クサラブレークを手放してから数日後、総司令が父の怪しい動きを察知した。どうやら父は私には頼らず新しい車を物色しているとのこと。その証拠に、私が仕事で家に居ないときを見計らって物色しているらしい。私に頼ると古いシトロエンしか斡旋しないので、他のメーカーの車が欲しくなると隠密行動に出る。
そんなある日の深夜、マツダロードスターのカタログを茶の間で発見した。特段隠しているようでも無かったので、多分これは父から私へのメッセージなのであろう。クサラブレーク売却を勝手に決めて以来、私は父と必要最低限の会話しかしなくなっていたので、父も言いづらかったのであろう。
私も一応車好きとして、新型ロードスターの勉強はしていたので、どのグレードがベストバイなのか位は想像がついていた。
次の日、父にちょっと皮肉ぽく
「紙のカタログだけ見ていちゃベストバイなグレードは分からないよ」
と意地悪く言った。私がベストバイと感じたグレードは紙カタログに掲載されておらずホームページ上でだけ出てくる「NR-A」である。
父は私の言葉に??な感じであったが、営業さんに聞いたのかどうか、次の日に
「確かに紙カタログだけ見ていちゃダメだったな」
とポツリと行った。
それから2ヶ月後
慢性シトロ炎家、通算3台目のマツダ製ロードスターがやってきた。
父は過去に新車でNA6Cと8Cを買ったことがある。父にとってのロードスターは私にとってのシトロエンなのかもしれない。性能云々を超越した存在で、他人がどうのこうの言う次元じゃないのだ。そして私の意見どうりのグレードにしたのだから、車好きとしてクサラブレークの件は許してやろう。もう少しで前期高齢者なのに、ロードスターパーティーレース仕様を買うなんてファンキーな爺さんだ。
納車後、案の定給油を頼まれ、ガソリンスタンドまで乗った。
「ギャー!!!なんだこの乗り心地!ノーサスか?!石で出来たタイヤなんじゃないか!?」
ハイドロニューマチック信者の私には到底耐えられる乗り心地ではなかった。
しかし、父は素晴らしい足周りだと絶賛している。
我々親子はダムミーティングのメンバー以上に
「影響し合う平行線」
なのかもしれない。
Posted at 2016/12/24 00:02:50 | |
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マツダロードスター | 暮らし/家族