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2025年02月22日

DUCATI SSの整備 【22】スロットルグリップ プログレッシブ化【追記あり】と作動性改善

DUCATI SSの整備 【22】スロットルグリップ プログレッシブ化【追記あり】と作動性改善
【追記】ジェットニードルが純正よりテーパーのきつい別物になっていたために、かなり吹け上がりが早いアグレッシブなトルク特性になっていたと考えられる。ご参考まで。

低速域、とくに全閉からの開けはじめが扱いづらく、一気に吹け上がろうとする、
つまり、開け始めが過剰にいわゆる”ハイスロ”的だったので、スロットルグリップ側のケーブル巻取り部を加工してみました。

巻き始め部分だけのプーリー外径を小さくすることで、全閉からの開け始めだけ、スロットルグリップ操作作動量(角度)に対するキャブレター側のバタフライの作動量(角度)を減らしてやります。
それ以降はメーカーオリジナルと変わりありません。
僅かでも小径化する分、操作トルクも小さくて済むはずで、交差点右左折時など、極低速域、微小開度の調整をし易くする目算です。

競技車両など、巻取り部を作動軸心から偏芯させ、積極的にプログレッシブ化(グリップ側開度が大きくなるにつれキャブレター側作動量の度合いが漸進的に大きくなるように)している場合もよくあります。
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●スロットルグリップのプログレッシブ加工
alt
上の写真、中央あたりの黒い樹脂の中央に白っぽい筋状に見える部分から上側
開け側ケーブルのタイコ取り付け部に近いほど深くなり、かつ明らかな変節点ができないように、
深さ1mmに満たない程度、半径比率では恐らく5%程度ですが、溝の底を折れた鋸歯や小型ヤスリの側面で掘り込んでやります。

なお、樹脂成形時の金型合わせ目ラインなどは削り、軸受に接触する部分は磨いて、
ホルダー内での摩擦抵抗をできるだけ減らすようにしてあります。

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●スロットルグリップホルダー内側の加工
alt
できるだけ滑らかに軽く動かせるよう、グリップホルダー側も手を入れています。
以前記したと思うのですが、写真を撮りそびれていたので、企業秘密ですが(笑)掲載しておきます。
光っている部分は、スロットルグリップの回転の”軸受”になる部分です。滑りが良くなるよう磨き上げてあります。
内壁部分スラスト面は、鋳物の面荒れや波打ちを平らに均すように、小型の平型細目ダイヤモンドやすり先端で面出しするように削ってあります。
可能ならフェルトバフや綿棒などを使い、研磨剤で磨けばなお良いと思います。
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【スロットル操作、不具合の我慢は禁物】
●スロットルグリップの動きに抵抗があると、乗っていて不快で疲れますし、右手に余計な力が必要でハンドリングにも影響が出ます。
いちばん具合が悪いのは、作動抵抗が大きいためにレスポンスが悪く感じ、さらに強く開けようとすることで、
開け始めの動き出しが唐突になり、結果として開け過ぎになって車体の挙動を乱してしまうことの危険性で、大排気量車ほどリスク大です。

操作して、「ゴリゴリ」「ザラザラ」「ギシギシ」といった感触があるのは要整備です。
特にスロットルグリップを捻って手を離した際、瞬時にパチンと戻らないのは論外、危険です。

ケーブルを外してグリップを回してみて、どこが抵抗になっているのかを特定し、
最低でもグリップ内側清掃、ケーブル含め各部給油脂とグリップ組み付け確認、ケーブル取り回し確認が必要です。ケーブルのホルダーへの固定が甘いだけでも動きが悪くなります。
以上全てに問題がある車両も珍しくないと思います。

●スロットルグリップホルダーを組み上げる際は、滑らかに動くかどうかを確認し、引っ掛かりや渋さがある場合はどこかに不具合があります。
最低でも作業前と同じレベルにならない場合は、取り回し経路も含め、再度各部を見直します。

●スロットルグリップの遊び(ケーブル(開け側)のたるみ)は、ハンドルを切っても回転が上がらない範囲でできるだけ詰めないと、素早い変速動作などリズミカルな操作はできるはずがありません。
但し、左右にハンドルを切った際にも挟まれたり引っ張られたりしないことも確認し、エンジン始動後もハンドルを切った際に吹け上がったりしないか、必ずチェックしてから試運転してください。

●当方は基本的に、スロットルグリップとハンドルバーの間は潤滑剤を使わないのですが、
当該車両はハンドルバーが塗装仕上げで表面も荒れているので、ドライファストルブ(テフロン粉末スプレー)を吹き付けておきました。
いつか予備のハンドルバー(垂れ角拡大加工済み)と合わせて、塗装剥離&研磨、暗色メッキ仕上げにしたいと思っています。
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全開までの開度が小さい、いわゆる”ハイスロットル”グリップは、操作開度の割りにいかにも吹け上がりが速くなり、スポーティな演出ができますが、安心して遠慮なく”開けていける”技量や車両状態が前提での話です。やせ我慢して使うものではありません。

今回の作業はほんのわずかな削り量ですが、一連の作業の効果は想像以上で、
冷間時のエンジン始動直後のファストアイドル維持(微小開度での精密操作)が非常にやりやすくなりました。

これら細かい調整作業の積み重ねがチューニング(調律、最適化)です。
スロットル操作の1mm以下、右手の加減でドライブチェーンの張り具合を感じ取って制御できるくらいの滑らかさを目指してください。
時間や手間をかけてツボを押さえた対処をすることで、扱いやすさ=運転操作の精度が変わってきます。

言い換えれば、操縦者の意思を愛車によどみなく伝えられているか?という問題です。
見た目は全く変わらなくても、安全や楽しさに直結する重大ポイントです。ぜひ試してみてください。


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Posted at 2025/02/22 17:54:38

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