
以前ハイコム主導下でのプロトンから発表された Lotus Cars を黒字化する為の問題点として ディーラー のネットワーク というものが有りました 。
日本を含む従来からのマーケットエリア に対するテコ入れ なのか はたまた 新しいエリアへの進出等なのか ( その両方への展開も有るとと思いますが ) 具体的内容は不明ですけれども 、 もっとも重要 かつ危急な問題は Lotus Cars の御膝元でも有る 英国販売実績の回復ではないかという印象です 。
特に英国内での販売実績については 2010年 パリショー での新モデル発表後行われた ディーラーネットワーク再編時に起こった販売落込みが 現体制に変わって以降の 2013年実績においても十分には回復してきていないと感じられます 。
以前掲載した英国内の新車登録台数に 2013年の実績を追加して再掲載すると下記のようになります ( 日本での エルシーアイ 体制以降の実績も御参考までに再掲載しておきます )
・・・・・・・・・・・・・・・・・ 英国 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 日本
2000 ・・・・・・・・・・・ 1.613
2001 ・・・・・・・・・・・ 1.184
2002 ・・・・・・・・・・・ 1.305
2003 ・・・・・・・・・・・・・ 964 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 292
2004 ・・・・・・・・・・・・・ 879 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 381
2005 ・・・・・・・・・・・・・ 934 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 411
2006 ・・・・・・・・・・・・・ 820 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 449
2007 ・・・・・・・・・・・・・ 712 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 427
2008 ・・・・・・・・・・・・・ 647 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 348
2009 ・・・・・・・・・・・・・ 485 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 247
2010 ・・・・・・・・・・・・・ 577 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 312
2011 ・・・・・・・・・・・・・ 329 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 271
2012 ・・・・・・・・・・・・・ 137 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 262
2013 ・・・・・・・・・・・・・ 256 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 305
台数実績としては今回も 英国自動車工業会 ( SMMT ) と 日本自動車輸入組合 ( JAIA ) の発表台数から拾っています 。
2000年以降ほぼ一貫して減少傾向に有るわけですがこの減少の原因としては
・ 2002.年あたりまでにある程度需要層に行き渡ってしまい 2003年以降の新規需要が減少傾向になった
・ 2004年以降に追加された 2ZZ等のトヨタエンジン搭載車 、 ヨーロッパ S ・ エヴォーラ 等の新モデルがそれ程英国市場では受け入れられなかった ( ただ 2ZZ搭載車は当初北米向けに開発販売されたので英国での発売開始時期はやや遅かったかもしれません 。 このあたりは未確認です )
等なのだろうか ? と感じるのですが 、 Lotus Cars のマーケティング担当者はこのあたりをどう考えているのか個人的には質問してみたいところです 。
出来れば S1 エリーゼ 投入前後の 1994年から 1999年までの実績も知りたいところですが自分が初めて資料を見た時には一番古いデータ が 2000年だったのが大変残念でした 。
2009年に 英日 共に減少しているのはリーマンショック の影響も有りそうですが この時 10月に D ・ バハー氏が CEOに就任しています 。
2010年にやや実績が回復した後 2011 、 2012 と 2 年続けて共に半減していますが 、 これについては 2010年に行われたと思いました D ・ バハーCEOの新方針による英国内のディーラーネットワーク 再編の影響が大でしょう 。
D ・ バハー 就任後の方針
前任の M ・ キンバリー退任後 新しいCEOには D ・ バハー という人物がなる と某所で聞き 、自分も含め周囲のロータスオーナー の皆さん達も
「 ダニー ・ バハー って 誰 ? 」
という感じでした 。 詳しい方のお話ではレッドブル レーシング で F1 のプロモーション を担当し現在のようなレッドブル のイメージアップ に貢献し その後 フェラーリ に移り 副社長として 458 イタリア のプロデュース 等に関係したというものでした 。 どうしてプロトン がこの人物に白羽の矢を立てたのかわかりませんが ( バハー氏自らが フェラーリ副社長の座を捨ててまでして 売り込んだとは考えにくいので ・・・ プロトン側がフェラーリ以上の高給 ・ 待遇を約束して引き抜いたのでしょうけれども ) 一つだけ個人的に非常に期待したことが有りました 。
ロータスの車に関して ロータスオーナーからまでも 「 ロータス ・ クオリティー だから ~ ・・・ 」 と言われるネガティブ な評判を 特にフェラーリ の副社長も経験してきているということで
( フェラーリ車の品質も モンテゼーモロ 社長以降品質向上を重視し 、 より良くなったと聞きますので )
大きく改善する方向へ対策を打ち ロータスの車のクオリティ を上げてくれるのでは ・・・
という点です 。
しかしその後聞えてきたのは
「 Lotus Cars を英国の フェラーリ ・ ポルシェ にする ! 」
という考えだ との話でした。 CEO就任後しばらくの間 バハー氏の通勤車は ロータス では無く フェラーリ 458 イタリア だったと聞きます。
雲行きがおかしくなってきたのは就任後しばらくして開かれた世界各国のインポーターを集めての販売会議で 当然 日本からも エルシーアイ が参加しています 。
この中で D ・ バハー氏から各国のインポーターに対し 「 今後のLotus Cars はどんな車を作っていくべきか 」 的な質問が有り 、 エルシーアイ の担当者は最初か 2 番目に答えたそうですが
「 Lotus Cars の車の本懐は ライトウェイトスポーツカー で有ることで有り 、 云々 ~ 」
と 自分も含めロータス車 オーナー ・ ファン ならまず 100 % そう答える的な内容だったそうですが、 それに対する D ・ バハー氏の回答は ・・・
「 ならば あなたはこの後の会議には出なくても良い 」
という内容のものだったようです 。 就任当時の自動車雑誌へのインタビュー記事には 「 ロータスの伝統も大事にしながら ~ 」 的な コメント が有りましたが 、 ライトウェイトスポーツカー を重要視していないことは明らかな 印象でした 。 ただ 同時に雑誌記事でコメント されていた 「 Lotus Cars は変わらなければならない 」 という点については これまでのLotus Cars 歴代の経営陣による車のクオリティ に関する考え方において その通りで有る と感じる部分ですけれども 。
このクオリティ に関する考え方については多くの優れたライトウェイトスポーツカー を取り纏めてきた ロジャー ・ ベッカー 氏やエリーゼ シリーズ のキーマン で有った トニー ・ シュート 達 で有っても その車作りに対し認識が十分では無かったと感じる部分です 。
その後の会議に実際エルシーアイ が参加させてもらえなかったのかは不明ですが 、 こうした従来からの ロータス車 ファン が求める物とは今後登場する車の方向性が かなり異なるようだ という不安は 2010年のパリショー で実際の形になって出てきました 。
パリショーの次に D ・ バハー が行ったのは ディーラーネットワーク の再編でした 。
当時の英国内のロータスディーラー は新旧 ・ 大小 合わせて 30 社程有ったようですが この内小規模ディーラー を廃止し残した主要ディーラー の下に特約店としてつけた ようです 。 2014年現在 Lotus Cars のオフィシャルサイトに載っているディーラー は 12社 ( 別にサービスセンター のみ のところが 10社 ) になり販売力が大きく落ちたようにも感じます ( 中には反発して辞めたお店等も有ったかもしれませんね 、英国人 プライド高そう ? ・・・ ですから ) これらにより 2011 年には大幅に登録実績がダウンし全体の生産台数も減ったのか 2011年後半にはLotus Cars は一部パーツ サプライヤー への支払い不能状態に陥っています 。
この為も有って 2012 年始めには トヨタからのエンジン供給がストップし 1 ~ 3 月までの工場閉鎖問題が起こり 2012年にはさらに生産台数が激減したことにより 英国新車登録もおそらく会社設立時初期を除いて過去最低レベル の 137 台に なってしまいます 。
このディーラー 再編に関する話題は当時日本にも来ていました ( 全部のディーラー が把握していたかはわかりませんが )
内容としては全国の正規ディーラー を 5 社 程にし ( 当然 1 社は エルシーアイ直営の ロータス東京として ) 他はその下に特約店としてつける というものです 。
さらに正規ディーラーの条件としてハードル が高くなっていたのはパリショー 5 車種が発売された際は その5車種全てを展示出来るショールーム を持ち 同時に 5 車種の試乗車も持つこと 、 ショールーム も Lotus Cars の CI にならった物にする 等が有り 正規ディーラーに残る為にはかなりの費用負担が必要で 、 ある大手ディーラーでも 「 そうなったら 辞める 」 なんて 話も出ていました 。
この Lotus Cars の CI にならった ショールーム については それ以前のエヴォーラ 発売に伴う エヴォーラ店制度の頃から話が出てきていましたが エヴォーラ店としてエルシーアイ オフィシャルサイト に登録されていた全店がそうなっていたわけでは有りませんでした 。
日本で言えば原宿のショールーム が一番イメージ に近いと思いますがバハー構想の 規模に対応するには このマレーシア くらいのレベルが必要になってくると思われます ( ただ これはアジアエリア では一番大きいものでしょう )
英国製 ファニチャヤー 等の見積もり費用も出ていたようで 新路線で作られる車達の価格も考慮すると
エルシーアイ でも不可能なレベルの投資が必要と思われ コーンズクラスのインポーター でないと無理だろう ・・・との声も上がっていました
( ということは エルシーアイ もインポーター を降りていた可能性が大でしょうね )
2011年後半から 12年始めのLotus Cars の状況を考えると考えにくい形では有りますけれども もし バハー体制が あのまま 後 半年から 1 年続いていたら 日本でも このディーラー 再編は実行されていたかもしれません 。
2014 年の動向は
昨年 12 月には英国では 60 台以上の新車登録が有り トータル台数も 256 台と 一応 2012 年比ほぼ倍増で 現在の アスラム 体制で良い方向に順調に向かうか ・・・ と思っていましたが 、 そうとばかりは
英国内の登録実績については言えないようで 下記のような状況です 。
・・・・・・・・・ 英国 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 日本
・・・・・・・・2014 ( 2013 ) ・・・・・・・・・・・ 2014 ( 2013 )
1 月 ・・・・ 16 ・ ( 4 ) ・・・・・・・・・・・・・・ 25 ・・ ( 18 )
2 月 ・・・・・ 1 ・ ( 1 ) ・・・・・・・・・・・・・・ 30 ・・ ( 32 )
3 月 ・・・・ 26 ・ ( 37 ) ・・・・・・・・・・・・・ 45 ・・ ( 31 )
後 1 ~ 2 年で 3.500 台の生産をする為には 今年は 英国で 500 台程度 、 日本で 400 台程度の登録実績は欲しいのではないかと感じますが 、 早くも厳しいのでは ? という雰囲気が ・・・
( 昨年の生産台数は 1.300 台程度のようですが 、 車の供給さえ有れば日本での 400台はいけるかもしれませんね )
バハー氏が まだパリショー での車が 1 台も発売されていないにもかかわらず ディーラー再編を先にしてしまったのは明らかに失敗だったのではないかと思います 、 まあ 後にやってもそう結果は変わらないかもしれませんが 。
現体制で出来ることは以前正規ディーラーで有って再編時に辞めてしまったところが有ればTOPが変わって方針も変わった為 ( ハイコム では Lotus Cars = ライトウェイトスポーツカー と考えていると聞きますので) 頭を下げてでも戻ってもらうとか 、 もしくは 新規ディーラー を募集して販売力の強化をはかるくらいしか無いのではないかと思いますが ・・・
そう簡単にはうまく 行かないでしょうか 。
SMMT の実績データと一緒に載っていたものですが 2004年と 2014年の どちらも
3 月に登録された 乗用車全体の色別比率だそうです 。
2004 年は シルバー と ブルー で 60 % 程度有りますが 2014 年はOther を除いて 比率が均等にかなり近くなり 2004 年には無かった ホワイト が増えています 。 海外ではホワイト は商用車のイメージ らしく色の人気度としては日本と違って低めと聞いたことが有りますが最近はそうでも無いのですかね ?