
先日、ご近所の熟練者氏に乗ってもらって「後ろが低い」との指摘で思い当たるところあり、
早速その夕方、プリロードを半回転ほど掛けて乗ってみると、動きの軽快なこと!
つい気分を良くして県境を越えて、回り込んだ長いカーブが多く、ほとんど信号機もない山間部の県道を突き当りまで足を延ばしてしまいました。片道70㎞(笑)
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以前は穏やかな挙動で、からだ全体のアクションで向きを変えるような設定になっていたので、峠道の小さなカーブの連続は少し苦しい状態でした。
今回リヤショックの沈み込みが減った分、後ろの車高が上がって寝かし込みは軽くなり、市街地の右左折などは非常にラクになりました。
反面、久しぶりに走る照明のない山中の屈曲路では、ガイド役の先行車を立てていたのですが、視界が悪くつい早めにインに寄ってしまい、却ってスロットルを開けづらくなってしまうパターンになってしまい、結局突き当り地点で再度プリロードを減らして後ろを下げました。
プリロード増減はシートを外し、燃料タンクをリフトアップした状態で金づちとアルミ棒を使って(タンクバッグで持参していた(笑))リングナットを回すのですが、もう少し手軽にできれば走る場面に応じて調整したいところです。
筆者以前所有の750F1は、油圧式プリロードリモートアジャスター(オーリンズ製)で走行中でも調整できたのですが、当時はプリロード増減での操縦性の変化に今ほど気付いておらず(主にラクをする目的で使っていた)、勿体ないことをしたものだと思います。
そもそもオーリンズ製リヤショックはプリロードをいじらずに、エンドアイで全長のみを調整できたのですが、ありがたみは失って気付くもの。。。
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●嵩上げ・幅広化したシートは、表皮を張っていないこともありグリップがよく、カーブの連続の道にはピッタリでした。
左右の端(ショルダー部分)のエッヂを立てる形状にしていたので不具合があるかも、と懸念していましたが、往復150㎞程度では特に問題なく走破しました。
●問題だったのは、アイシングの再発でした。
日が落ちて気温が10度以下くらいになり、特に長い下り坂で、低開度・低負荷・それなりの速度の条件が揃うと徐々に吹けが悪くなり、スロットル全閉ではストールしてしまいます。
登り勾配になり負荷を掛けるか、信号停止でスロットルを微開状態でホールドするなどすればすぐに調子は戻るのですが…
昼間は20度台半ばまで気温が上がったので、オーバーヒートのリスクを考えて防風板は装備・携行しませんでしたが、ヒーターグリップをONにするほどでなくても気温10度以下では装着した方が良さそうでした。
●もう一つの心配事は燃料切れ(笑)
遠出をするつもりもなく足を延ばしてしまい、突き当りではまだ残量警告灯は点かなかったので大丈夫だろうと思いつつも、
変なところで吹けなくなったり止まってしまったりすると危ないので、コンビニのお姉さんに「この辺りにガソリンスタンドありますか?」とお尋ねすると、夕方で閉まっているとのこと…(笑)
帰路も先行車を立てて、できるだけ高いギヤで回転を上げずに山を下るつもりでしたが、前述のアイシングの条件を完璧に満たしてしまい、道中の半分程度はガス欠のようなバラついた状態で麓の街にたどり着いた始末。
寒さは大したことはないが楽しくもなんともない。ただバイクを運んでいるだけ(笑)
たどり着いた街でスタンドを見つけるも、すでに閉店…
人通りの減った街をしばらく彷徨った挙句、コンビニで教わってようやく燃料補給。
前回の燃料補給から帰宅までの燃料消費は約15㎞/ℓ。パイロットジェット変更の効果が数字でも確認できた。
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●改めて気付いたのが、フットペグとシート着座面の近さ。
現状実測値では430mm(嵩上げシート上面~M900純正ゴム引きペグ上面 間)
コーナリングのために体を動かすには具合がいいが、距離が伸びてくると膝の曲がりがきついのがだんだんと気になってくる。
750F1のように無理な内股の姿勢で膝が痛くなるようなことはないが、もう少しシート~ペグ間は広い方が体を動かす際も自由度が上がると思う(運転者の体格にもよるが)。
そこでタイトル写真のように、偏芯調整式フットペグを試してみることにした。
以前、予備として購入したM900フットペグ周辺部品一式に付属してきた社外品(アルミ削り出し)で、ピンで回り止めをする構造。
これだけ買おうとすると結構な金額らしいが、左右ペグブラケットAssy一式で送料の方が高い額で入手。まだまだ底値である。

とりあえず左側ペグを交換。いっぱいに下げてみた。実質的に10mm程度低くなってはいるが、可倒式ペグ支点と偏芯軸心部が突き出して、ペグ内幅が片側で30mm程度も広くなってしまう。
跨ってみると突き出し部分が邪魔をして、くるぶしでのグリップが全くできずとても乗れたものではない。即不採用決定である。
(標準品は支点とペグが同じ高さなので、有効内幅はブラケット垂直面外側同士の距離となる)
これならばフレームとの間に厚手の鉄板かアングル材でもう一つブラケットを介して好きな位置にペグブラケット(黒い部品)を丸ごと移設した方がまだましである。
よく考えれば試すまでもなかったことだが、標準よりもペグを下げないことが偏芯式ペグの使用前提となる。お粗末。
タイトル写真再掲。ギヤペダル支点と同じくらいの高さまでペグが下がってはいるが、実質的な下がり量は対スタンダード比10mmに足らない程度だろう。それであれば現在使用中のM900純正ペグをラバーコーティングの無いものにすることで、ゴムの厚み分の数ミリを稼ぎ出すこともできる(滑り止めの工夫は必要だが)。
いずれにしてもシートクッション厚みも形状も未確定なので、当初の計画通りにあと10mm程度嵩上げ(5mm厚を2枚重ね貼り)し、シート前方上面、太腿裏が接するあたりの形状を工夫して、
さらにはハンドル高さを少し下げて体の角度を変え、シート着座面の面圧力を分散を図ることで、膝の曲がりのきつさに対処することは可能のように思う。
意識してみると、10mm程度のシート高変更や、わずかなハンドル位置・角度の変更程度でも、手首やお尻、足裏への荷重の掛かり具合が変わってくるのがわかり、
それが体の動かしやすさや操作の無理のなさにつながるのが興味深く、終わりのない世界に入ってしまった気もする(笑)
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【おまけ】
●排気管接続部切り口の内面仕上げ
フットペグ周辺作業のためサイレンサーを取り外したが(一対のM6ボルト/ナットだけで固定)、何気なく差し込み部に触れると、エキゾーストパイプエンド内側部分は切断時のバリ(カエリ)が残っていたので、リューターを使って除去した。細く光っている輪の部分が削り取った跡。
出代で0.3mm程度、内径にすると0.5mm以上は突起になっていたので、
この効果だけを体感できるかは疑問だが、スムーズな排気の流れという点では効き目がないとは言い切れないと思う。
小さなことの積み重ねが成果の基になるはずである。
【追記】
部分的にカエリを残してやることでボルテックスジェネレータ(乱流を起こして抵抗を低減する形状物)的な使い方ができたかもしれない。とはいえ効果の測定のしようもない気がするが。
【余談追記】
この頃のドゥカティは各部の造りが凝っていて、ステンレス製排気管差し込み部のメス側は写真のように二重管になっていて、内筒と外筒の間にサイレンサー側パイプを差し込むようになっている。
そのため接続部内側はパイプを重ねる段差がなく、内筒が終わるところで肉厚分だけ広がる形状。
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メーカー標準の姿を崩さずに能力を高めることを試しながら構造や走りの理解を深め、
長期的には出力特性や重量配分など機能面を含め、カスタムマシンとして再構築したいと思う。