ロータスが 北米でセールスを「6倍」も伸ばしているのをご存知ですか?
2016年/2017年の決算報告をレポートします。
となっているのですけれども ・・・
「 2004 年から 2006 年にかけては北米で毎年何台売れていたのか 、 又 2007 年以降一度も 1000 台を超えなくなってしまった理由も ご存知ですか ? 」 と逆に聞きたいところです 。
この Lotus 側による決算報告に関しては 先にMakotoExige さんがブログで紹介されていたので自分も Lotus Cars サイト 掲載のものを拝見し 、 近年 ゲールズ CEO から 「 ようやく黒字化出来る見込みである 」 との言及がこれまでにも何回か されてきており実際どうなったのか興味があって 、 ここ3年ほどは毎年春先になると この件について触れられている関連記事が出てないかと注目していました 。
ただ今回の内容については 自分から見ると 「 Lotus 側がこれまで黒字化すると言ってきたことはこういうことだったのか ? 」 とやや疑念を感じてしまうものにもなっていました 。
「 黒字化 出来た 」 とはなっているが ・・・
今回 Lotus 側が黒字化出来た としている理由としては記事を読むと 2016 年度決算において ( Lotus 側は4月から翌年3月までの 会計年度 で決算だけで無く販売実績等も発表 しています )
EBITDA が £2.0 million(2億8400万円)のプラスとなった
( 前年 の同実績は £16.3m(23億円)のマイナス である為 約 26 億円程の実質プラス になったということか ? )
ことがあげられています 。
しかし Lotus Cars ・ AUTOCAR どちらの記事にも書かれていますが 昨年度全体では 依然として まだ £11.2 million (15億9000万円)のマイナス で 、 こちらも 前年 同実績の £41.2 million(58億5100万円)のマイナス から大きく改善された となってはいるものの
もし仮にプロトン体制下になって初めて ? EBITDA に関してはプラス に出来たとしても全体の決算において 依然 マイナス であればそれは まだ 「 黒字化出来た 」 と言うには早いのではないか ・・・
というのが今回自分が感じたところでした 。
動くゴール ?
現在の J ・ M ・ ゲールズ 氏が2014年 5月に CEO に就任し その後の大量リストラ断行や生産 販売台数が回復して行く中 ゲールズ氏からは早い段階で 「 黒字への転換 」 についての言及があり 、 これまでの AUTOCAR 等のメディア記事や Lotus Cars サイト が伝える Lotus 側の状況によれば 「 黒字化は 昨年春の 2015 年度決算において達成される 」 と解釈出来る印象がありました 。
実際にはこれは達成されなかったので自分の解釈が正しくなかったとも考えられるのですけれども 、 ゲールズ CEO からは昨年夏 " Automotive News Europa " サイトでのインタビュー記事で 「 来年春の決算では黒字化出来る見込みで これは3年計画で行ってきたもの 」 と語られており再度 2016年度の決算報告には注目していました 。
ただ この " 黒字化への3 年計画 " については長年の赤字経営や 特にバハー時代時の負の遺産の大きさからすぐに黒字化するのは当然無理 としても 、 ANE 以外のメディア等では Lotus Cars サイトを含めそれまでに見聞きしたことが無く 黒字化への遅れに対する半ば " 取繕い " のようにも感じられる部分がありました 。
それは 今回の " EBITDA においては黒字化が果たされた " という部分にも同様に感じるところがあります 。
なぜ EBITDA なのか ?
EBITDA を検索してみると ( 経営分析のススメ というサイトの解説を参考 )
EBITDA = 営業利益 + 償却費
となっています 。
EBITDA の意義については 「 減価償却費 は毎年多少のブレがあるが本業の営業利益が順調であっても設備投資額が大きいと将来の利益はもたらせるとしても一時的には利益を圧迫してしまう場合も出てくる 。 償却費と利益を合わせることでそうした影響を排する 」 というものがあるようです 。
しかしこの場合
償却費を利益と合わせることで 「 全体としては依然マイナス ではあるが EBITDA では プラス へ転じることがようやく出来た 」 という演出も可能になる とも解釈出来るのでは ・・・
これが自分の感じた印象でした 。
実際 EBITDA のプラス 約3億円あまりも決算全体のマイナスからみればけして大きい黒字額では無く 、 営業時代に経理担当者から会計に対する研修を受けた際の 「 僅かに利益を出している決算書程疑わしい 」 という言葉が思い出される形でもありました 。
この場合赤字になるのを避ける為にかろうじて赤字にならないレベル に操作された可能性が高いということになるから だそうです 。
Lotus Cars の場合近年続いた 各シリーズでの新規開発モデルや 新しい中国での 工場建設といったところも償却費として計上されているのかもしれませんが 、 もしそうでなければ 償却費がそれほど大きくなるとも思えませんので なぜ EBITDA だったのか については 疑問も残るところでした 。
しかし 期待も持てるところとしては
昨年度下半期に 税引き前利益が£10 million(14億2000万円)も跳ね上がった
とされているので 、 この調子が今期も続いているのであれば期当初から良い数字の期待が出来 来年春の 2017 年度決算においても 決算全体でようやく黒字化が達成されるかもしれない 点で、 これには新たに親会社になった 吉利側の方針や思惑 実行策 等も良し悪しどちらにしても影響してくるでしょうから 悲観はしなくても良いと思いますが今後も Lotus Cars の状況は依然予断を許さないのは変わっていない ・・・
というのが自分の感じるところです 。
ディーラーネットワーク の拡大についてもまだまだ 問題 多し ?
・ ディーラーネットワークを世界で1.5倍以上に拡大
(2014年:138店 → 2017年現在:215店)
・ 北米で売上6倍増
・ 欧州で売上57%増
今回の決算では こう Lotus 側は発表していて これも昨年後半の実績を押し上げた一因になったとは自分も思うのですけれども 、 その中身についてはまだまだ不安要素あり ・・・ と感じます 。
ちょうど以前のブログ ( 2014 年 10 月 ) に掲載したのですが Lotus Cars サイトにあるディーラー一覧の当時と現在のもので比べると ( ただ日本で見るとまだ Lotus 広島 岡山 石川等が残っていたりするのでやや古いものになりそうですが これしかないので利用 ) 1.5 倍にはなっていたとしても依然 1 国に 1 箇所しか無いところが国別では大半で販売量の拡大と安定の為にはまだまだ増やしていかなくてはならない ところでしょう 。
約 60 % 増となっている欧州でも大きく増えているのは
ドイツ 6 → 13
フランス 5 → 15
イタリア 5 → 9
( 本家 イギリスも 14 → 18 へは増えていますが )
くらいで 他の国は概ね 1 箇所のままか増えていても 2 箇所になる程度の場合が多く 、 独 仏 伊 は元々 それなりの販売台数もあったことから これらの新規店が デモカー や在庫車両を 4 ~ 5 台 持つだけで相応に実績数字は増えるところでしょう 。
これは 北米にも言えることで 6 倍にはなっていますけれども ディーラー数が 41 ( 2014 年時は 40 ) 箇所もあるので 、 2013 年以降 V6 Exige を含む Elise 系のスモールプラットフォーム 車が安全基準の為に売れなくなり 2020 年までに米国投入が発表されている 次期 Elise が出るまでは 400 以降の Evora 各モデル を売るしかない米国ディーラーが こちらも最低各 3 ~ 4 台 程度はデモカー や在庫車両を発注すれば まあ 6 倍くらいになってもそれほど驚くことでもないのではないでしょうか 。
( いつの実績に対しての 6 倍 なのか も明確になってはいませんし ・・・ 本職である 自動車メディア には表面上の数字や メーカー発表の受け売りだけでは無く そのあたりの掘り下げやフォロー もお願いしたいところですが )
又 マイナス部分としては タイ はサービスセンターしか無くなり それに伴ってか 以前開催されていた Lotus CUP の開催国一覧からも名称が無くなっていました 。
大きそうな ところでは 8 箇所あった中国が 2 箇所に減っていて バハー時代に設立された Lotus Cars China は組織一覧に名前が無くなりましたので閉鎖等になった可能性が高そうです 。
販売面はまだまだ テコ入れの必要性がありそうですが日本でのディーラーネットワークの変遷 をみても思うのが 新しく作ればそれで良いわけでも無くいかにその後高いレベル を維持 ネットワークを継続していくかが一番重要で かつ 困難でもあることなので一筋縄ではいかないでしょうね 。
最後にこれは Lotus Cars 側の発表には無く AUTOCAR 側からの追加 として書かれているものに
以前ジャン-マルク・ゲールズCEOは今後の計画として
2017年 ( 度 ) の販売目標:2000台
2018年の販売目標:2500台
2020年の販売目標:4000台 (新型エリーゼおよびエキシージ導入予定) と発表
2022年には新型エヴォ―ラをローンチさせる予定である
となっていますが 、 2020 年の 4000 台は生産能力面等からみても 現実的な目標であると感じられるものの 2017 18 年度の目標は 黒字化を全体でも果たす為にはこれでは少な過ぎるといえますし 又 これまで AUTOCAR 自身が掲載してきた 記事等においても 既に 2015 16 年時の実績で 2000 ~ 2500 台というレベル は超えている 旨の内容が書かれている時もありました 。
実際 Lotus 側が こうした目標を 2017 18 年度 分として発表しているのかわかりませんが そうだとすれば 少な過ぎ 、 もし違うとすれば ・・・
ランキング記事の評価同様 メディア としてはより正確な内容の記事をお願いしたいところですね 。
SUV の投入については
さらには利益率を高めるためにSUVモデルを投入するという噂も囁かれている 。
と最後に書かれていて 「 え っ ~ 中国メーカー傘下になって SUV も出すんじゃ ロータスらしくないし 、 品質悪化で お先 マックラ ・・・ 」 なんて声も聞こえてきそうですが
2015 年春に 金星重工との JV契約が発表されて以降 その後具体的な情報を目にする機会はあまり無かったようにも感じられる Lotus ブランド での 中国工場計画ですけれども
NNA ASIA サイト での 2017 年 2 月 の記事によれば 「 中国環境庁が工場建設に対し承認を与えた 」 となっていて 2016 年春からの 約 1 年にわたる プロトン の提携先選定 ( 及び Lotus Cars 株売却先探し ) の裏側でも 依然 計画は進行していた ように感じられるのですが 、 それが 吉利への Lotus 株売却が正式に決まり新たな親会社になることで 影響を受けるのか 受けないのか ・・・
プロトン の提携先と Lotus 株売却先の決定については この組織図の関係がポイント になっていた と自分は思います 。
この件については JV契約の話が出た 1 年半程前から一度書いてみようと思ってきたのですが ・・・ ぐずぐずしている間に事態のほうが進展してしまいました 。
昨年 12 月に Lotus ディーラーキャラバン へ参加した時の プロトン の経営悪化についての質問 に対しては 実は 「 来年春までには Lotus Cars の親会社が プロトン から変わるのはもう不可避 です 、 この点についてなにか取材時に話題になったり 現地で感じるところはありませんでしたか 」 と 聞きたかった のですけれども 、 周りの オーナー さんもいらっしゃるので 抑えた表現にしてみた ところがありました 。
それでも 驚かれたオーナーさんもいらっしゃったようですが ・・・
SUV は金星重工との当初計画通りではなくなるかもしれませんけれども 個人的に 「やはり発売はされるだろう 」 と思えます 。
( 実際Volvo との共同開発なんて話も可能性としては 全くゼロ でもないでしょうね )
次回 「 なぜ 吉利が 今回 の提携先になったのか ! 」
公開日は 未定 ・・・ ?
エリーゼとそれほど違いのないフロントフェイス これが致命傷だったのだ。
いったいどこが異なるのか といぶかしがるカスタマーは £33,000(470万円)も払おうとしなかったのである 。
まず S1 Exige はその当時の Elise と異なり Lotus Sport で作っていたので年間の生産可能台数自体が多くなく これは限定モデルでもある 340 R にもいえることでした 。 ( 年 200 台前後くらいか ) S2 Exige 以降は Cars 部門で作っていますが 。
フロントマスク が Elise と同じなのが致命傷で売れなかったのであれば S2 Exige のほうがもっと売れていなかったでしょう 。
6位 ロータス・ヨーロッパ S LX 含 (2006-2010):458台
唯一 同意出来るのはこれくらいです 。
当初 Lotus 側は 年間 500 台を予定していましたが 販売全数合わせても 1 年分に届いていません 。 更に作っていたのはほぼ最初の 2 年間だけになり後半モデルの LX等は極僅かでしょう 。
ヒットしなかった理由は考えるまでもない
自分は コンセプト の中途半端さだと思いますね 。
5 位 Lotus 2-Eleven (2007-11) 358 台
これも限定モデル なので " 売れなかった " にはあたらないと思いますが 、 台数が少ない点で強いてあげるならば 2 - Eleven の NA モデル のほうでしょうね 。
( ここまでくるとランキング順位も もう こじつけ としか思えません ? )
4 位 Lotus 340R (2000) 340 台
こちらも Lotus Sport で作っていた限定モデル ですが 約 1 年間で 340 台なら生産期間からでみれば少量生産モデル の中では多いほうでしょう 。
3 位 Lotus Esprit Sport 350 (1999-2001) 48 台
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