2012年12月16日
3年程前になるが、私が生まれて初めてフェラーリを運転した時の話。
父の友人でとても車好きな方が「フェラーリ430」という車を買ったので、我が家に見せにきてくれた。
じゃー乗ってみよーぜ!ということになり、私は助手席に乗ろうとしたら、オーナーが
「ぜひ運転してみてよ!」
と言ってくれたのでお言葉に甘えることにした。生まれて初めて運転するフェラーリ、妻にプロポーズした時より数倍緊張していた。
ちなみに、その時私はちょっとした事情があり、代車生活を送っていた。代車はフィアットニューパンダてあった。
フェラーリ430に乗って走り出した第一印象は、えらくアイドリングが高いな~ということであった。助手席のオーナー氏はいろいろレクチャーしてくれた。このフェラーリ430はF1であったので、最初はAUTOモードで走っていた。
徐々に慣れてきたので、少しずつスピードを上げてみた。凄く乗りやすい車だと思った。やはり対向車や町行く人の視線が痛い。
そんなとき助手席のオーナーが
「AUTOモードで随分とスムーズに運転できるね~もしかしてフェラーリ初めてじゃないんじゃない?」
と。本当に初めてだったが、私がスムーズに運転できるのには理由があった。
このF1マチックのAUTOモードと、代車ニューパンダのデュアロジックのAUTOモードと基本的なフィーリングやコツが同一だったからだ。
オーナー氏は私がスムーズに運転できる理由が知りたいようだったが、
「あ~!私が今乗っているパンダと同じですから!」
なんて口が裂けても言えない。
そして、私はフェラーリ430を運転中、オーナー氏に悟られないように、ずっとパワーウィンドウのスイッチを探していた。窓あけてエグゾーストノートを聞きたかったからだ。しかしドアにも無い、センターコンソールにもない。もしかしてアルファ75のように天井か?とも思ってみたが、無い。もしかして、クサラみたいにセンターパネルにあるのでは?と思ったら、ありました!CDプレーヤーの脇に。そしてスイッチに手を伸ばして窓を開けたら。
オーナー氏が
「やっぱり君は430初めてじゃないだろう。初めて乗った人間がパワーウィンドウのスイッチのありかがわかるはずがない」
と
でも
「シトロエンクサラの事を思い出しました」
とは口が裂けても言えない。
試乗を終えて帰ってきて、運転を父と交代した。私は憧れのフェラーリに初めて乗ったのに複雑な心境だった。
数分後、父とオーナーが帰ってきた。父がフェラーリから降りてきて開口一番
「やっぱりマニュアルじゃねーとダメだな!このナントカマチックなら、代車パンダに乗ってるのと変わりね~な!」
と
オマケに
「いや~!パワーウィンドウのスイッチ探すの苦労したよ!やっと見つけたけど、あんなところに付けんなよ~!クサラじゃないんだからさ~!」
と・・・・
そのオーナー氏はニューパンダにもクサラにも乗ったことはない。存在すら知らなかったようだ。ずっとAMGという車に乗り継いできて、数年前にポルシェ911を買い、昔から「還暦になったらフェラーリ」という夢を実現した方である。
好意で運転させてもらったのに、気の毒なことをしまった。
そして父とオーナー氏は、パンダに乗って食事に出掛けた。なぜかオーナー氏がパンダを運転して。
帰ってきた父が
「○○(オーナー氏の名前)は、さすがフェラーリのナントカマチック乗ってるだけあって、かなりスムーズにパンダ運転していたよ。」
車バカ親子、万歳!

Posted at 2012/12/16 07:40:30 | |
トラックバック(0) |
車ネタいろいろ | 日記