
4 月 1 日だから ~
というわけでは無いのですけれども ・・・
自分が目にしたのはまだ先日のことなのですが 2 月末頃に海外の自動車サイト 等に掲載されていた記事で 「 プロトン が中国の
" Goldstar Heavy Industrial Co Ltd " と契約し 福建省泉州市 に今後工場を新設し Lotus ブランド の新車と エンジン の生産を行う 」 というような内容が掲載されていました 。
泉州市のウェブサイトにも掲載されているそうで プロトン が今後の自動車生産についてのなんらかの契約をゴールドスター重工業と結んだことは事実なのかもしれませんが
" Lotus ブランド " の車を中国で製造 ・・・
ということでこれを取り上げた方の
「 今後 Lotus Cars は中国で エリーゼ ・ エキシージ を生産するのかも ? 」
なんて書かれているブログ を拝見したりもしましたが ・・・
現実的に考えて当面まずそれは有り得ないのでは ?
という印象です 。
又 今後実際に中国で エリーゼ ・ エキシージ を Lotus Cars が生産を計画 などということになれば 3 月頃からの日本の自動車関連サイトに挙って話題にする記事が掲載されるでしょうから ( 自分はそうした記事は見ていませんので ・・・ ) 今回の記事自体やはり眉唾な内容なのか ?
あるいはこれが もしかしたら サルーン や SUV 生産に絡んでいく話になって行くのか ? ?
中国にはバハー時代に
" Lotus Cars China " が設立され Lotus Cars USA と並んで Group Lotus が現地法人を出している数少ない輸出国になりますが 、 中国国内において 車の
" Lotus " というブランド に対する扱いはちょっと分かりにくく複雑な ? 状況になっているようです 。
ロータス・カーズをそのまま中国語に訳せば 「蓮花汽車」 となるそうですが、中国のヤングマン自動車グループ ( 青年汽車集団 ) がすでに傘下の乗用車ブランドでこの名称を使用していて、一般的には「青年蓮花」と呼ばれ親しまれているとのこと。 その為 2010 年の中国進出時に 「蓮花汽車」 を使うことが出来ず漢字での表記を
" ロータス "を音訳した「路特斯」 にすると発表 しています 。
さらにややこしいのが資本関係等はないものの、青年蓮花が プロトン の開発した
" ペルソナ " " Gen . 2 " を L3 セダンと L3 ハッチバック という名称で自社のバッジ を付け販売していること 、 併せて ロータス社のテクニカル部門 ロータス・エンジニアリングの技術を採用していること等から、公式サイトで 英国 ロータス社との関係を強調 。その為中国人の多くが両社を混同しており 青年蓮花がロータス社の中国子会社だと信じて疑わない人もいるようです 。
近年のLotus Cars の販売実績を見ても中国はベスト 5 以内には入っておらず実際どれくらい売れているのかよく分かりませんが Lotus Cars USA に続いて Lotus Cars China を作り販売に力を入れたのはこんな事情が有りました 。
D ・ バハー氏がCEO になって以来従来モデルからの路線変更ということでパリショー 5 モデル が計画されますが従来モデル の生産についてもエリーゼ より価格高い エヴォーラ が優先される形となり 2010 年の生産実績では エリーゼ 系 よりも エヴォーラ の方が多くなっています 。
当時は就任して間もないバハー氏の強気な販売計画により LCI もそれにつき合う形で ? エヴォーラ を在庫として発注しているのですが ( これがその後長い期間の過剰在庫原因になるわけですけれども ) 一番多く送られたのは北米だったようです 。
これを可能にしたのが Lotus Cars USA が直営拠点で有った為で注文がきていない車を大量に送り 「 在庫に有る車を売れ ! 」 という指示だったようですね 。
しかしこんなことが長く続くわけは無く Lotus Cars USA は過剰在庫に苦しむことになり バハー氏の立場も危くなってしまうのですが 、 これを救ったのが当時の中国市場だったそうで上海モーターショー に出展したところ 期間中に 35 台前後のエヴォーラ 受注が決まり北米の在庫車を送る形でこれに対応し切り抜けたそうです 。
これを機に アジア市場 におけるバハー 氏の注目は 販売台数実績は多くてもエリーゼ ・ 旧エキシージ が中心で エヴォーラ が売れない日本では無く 中国にしかいかなくなり その後の Lotus Cars China 設立 ( この時 ロータスエンジニアリング も併設されています 、どんなことをしているのかよく分かりませんが Group Lotus の拠点はけっこう日本の近くにも有るんですね ) 更に価格の高い エヴォーラ GTE の中国への投入等を計画 、 2011 年の東京モーターショー は展示車両の協力こそ有ったものの費用等 直接の出展は LCI が単独でする形となり Lotus Cars としてはその後開催された 上海モーターショー 等の方により注力した形になっています 。
昨年 4 月には 北京に Group Lotus としては世界的に初めての開設となる 4 S センター という販売 ・ サービス ・ スペアパーツ ・ トレーニングセンター 等を目的とした施設を開いています 。
Lotus Cars China が有ったからかもしれませんが親会社や Lotus Cars の体制も変わったことも有り
こうした 4 S センター のような施設はこれまでも中国より販売実績が多くまだ今後の需要も有りそうな 日本に作るべきではなかったか ・・・
と 個人的には思えるのですが 。
英国外で生産された Lotus 車は 有り ? 無し ? ?
Lotus のバッジ をつけながら英国外で生産された車がこれまでにも若干数有ったと聞きます 。
S1 エリーゼ 末期に一部の車両が部品の形で出荷されマレーシア のプロトン の工場で ノックダウン生産の形で組み立てられたそうです 。
( 最初から純正エアコンが装着されている個体はマレーシア産らしく ・・・ )
これは エリーゼ 系 モデルイヤー 2001 ~ 04 までの形式例ですが
この車台ナンバー内の 11 Assembly Plant が B の場合 シャー ・ アラム ( プロトン の工場所在地 ) となりマレーシア で組み立てられた物となるようですね 。
同 2004 ~ 2010 シリアルナンバー 0359 まで
同 2010 シリアルナンバー 0360 以降
ちょっと驚きですが 2010 年 学研発行の " オートジャンブル ザ ・ ロータスカーズ " P 109 の記述によれば
「 最近まで 工場のラインオフ はシャシーナンバー順になっていなかった 」
と有り ( エリーゼ で言えば 0360 以前のモデル ? ) その為 LCI も 「 シリアルナンバー で○○○○ からが仕様変更されたと 言いにくい 」 形となっています 。
これまで Lotus Cars からリコール等が出た場合 LCI のサイト で番号を確認すると個別に該当車 VIN コード がずらりと記載されていますが こうした為かもしれません 。
又 ロータス車の場合年次モデル 等で仕様変更が有った際 新旧の部品が混じっているように感じられる個体が有りますが これも単にシリアルナンバー がラインオフ 順になっていなかった為からなのかも 。
もし 2 台のエリーゼ が有って 1 台は英国で もう1 台は マレーシア プロトン で組み立てられたものだとした場合どちらを選ぶでしょうか ? ロータス に興味を感じられる場合
「 やはり ロータス 車なら英国で作られていなければ ・・・ 」
と思われる皆さんが多いのではないかと思いますが ( 自分もその一人ですし )
組み立てや仕上げの点で現在の日本人的基準から見ると時に雑で不満に感じる部分が多いかもしれない英国製 よりもマレーシア製の方が作りも丁寧で故障が少ないかも ? しれません 。
以前長野時代にこんな話を聞いたことが有りました 。
現在のフィアット 500 が発売された際長野県下で一番 フィアット ( 及びフェラーリ も ) を売るあるディーラー はあまりの売れ行きの良さに危惧をいだいたそうです 。 以前 フィアット プント が発売された際同様に好調な売れ行きをしたそうですがその後クレーム対応が頻発し商売にならなかったとのこと 。 もし今回も同様になれば以前を上回る大変な状況になるかもしれないといった心配でした 。
しかし500 の納車が進む中でそうした酷いクレーム や トラブルは起こることが無く ・・・
それに対してメカニック内で出た理由が
「 ・・・ イタリア 国内で 作っていない為だ 」
だったそうで ?
( 現行 500 の製造は イタリア では無く 9 割が ポーランド 、残りはメキシコ みたいですね )
仮に エリーゼ ・ エキシージ ・ エヴォーラ が中国で作られたとして英国製と同レベル以上の品質になるとは個人的に考えにくいのですが
例え故障の多さや作り ・ 仕上げの悪さが有っても他国で作られたり 組み立てられた物よりは英国 ヘセル で生産された ロータス車を ファン の皆さん選ばれるでしょうね 。
自分も 勿論その一人ですので 。