京都大学元教授・別記事

元教授　収賄容疑で逮捕　京大会見

不正「調査中」繰り返す
学生ら「真実解明して」

京都大大学院薬学研究科の元教授・辻本豪三容疑者（59）が東京地検特捜部に600万円余りの収賄容疑で逮捕された31日,学内には衝撃が広がった.大学幹部は緊急会見で「お騒がせして深くおわびします」と頭を下げたが,不正については「調査中」を繰り返した.学生からは「真実を解明して」と声が上がった.

　会見には塩田浩平副学長ら4人の幹部が出席した.「高い倫理性を持つ研究職として許されるべき行為ではない」と謝罪.約1時間半に及ぶ会見中,表情を緩めることはなかった.

　大学によると,辻本元教授の不正を初めて認識したのは東京地検の家宅捜索を受けた5月26,27日.翌28日,大学は元教授から事情を聴いたが,「収賄容疑は把握できなかった」という。6月になって学内に調査委員会を立ち上げた.

　辻本元教授が選定に携わったとされる入札の詳細について質問が相次ぐと,「調査中で答えられない」と繰り返した.また,元教授と業者との親密な関係について承知していたかを問われても,「把握していない」「知らなかった」と答えるばかりだった.

　辻本元教授の授業を受けたという薬学部4年の女子学生（21）は「『お金を持っている研究室』といううわさが広がっていた.立派な研究をしていると思っていたのに.きちんと解明してほしい」.1年の男子学生（18）は「教授という立場にある人が,お金に汚いことをしてほしくなかった」と話した.