「ガラクタ車全部処分して、プジョー5008にして欲しい」
これは常日頃、アニエッリが私に出している要望である。
娘の成長に伴い、プントが手狭に感じることが多くなり、アニエッリ的にはプジョー5008が次期車の最有力候補である。
しかし、私は
「せめて新型ピカソが発売されるまで待ってくれ!」
とお茶を濁しているのだが、アニエッリは
「もうシトロエンは要らない。それにまたプントと同じようなギアなら嫌だ」
と言っている。たしかに彼女の言い分はよくわかる。しかし、私がプジョーを買うには癒えていない深い傷がある。
以前、我が家にはプジョー406スポーツがあった。
父と私はこの車が発売されて狂喜乱舞した。父もまだパワーがあったので、すぐオーダーした。しかし、納車されて父が出したコメントは
「俺もこんな車買うなんて、ヤキが回ったな」
と酷評で、全く乗らない。父の話を聞くと、フライバイワイヤーのアクセルレスポンスがどうも馴染めなく、思い通りにスロットルコントロールが出来ないというのだ。私が運転してみると、リニアじゃないが、そんな酷いとは感じなかった。そこで私は当時乗っていた初代イプシロンを手放し、売却金を父に渡し、残りは出世払いで譲ってもらった。
私は有頂天だった。性能云々より、当時のフランス車好きの中で高評価だった406スポーツを愛車に出来た喜びは大きかった。
しかし、その喜びは束の間だった。私の406スポーツはとにかく壊れた。3年間のクレーム期間中はなんとか許せたのだが、4年目に悲劇は起こった。
まず、エアコンのコンプレッサーが昇天、続いてスロットルバルブ(3回交換)、ABSのコンピューター、クランクシールからのオイル漏れ、シフトノブ脱落、しまいには黒煙吐いてエンジン停止。もうめちゃくちゃだった。その時私は社会人1年生で給料は手取り一桁万円だったのだが、修理代は40万程に膨れ上がった。もちろん1回には払えないので月賦にしてもらったのだが、支払いが終わるまで下宿先からもらった米を鍋で焚き、醤油をかけて食べた。道路沿いの自販機の返却口全てに手を突っ込み、下の覗き、100円が落ちてないか確認した。ミスタードー

ツの裏口に張り込み、賞味期限が過ぎて捨てられたドーナツを失敬したこともあった。
おかげで今も車のためにひもじい思いをするは苦ではない。
この辛い過去のために、私はプジョーを買うことに一抹の不安があるのだ。このハズレの406スポーツに比べれば、我が家の9年落ち以上のシトロエンは日本車並みの信頼性である。
でも一度5008にはじっくり乗ってみたかったので、ディーラーで試乗させてもらった。そして昔、仲間達とよく集った峠のチェーン脱着所に行ってみた。
初秋の岩泉街道、目を閉じるとタイヤのスキール音やブローオフバルブの音が聞こえてくるようだった。
あれから10年、耳毛が生え、おでこが広くなった私は、7人乗りの車でここに来ている。
さらば青春・・・
5008はとてもいい車だ。これを導入すれば、アニエッリも娘も両親も幸せになれるような気がする。
でもね
毎回のことだけど
テンロクターボ+アイシンに乗るとね
たまらなくC5が欲しくなるの~~~!!!!!
そんでもって、まだこんな世界でお馬鹿やっていたいの~~~!!!
♪ラリホ~ラリホ~ラリルレロ~♪

Posted at 2013/11/10 23:30:55 | |
トラックバック(0) |
車ネタいろいろ | 暮らし/家族