
さて、タイミングベルト交換を終え、現状のコンディションとパフォーマンス把握を兼ねて、
お誘いいただいたツーリングに途中まで同行させてもらいました。
写真は無事”生還”後、ねぎらいの気持ちで、汚れっぱなしだったホイールを久しぶりに掃除してやったところ。
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高速道と国道バイパスを乗り継いで某「道の駅」まで、ここに書けないほどの結構なペースでノンストップの走行でしたが、
キャブレター(パイロット系)のアイシング以外は特に不具合はなく、ここ数年の新鋭機種群に問題なくついていくことができました。
整備のための時間と労力を除けば、車両購入費とパフォーマンス比はバツグンです♪
調子を見るため近場をウロウロしていただけだった現車で、初めて6速ギヤを使ったように思います(笑)
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【気付いた点】
●ETC機器には不具合なし。時折パイロットランプが点滅していたので不審に思い、電源コード接続を見直しておいた。
=ぶっつけ本番でのゲート通過だったが、不具合だったら面倒なことになっていただろう(笑)
●ヒーターグリップのありがたみを実感。強弱5段階中、弱から2番目で十分な暖かさ。冬場はもうこれ無しでは乗れない(笑)
=欲を言えば、グリップに大きい凹凸(引っ掛かり)があると操作時の握力が少なくて済むだろう。
夏場は以前愛用していたホンダRS500用を使いたいが、今や廃番らしく「類似品」(笑)を使おうかと思案中。
●アイシング再発。気温10度以下、60Km/h程度以上でスロットル開度が小さい走行パターンの場合、スロットル全閉でストールする。再始動は問題なく、少しでもスロットルを開けていれば高めでアイドリング維持は可能。
=道中随時のパイロットスクリュー調整を想定し、防風板を装着していなかったことも一因か。
そろそろ乗るたび道端でのキャブレター”ご機嫌伺い”は卒業したいところ(笑)
●燃料消費過大。ツーリング前に残量警告灯点灯で燃料補給したところ、10Km/ℓと判明。
以前愛用した900MHRや750F1、TX650では一般道・市街地走行時は概ね20Km/ℓ程度だったので驚きを禁じ得ない。
なお、この日のツーリングの燃料消費は、13Km/ℓ程度で、アベレージ速度は高くとも、巡航状態になればスロットル開度は殆どの場面で1/2以下と思われる。
=低速・ゴーストップの多い市街地区間ほど燃料消費が多いようで、前回交換したパイロットジェットが吐出量過大と考えるのが妥当と思われる。仕事が一段落したら#50を試したい。うずうずしている(笑)
●倒立フォーク&高強度・剛性フレームと、下半身で押さえやすいシート幅・タンク形状・フットレストの位置関係、大幅に進化したラジアルタイヤは、750F1と比べればほとんど不安感がない。
ただし、時折路面の継ぎ目やギャップで前輪側の進路が影響を受ける場面があった。
=ステアリングステムベアリングをぎりぎりまでゆるく組んでいるため、レース打ち替え後の走行で若干でも馴染みが出て、微小なガタが出ているのかもしれない。少し増し締めで様子を見たい。
筆者は操縦性の中でもリーン開始時の舵角の応答性を最重視しているので、ある程度路面からの影響は受けやすいと思われ、ある程度はやむをえないと考えている。
●80Km以上の速度域で、車体がリフトし動きが軽くなる感覚がある。
不安感はないが、前述のフロント側の落ち着きのなさの一因かもしれない。
=当日は高めの速度域を想定し、上半身は革ジャケット、下半身は冬用オーバーパンツ+ショートブーツ着用。不快なバタつきは感じなかったが、オーバーパンツは多少リフトの原因になったかもしれない。
=純正ハーフカウルの場合、外からは見えないが左右のサイドパネルを結ぶ翼断面のブリッジが存在する。現車には付属していなかったため、当日含め今まで装着していなかった。
部品自体は保有しているので、装着状態での挙動を確認してみたい。
(この翼断面ブリッジを紛失している車両は多いようだ)
●フロントホイールベアリングからグリスが滲み出した。ブレーキローターを汚す手前で拭き取った。
=以前シールを外し、洗浄・給脂した際、目いっぱいグリスを詰め込んだせいと思われる。
かなり以前に県内某ショップお勧めだったEPLグリスを使用したが、根拠となる性質表示がなく、ちょう度(オイルでいうところの粘度)あるいは耐熱性が高速走行には適さなかったのかもしれない。
ちなみに滲みだした状況は見事に錆色の放射線状で、帰宅後リフトアップしてみると以前よりも前輪が軽く回るようになっていた。EPLの謳う「金属改質効果」あるいはラッピング効果があったのかもしれず興味深い(本来はベアリング交換するべきところである)。さらに様子を見たい。
●シート座面とフットペグの距離が近く、曲面形状ゆえ一番低い位置に着座位置が制限されてしまい、かつ幅も狭いため、太腿裏の血行が悪くなり、腰も痛くなる。
筆者の体型では両足ともかかとまで地面に着いて膝に余裕があるので、帰路では信号停止時の都度、跨いだまま地面に立って、シートからお尻を浮かせていたほど。
以前友人が試乗した際に指摘されていて、彼は「ペグを下げたい」といっていたが、あまり下げるとコーナリング時につま先が接地するのと(750F1で経験)、シート上での体の移動に支障が出るので、
むしろシート座面を上げ、運転者が車体重心に対し、より高いところに位置することで車体のコントロール性を高めた方が、乗り心地も、スポーツバイクとしての切れ味も、よくなると思う。
=表皮が破れた予備のシートがあるので、アンコ盛りをするべく準備中。
コントロール性重視で、シート座面を高く・特に後部を幅広く・全体にできるだけ平らな形状で、かつ見た目も違和感のないように仕上げたい。
【余談】
この点、インジェクションになった世代のSSie群のテルブランチ肝煎りの”ライディングインターフェイス”はペグの前後位置(ブレーキペダルの都合だろう)以外は非常に好ましい。
乗車姿勢やマシンへのフィッテイングは3次元で考えるべきで、単純に「ハンドルとシート座面の高低差が少なく、前傾がきついので乗れない」などと、側面図=2次元の発想レベルで思い込んでいては損をする。
下半身全体で面で体を支え、上半身の自由度をも高め、コントロール性も高ま
る、高度な思想が入った仕様なのである。
そんなSSieのシートをそのまま流用したかったが、安易な”ポン付け”(マニア度0点の忌むべき言葉だ(笑))は無理。
私見ではシート座面は単純な平面形状が、乗り心地の上でもコントロール性でも、見た目でも一番好ましいように思う。
●基本的に標準品だが、意のままに扱えるブレーキ
当初、フロントはブレーキレバーがグリップに着いてしまうほど、リヤは踏めど全く効かないといった惨状を呈していた。それでも”車検は通る”んですよ。満足できるなら人生全てバラ色(笑)
=フロント側は以前記したような作業を経て、当初予定していたΦ19×20ラジアルマスターシリンダーへ交換の必要性を感じないほど、自信と余裕をもってブレーキ操作を楽しめる状態になっている。
=リヤはエア抜き作業中に、傷のあった純正ゴムホースからフルードが噴き出す事態となり、作動良好だった同じ車種のものをマスター/配管/スレイブ一式移植、フルード交換。制動力は大したことはないが、車体姿勢や荷重制御に非常に扱いやすく好ましい性質で非の打ち所がない。
●スムーズでフラットトルクだが、パンチ力に欠ける出力特性
キャブレター整備・調整を繰り返し、当初からは想像できなかったほどスムーズで好ましいエンジンフィーリングを得ているが、走り屋連中に伍しての高負荷領域での走行となると、開けていった際の車速の伸び感が今一つのように感じた。
こうなると「面白いのは900より断然750」などとの持論も影を潜めそうになるのは、我ながら現金なもので情けない(笑)
=ジェットニードルを純正品に戻した際にある程度想像できたことではあるが、可能ならば市街地中心のチューンと、高速走行向けチューンを簡単に組み替えて対処できると申し分ないところ。
純正キャブレター/エアボックスでは気軽に部品交換はできないので、ひとまず街乗りを優先とした設定で運転手を慣らしてから次の段階に踏み込むことにしたい。
考えてみると現代の大型スポーツバイクは出力特性をマップ切り替えで選択でき、昔の競技車両ならコースに合わせたチューニングを試行錯誤していたことが、容易に選択可能なのは大したことである。
それにしても、共に走った中に一台、最新鋭250㏄4気筒車がいて、昔のイメージで「大型車に伍して走るのは大変だろうな」と思っていたが、まるで引けを取らない走りっぷりなのには驚いた。
もちろん運転者の技量によるところが大きいとは存じており、全くもって脱帽でした。
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某道の駅では「懐かしいな」「よく乗っているな」という声も聞かれたが、敢えて(転んでもいいように)ボロの外装を被せて、中身はいろいろ手が入っている、いわば擬態である(笑)
筆者の場合はとうに償却済みの中古物件を、修理前提で乗り継いできた車歴における「最新版」、日々研鑽中の整備技術と、倒立フォークやラジアルタイヤのありがたみを大いに実感しているところで、「新しいのはイイ!」(笑)
要は新しいものの良さを受け入れ、物事のあり方を理解するのに、価値観やら懐具合やらいろいろとあり、30年も掛かってしまった、ということですな。
死ぬまでには2025年現在の現行車両所有に到達できるだろうか?(笑)
それはともかく、また次回もお誘いいただくことになっているので、水面下のチューニングをさらに進め、次戦に備えたいと思う(笑)