは東京を目指した。

東京では、やはり愛車と撮影タイム。






まずは赤坂迎賓館。

うーん、カッコいい。

国会議事堂。


国会議事堂にも負けてない？？

しかし、この後、とんでもない事が起こることを
知る由もなかったのだった。

ホワイトパールに赤幌のマッチングはいいけど、内装
真っ黒やんと思ったアナタはスルドい。

ワタシの脳内設計図には、赤革シート、赤い純正カーペットを
装着した、このクルマのイメージ、チャラいミーハーS2000が
出来上がっている。
イメージはホンダF1(笑)


赤革シートは前期型ながら、程度のよいものを2脚ゲットした。
赤カーペットは、オークションで競り合ったものの、よほどレアなのか
あまりの高値になったのでパス。
ちょっとトーンは暗くなるけど、黒内装に赤シートの方が抑揚ついて
いいかも。
でも結局別の赤カーペットを買ってしまったけど。

ショップから画像が数点届いた。

フロントバンパー塗装完了。



なかなかいい感じ。

赤幌装着完了。

これだけでも見違えた。

赤エンブレム装着完了。


ミーハーだけど、カッコいい!!

いよいよ後は取りに行くだけ!!

逃した魚は大きかった。

ホワイトパールのS2000は有償色で21万円高だったので
極端に台数が少ないのだ。

で、休憩中にまた中古車情報サイトを見ていると、まさにいきなり
新着情報がアップされた。
パールホワイトで黒内装。修復歴なしで走行距離１２万キロ。
ほぼ宮崎と同じ条件の16５万円。



違うのは、結構カスタマイズされていること。
アミューズ（はじめて知った）のフロントスポイラー、同社のフルチタン
マフラー、CE28N　17インチ、ビルシュタインの車高調、無限のリア
ウィング、デフィのリンクメーター。
シートはノーマルノハーフレザーに雑な着け方のナビゲーション、ロール
バーはないのであくまでもストリートユースで使っていたみたい。
ちょっと予算オーバーだけど、NSX-Rと同じこのプラチナホワイトパール
のボディカラーはレアだし、趣味じゃないパーツは外して売却するのも
アリかなと。

しかも幌は契約後に交換してくれるらしい。
この日は木曜、埼玉のお店に電話をして土曜の午前中に見に行くので、
商談中にしてほしいとお願いするも、すでに引き合いもあるので
早い者勝ちとのこと。

買うと電話で表明してくれるのなら、販売するという。
不具合箇所を聞くと、フロントスポイラーに欠けが数か所と飛び石、塗装の
ハゲ、運転席側リアクオーターにクリアはげがあるらしい。
画像を送るので、検討してほしいとのこと。

送られてきた画像を見ると、大きな欠けでもなく、クリアはげも下の方なので
あまり気にすることはなさそうだ。
それにしても、なかなか強引な売り方だけど、クルマのコンディションは
自信があるし、ちゃんと対応させていただくというので、買いま･････すと
言ってしまった。
自慢ではないが、見ずに購入は今までも何度もしてきたけど、自分のガマンの
なさに呆れてしまう。
で、もう別に行く必要もないけど、埼玉の桶川にあるショップまで、自分が
買いま･･･すと宣言したS2000を今回はめずらしく見に行くことにした。

金曜の仕事終わりに張り切ってJRバスに乗って、一路東京へ。
10時に桶川に着くように電車に乗る。
ショップの担当に迎えに来てもらって、到着すると驚いた。
所せましとS2000が15台は並んでいる。このショップの主力商品に
なっているそうな。
やはり首都圏に近いショップは品揃えがちゃいますなー
そのショップの名はジョイライドさん。



早速炎天下でエアコンの効きをチェック。
めっちゃ涼しいというほどではないけど、ちゃんと効いている。
続いて外装のチェック。
フロントスポイラーの黒い部分はリップではなく、塗り分けだった。

画像をもらって想像してから3割減ぐらいのコンディション（エクボやひっかき
傷等）をイメージしてきたが、このクルマの場合、ダメージは本当にフロント
スポイラーに集中していて、クリアはげ以外は至ってきれいで拍子抜けして
しまった。

運転席に座ると、まず目に付くのはピラーに埋め込まれたデフィーの3連メ
ーター。ステアリングコラムには速度が表示されるという謎の機器。
オドメーター、トリップメーター見えないし。

ダッシュボードにはシフトインジケーター。
あまりかっこよくないし、こんな機械に命令されたくない。

極めつけは、大きい画面のポータブルナビがダッシュボードに貼り付け。
見やすい位置なんだろうけど、スポーツカーなコクピットが全てブチ壊し
ですね。

ホイールとタイヤはCE28NのブロンズとNANKANG　NS2の組み合わせ。
センターキャップは要らんかなー


助手席で試乗したが、よく走る。
9000回転までイッキに回る。
異音は特に聞こえないし、走りもスムーズ。

聞けば、ホンダ車のチューナー、SPOONのコンピュータも装備され
ているとのこと。
VTECの切り替わりがマイルドになるそうな･･･。

マフラーもチタンの青く太い出口が勇ましい。音は少し大きいが、車検
対応でひと安心。音はあんまり好みではないけど、フルチタンマフラー
で軽いそうだ。
出口が青いのが少し恥ずかしいけど。

お店の担当君の運転が上手いのか、特に取り立てて気になるところは
なかった。
で、商談だけど、基本的には既に電話で買いま･･･すと言ってるので、金額の説明
と車両の手直しについて。


１． キズの多いフロントスポイラーは、欠けやキズを直して、スポイラーを
パールホワイトで1本塗装。これはショップと折半。
これでスッキリ、塗り分けも解消。
２． 交換してくれる幌はせっかくなので、赤幌をリクエスト。
黒幌より高いそうなので、差額は負担。
３． ミーハーなので前後とも赤のホンダエンブレムに交換
（子供っぽい？？）
４． リアバンパーの牽引フックのグロメットがないので、取り寄せて
フロントスポイラー塗装時に一緒に塗ってもらう。
５． 車高が低く、擦りそうなので、ちょっとあげてもらう。
６． シフトインジケーターとステアリングコラムにあったメーターは撤去。


クリアのハゲは目立たないので、おいおい直すことにした。

これからお盆休みに入るので、休み明けにバンパーの板金塗装。
その間にエンブレムと幌を注文してもらって、板金屋から帰ってきたら
幌を換装。
納車は結構先になりそうだけど、こちらも車庫証明やら車両の入れ替え
準備が必要なのでちょうどいいかも。

ということで、想像していた自分よりも上機嫌でお店を後にしていたのでした。

やはりS2000は無謀だったかなー。
予算を150万まで上げてみても、修復歴ありで10万キロ以下か、走行
距離は10万キロ以上ばかり。

150万から200万までも似たり寄ったり。200万を超えると距離の浅い
クルマが出てくるけど、そこまでは出したくない。(出せない)

目を皿のようにしていたら一台いいのを見つけた。
宮崎にあるパールホワイトで黒内装。修復歴なしで走行12万キロ。
新品幌つき。ほぼフルノーマル。

コレ、いいと思ってクルマのコンディションをショップから
教えてもらう。

実物を見たいので週末に行こうとしていたら、突然ネットから消えた。
なんといきなり買います宣言をしてきたお客がいたのだという。
さすがに行くアポを取る前だったので、仕方ない。
泣く泣く諦めたのでした。

この頃より、距離より修復歴なしを優先するようになった。
お皿を割ったら、それを無理やりくっつけても元には戻らないという
記事を読んで、走行距離の多さは修理でカバーできても、修復歴は
リスクが高いので、避けるようになった。

同じ宮崎のお店の在庫の黄色が目についた。
修復歴なし、同じく走行12万キロでボディはなかなかのコンディション、
165万円。

このクルマのネックは赤内装。黄色と赤でマクドナルドみたい。
でもお店によると、台数も少なく、若い人に人気らしい。
赤いカーペットの上に黒いシートを置けば、かなりカッコいいかもと
何度も見ているうちに自分で催眠術にかけていると、かっこよく見えて
きた。
宮崎へ見に行こうかなと思ったけど、ショップへの連絡は忙しかったので
仕事を終えてからにすることに決めた。

そんな時に運命的な情報がアップされた。

つづく