
前回よりの続き
私はイプシロンのために粉骨砕身働いた。その間、2度程仕事中に倒れかかったが、点滴や鎮痛剤に助けられ、なんとか持ち直した。私が鬼のように働き出すと、周囲の人間は
「また欲しい車が出来たな」
と完全にバレてしまっている。
イプシロンの細かい仕様はすでに決まっていた。以前、欲しくて欲しくてたまらなかった時にシュミレーションしていたからだ。肝は「レスオプション」である。とにかく私にとって要らない装備は外しまくった。外した装備を列挙すると
リアパワーウィンドー(今までの人生で、リアパワーウィンドーの恩恵に授かったことは皆無。手巻き万歳)
リアパーキングセンサー(全長4メーター以下の車で、リアパーキングセンサーの世話になるようになったら、私は免許を返納する)
アルミホイール(鉄ホイールこそ、私のアイデンティティー)
灰皿、シガーライター(使うわけない)
ステアリングリモコン(人間、楽すると堕落します)
オートエアコン(自分でやれることは自分でやる)
これだけ外すと、10数万安くなるのだ。しかし、さすがに輸入元でも初めてのケースらしく「注文どうりこないかもしれません」と言われたが、ここにも私の秘策があった。レスオプションが注文どうりにならないということは、間違って付いてくるということだ。注文した装備が付いてこなかったら腹立つが、注文していないものが付いてきたらラッキーである。
待つこと数ヶ月、ポーランドから遥々やってきた、我がイプシロンは、案の定、注文通りではなかった。
アルミホイールが付いていた(笑)
ウヒヒ、ラッキー!!もちろんお金はとられなかった。浮いたお金で鉄ホイール買えばいいだけの話。
そして私は車庫証明を取りに行ったのだが、警察署の窓口でドラマがあった。担当の若い巡査が
「ランチアって書いてありますが、間違ってませんか?ここはメーカー名が入るのですが。トヨタとかニッサンとか。また型式不明って書いてありましたが、不明ってなんですか?」
・・・・。
そう、若者の車離れが進んでいる今、ランチアを知る人間は極少であり、「型式不明」の存在をしらないのだ。
私の書いた車庫証明申請用紙にいちゃもんつけるとはいい度胸している。今まで何枚書いたと思ってるんだ。君がまだオムツしていた頃から、私は車庫証明を書き続けているのだ。私は若い巡査に滔々と説明した。そしてちゃんと勉強しておくようにと釘を刺した。車庫証明もなんとかクリアして、あとは登録を待つだけ、慣らし運転の計画も練りつつ、ドキドキの毎日を送っていた。しかし、この私の行動がシトロエンの神の逆鱗に触れたのか、またしても私に試練が降りかかるのであった。
つづく。

Posted at 2013/07/19 00:04:53 | |
トラックバック(0) |
ランチアイプシロン | クルマ