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2025年06月26日

DUCATI SSの整備【63】リヤブレーキ組み付け・エア抜き

DUCATI SSの整備【63】リヤブレーキ組み付け・エア抜き 分解清掃を行ったリヤブレーキ一式を組み付けました。

「あれ? 以前と仕様が変わっているな?」と気づかれた方もあるかもしれませんね。
しばらく記事を書いていなかった間に、車両の現状に至る時系列と順不同になっているので、
その辺りは追って記事にしたいと思います。
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【組み付けの留意点】
●バンジョーボルトのクラッシュワッシャーは必ず新品を使うこと。
●アルミ製フィッティングの場合は必ずアルミ製クラッシュワッシャーを使うこと。
●キャリパーとブレーキローターのセンターが合っているか、必要に応じてシムで調整。
●プッシュロッド先端を確認。変形や錆があれば修正・研磨してグリスアップ。
 (筆者は多めに塗るので、はみ出し分のシールへの影響を考慮してブレーキ用グリスを使用)
●ペダルの高さを合わせた状態で、プッシュロッドの遊びがほんのわずかだけあること。
●ペダルの動きが渋い場合はピボットの整備が必要。
●ブレーキランプが制動初期に点灯できること。
●最後に各ボルトが正しく締まっていることを確認する。

それ以外は特に何ということはありません。焦点はエア抜きです。
とりあえずペダルストロークに手応えが出てきたあたりで一旦試運転してみましたが、ほとんど効かないので、すぐに帰還。まだまだエア混入している様子。

そこで再度エア抜きを行うにあたり、一度やってみたいと思っていた方式を試します。
キャリパーのブリーダーボルトからの排出ホースをマスターシリンダーのリザボアまで引っ張ってみました

名付けて「循環式エア抜きシステム」(笑)
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【システムの目的】
フロントブレーキの場合は、マスターとスレイブ(キャリパー)に高低差があるので、
以前にも記したように、筆者の場合はマスターシリンダー側でエアを抜きながらキャリパーにフルードを送り込むようにして、ブリーダーボルトからのフルード排出量を少なくしていますが、
リヤブレーキの場合は高低差が少なくエアが抜けにくい(気泡が上方に移動しにくい)ので、フルードを大量に消費してしまいがちです。

そこでキャリパーから排出したフルードをリザボアに戻せば、フルード使用量は最小限に抑えることができるだろうという目算です。
言い換えれば、フルード消費量を気にせず、納得いくまでエア抜き作業ができる、ということです。

実施に当たり、留意したポイントは2点。
●戻したフルードの気泡をマスターシリンダーが吸い込んでしまうと意味がない。
→フルードを戻してもこぼれない範囲で、リザボアの液面を高めにしておく必要がある。
●作業中にホースの出口がずれるとフルードがこぼれて大変なことになる。
→ホース末端に近い部分で確実にタイラップ留め。取り外す際も注意が必要。
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【作業実践】
液圧回路のエア抜きは、フルードの扱いなどあまり楽しいものでないのですが、今回は思い付きを試してみるということで、うまくいくのかどうか、少し楽しみです。

準備を整え作業開始。すんなりとは気泡が排出されず、あちこちに滞留しているようです。
筆者の場合はプラスチックハンマーを使ってキャリパー・ホース・マスターシリンダーなどあちこち色んな方向からまんべんなく叩いて振動を与え、液圧回路内部の角などに留まっている気泡を動きやすくして排出するようにしています。

マスターシリンダーからリザボアに気泡が一向に上がってこないので不審に思い、
何気なく連結ホースを指でつまんでみたところ、大量の気泡が次々と上がって来ました
どうやらマスターシリンダー ~ リザボア間のホース差し込み部の段差に気泡が引っ掛かっていたようです。

キャリパー側からは炭酸水のようにチビチビと小さな気泡が少しずつ上がって来ます。
フルード排出量の割りに出てくる気泡は小さく少量ずつで、効率の悪さにイライラさせられる場面ですが、今回はフルード消費量を気にしなくていいので(笑)時間の問題と割り切って作業を続けました。

最終的に循環ホース内のフルードは無駄になるのですが、キャリパーを通過して出てくる総量に比べれば大したことはありません。
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あちこち叩きながらペダルをポンピングしても気泡が出てこない状態がしばらく続いたので、
ひとまず作業は終了。
試運転に出る前に踏み応えを確認すると、整備前に比べてプログレッシブに踏み応えが高まるのが感じられます。

制動力自体はそれほど大きくなく、リヤブレーキだけで停車するのは歩く速度くらいでないと無理そうですが、
整備前のON/OFFしかないような効き方ではなく、制動力の加減ができるようになっています。

ひとまず作業は成功としてよいと思いますが、もう少し絶対制動力が大きくてもよい気がします。
あらためて湿度の低い、風の少ない日に再度エア抜きを試したいと思います。
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新発見のような書き方をしてしまいましたが、冷静に考えるとさほど特別なことでもないので
もうすでに実践されている方はおられるでしょうね。

いずれにせよ、リヤブレーキに限らず、液圧回路のエア抜きは一回だけではなかなか抜ききれないので、機会あるごとに作業をするのがお勧めです。

マスターシリンダーの構造や設定などにもよりますが、
無効ストロークがほぼ皆無、ペダルやレバーの滑らかでガタが無い、適正レバー比の作動の心地よさを経験すると、
フワフワ、ガタガタ、ギシギシといった手応え(足応え)のブレーキは絶対に許せなくなりますよ(笑)



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Posted at 2025/06/27 21:05:59

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この記事へのコメント

2025年6月30日 11:41
お疲れさまです。
エアー噛みを防ぐには、圧送方式かキャリパーを取り外して高低差を生じさせると良いです。
コメントへの返答
2025年6月30日 13:37
こんにちは。暑いですね。
アドバイスありがとうございます。

実はキャリパーを取り外して(地面に転がして)エア抜きも考えたのですが、ブレーキホースの長さにあまり余裕がなく、今回は見送った次第です。

配管済み状態でマスターシリンダー~キャリパーAssyで取り外しも可能なので、次回組み付け時はブリーダー側からフルード注入などもやってみたいと考えています(^^)

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