2017年09月14日
2018年F1地殻変動、矛盾への仮説その2<追記しました>
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前回に続き、マクラーレン/ホンダを中心とした、
PU変更騒動とその周辺の状況報道から、
どうも腑に落ちないポイントをさらに挙げてみます。
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④「格下」ホンダPUにあえて換装、損失を伴うはずの「被害者」トロロッソが
サインツ放出という「犠牲」を払わされる謎?
ルノーPUがどうしても欲しい、というよりも、
「とにかくホンダとの協業を終了させたい」ように見えるマクラーレン。
あえて「敵に塩を贈る」かの如く、
「ホンダよりマシ」なはずのルノーPUを差し出すトロロッソ。
なぜ「恩を売る」はずのトロロッソが
ルノーに対し違約金相当の「犠牲」を支払う理由があるのか?
レッドブルにその辺りの計算がないはずがありません。
実際には、何らかの形でマクラーレン(あるいはホンダ?)が
ルノーへの支出相当分を肩代わりするのでは?
ホンダが何らかの資金提供(補償?)をするとすれば、
それなりの目論見もあると思われます。
以前も書いたように「チーム運営参画、もしくはチーム買収の可能性」
をも視野に入れていると想像しています。
F1を続ける場合、結果としてBARを買収し、
自前チームとして参加の第三期の苦戦は記憶に新しいですが、
それ以上に今回のマクラーレンのような
「小うるさい」パートナーとの軋轢で、
逆にパフォーマンスが阻害される可能性を考慮に入れてくるでしょう。
撤退直後、元ホンダワークスのブラウンGPがいきなり王座獲得、
現メルセデスAMGに繋がったことを思うと、
二輪HRCや、第三期F1のホンダレーシングF1のような本社直轄ではなく、
ホンダと認識できつつも外部別組織としての独立采配を保つ、
例えば「スーパーアグリⅡ」あるいは「無限ホンダGP」というような
カタチになるのではないでしょうか。
日本人ドライバーのF1参戦を支援する意味も含めるのなら、
トヨタ、ホンダといったメーカーの育成プログラムの枠を超えて、
有望なドライバーを抜擢し少なくともテスト起用するような、
懐の大きさを関係各社には見せてほしいものと思います。
それはさておき、トロロッソ側としては、
全開率の高いモンツァでレッドブル以外のルノーPU勢を引き離した
ホンダPUのパフォーマンスには注目しているはずで(下記⑤)、
以前にも書きましたが、親チーム レッドブルの真の目論見は、
「戦闘力が上がった際のホンダ「ワークス」PU獲得」に他ならないでしょう。
◇ ◇ ◇
⑤モンツァでQ3進出のマクラーレン/ホンダのパフォーマンスは
本当にルノーより劣ったのか?
決勝でもポイント獲得を窺い、
ルノーワークスやトロロッソより前を走り続けたバンドーン。
二台ともPU周りのトラブルでリタイヤを余儀なくされたのは事実ながら、
果たしてルノーよりもパフォーマンスに劣ると見るべきなのか?
夏休み明けのPUアップデートに期待が大きかったことは間違いないところですが、
相対的なパフォーマンスの把握ができているのか、意図的に評価をゆがめているのか、
マクラーレン首脳およびアロンソのコメント(の一部)と、
実際のパフォーマンスの相関関係には疑問が残ります。
Q3進出を果たした予選のように、
決勝でもトウ(スリップストリーム)を使い合い上位を窺う
という戦略は有り得ないものなのか?とも思いました。
このところの実質パフォーマンス向上度合をルノーと比較した場合、
「やっぱりホンダの方がいいかも」と
マクラーレンが翻意(?)しても不思議はないと思いますが、
噂のポルシェのF1参戦計画など、別の魅力のある戦略への布石としての
ホンダとの離別かもしれません。
逆にホンダ側としては、前述のように、開発の複雑さが増す中、
相変わらず車体(自社)優先のコンセプトのマクラーレンとの、
チームワークの限界が見えてきたようにも思います。
これは概念上の想像ですが、現状のメーカー間格差、
実際は使い切れない「最大何馬力出せるか?」よりも、
「実際にどれだけのパワー(トルク)をあらゆる組み合わせで長く使えるか」
エンジン、電気、ターボを統合しての制御レベルが、
実戦での勝負を分けるカギと考えます。
現行規定下で大きく広がった、
レッドブル/ルノー含め、カスタマー(エンジン使用顧客)勢と
初めから全体のシステムを想定して開発できるであろう
メーカーワークス勢の差は、全体を統合して開発できるか否かの、
組織としての問題のように思います。
ホンダからすれば、
PU制御システム、車体開発など、全体像に踏み込むことができれば、
余分な苦労をせずにメルセデスやフェラーリのように更に開発を進められたのに、
と苦々しい場面もあったことでしょう。
2017シーズン前に「石頭」ロン デニスがマクラーレンを追われたことは、
両者の協力運営にプラスになるか?とも思われました。
後任、「如才ない」ザク ブラウンの、一見柔軟にも見えるチーム運営、
実際には「完全主義」マクラーレンのアイデンティティ喪失につながりかねず、
チームワーク維持にもマイナスに作用したように思われます。
良くも悪くも「強権オーナー社長」ロン デニスと比べれば、
結局は「契約期間内」に数字で成果を挙げる必要がある
「雇われマネージャー」に過ぎないかもしれません。
そうでないことを望みますが。。。
◇ ◇ ◇
⑥マクラーレンと組む場合の、ルノーの目論見は?
ルノーとしては、現状3チームへの供給は既に限界で、
4チーム目としては供給を断る、という姿勢で、
トロロッソでもマクラーレンでもどちらでもよい、ととれるものでした。
ワークスチームを再編成し、選手権獲得を目指すルノーですが、
PUを載せる車体のベンチマークとしては既にレッドブルの存在があり、
マクラーレンに、トロロッソと組むこと以上のメリットがあるのでしょうか?
結果として、昨年来の念願だったサインツを獲得するようですが、
それ以外には、レッドブルが他社PU(例えばホンダ)に乗り換える場合に備え、
陣営に実績あるチームを確保する、という以上のメリットは見えないように思います。
◇ ◇ ◇
そろそろ各関係チームの来季新体制が発表されそうな雲行きでもありますが、
腑に落ちないところを記してみました。
与太話が万一、ズバリ的中ならば、来年はみんカラではなく、
モータースポーツ誌に寄稿しているかもしれませんね(笑)
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Posted at
2017/09/14 19:45:51
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