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オーナー愛が試されるクルマです - AZ-1
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mizuho
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マツダ / AZ-1
標準車(MT_0.66) (1992年) -
- レビュー日:2018年4月5日
- 乗車人数:2人
- 使用目的:レジャー
おすすめ度: 4
- 満足している点
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当時の軽自動車レギュレーションに併せて、どこまでやれるのか挑戦した意欲作。他の何にも似ていない個性のため商業的には失敗しましたが、その毒気にやられてしまった熱心なフォロワーが現在いるのも頷けます。
実際、基本的には「走るため」の基本的な装備しか付いていません。窓はレギュレーターハンドルですし、パワーステアリングもありませんし、シートのリクライニングもありませんし、オーディオは1DINのみ(ただし、エアコンはガラスキャノピーなので必須です)。そんな素性もライトウェイト・スポーツと捉えると正しいのではないかと思います。むしろレーシングスピリットに由来する希少なミッドシップ(MR)レイアウトであることもあり、日本車の中でも個性が際立ちます。内装を剥がしてアクセスハッチを開き、エンジンメンテナンスを行うなんて中々出来ない体験です。
他の何にも似ていないエクステリアはガルウイングが注目されがちですが、適度にファニーなマスクも飽きませんし、ボンネットを変えるだけで顔つきの印象がガラリとかわります。しかし本当の見どころは、サイドからみた時のノーズからグラスにかけたワンモーションフォルム。量産車でここまでウェッジ・シェイプスタイルを貫いている例はなかなかありません。停まっていても「速そう」に見えるのが素晴らしいです。
- 不満な点
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年式相応の経年劣化が起こっているのでお漏らしはしますし、乱暴に扱うとパーツはポロリと取れたりします。それを笑って許せる器量が無いと正直キツいかも知れません。希少車であるからこそ熱いオーナーが多く、ネットにノウハウが蓄積されているので情報は万全です。
また、ハンドリングに全ステータスを振っているので(一定速度以上の)直進安定性は最悪で、舵角修正は常に必要です。特に、バンプした瞬間に隣の車線に飛んで行ってしまう緊張感はヤバいです。エンジンが腰高な位置にあるからか、クイックで楽しいハンドリングも限界を超えた瞬間にグリップが抜け、スピンモードになります。性能の高すぎるタイヤは頑張っちゃうので逆に危険です。
私自身は10年以上相棒として色々な体験をさせて貰いましたが、緊張感を持って運転することに疲れてしまいまして…降りてしまった根性無しです。 - 総評
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自動車に何を求めているかで評価が大きく変わるクルマです。
当時のAZ-1位置づけはコスモ(FR)、セブン(FR)、ロードスター(FR)、プレッソ(FF)、MX-6(FF)とマツダのスポーツカーラインナップのなかでボトムクラスを担うモノでした。そこで駆動方式はMR、価格はアフォータブルという高難易度なコンセプトが選ばれ、「異次元ハンドリング」というキャッチフレーズにキャラクター要素が集約されています。
コンセプトカーだったAZ-550TypeAのリトラクタブルヘッドライトを惜しむ声もありますが、軽さとコスト削減のために廃止は必然でした。つまり「異次元」なソリッド・ハンドリングを重視して、それ以外全てを捨てています。
従って、イメージ通りに走れると脳内麻薬が出るほど楽しい反面、ある意味シビアな操舵はクルマにいつ裏切られるかヒヤヒヤすることになります。走りにドライバーのテンションが極端に表れるので、気持ちにマージンを持ちながらドライブする必要があるのです。しかし、それを乗り越えた先には、唯一無二の存在であるAZ-1を駆り、そして所有する満足感を得ることが出来ます。
実際に乗り続けていると、ガルウイングは見掛け倒しではなく昇降性や剛性など、機能的に必要なものだと分かってきます。決められたレギュレーションのなかで最大限の「なにか」に特化したパッケージングは、大げさな例えかも知れませんがユーノスロードスターやランチア・ストラトスの様な哲学さえ感じます。(※AZ-1の開発主査はユーノスロードスターと同じ平井さんです)
小難しい話は置いといて、カッコいい軽スポーツに乗りたい!でも十分楽しめますが、クルマを心意気で乗りたい方や、じゃじゃ馬を乗りこなしたいという方にはうってつけの存在です。また、経年劣化でそれなりにヤレているので、それが笑って許せれば最高の相棒になるでしょう。二度と世界的にも販売されない迷車(※褒め言葉)なので、運転する機会があれば、そのチャンスを逃さないでください!
- 走行性能
- 無評価
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F6Aエンジンの良好なレスポンスは、特に3000回転からドッカンターボの鬼加速を楽しめます。背中からブローオフ交じりのエグゾーストサウンドはMRであることを実感でき、テンションを上げてくれます。もちろん静寂性なんて気にしてはいけません。
また、厚いサイドシル(フレーム)が有りますようにボディ剛性(感)も高く、それが結果的にシャープなハンドリングに繋がっています。ノンパワステではありますが、車重が軽いので問題ありません。絶滅危惧種になりつつあるマニュアル・トランスミッションも寒い日は渋い事がありますが、ダブルクラッチで丁寧に繋げてあげるとクルマが喜んでくれる気がします。
クイックなハンドリングはAZ-1独自の操舵感。シャープかつダイレクトに動くのは感動すら覚えます。気を付けて頂きたいのは腰高なので、一定の速度領域を超えると振り子のように、リアがあとから付いてきます。特に限界付近ではいきなりグリップを失うので、サーキット以外では安全運転がお勧めです。スペアタイヤを本来あるべき場所に戻すだけで、挙動が安定するのもポイントです。(もちろん自己責任で!)
- 乗り心地
- 無評価
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サイズの割には速いクルマなので、ちょっと乱暴に扱うだけで周囲のドライバーの反感を買いやすいです。つまり走行性能の問題ではなく、街乗ではジェントルでいることをお勧めします。スポーツカーに乗るのですから当然の流儀ですよね。
また、ショートホイールベースなので乱暴に車庫入れなどしようものなら、オーバーハング部分(リップスポイラー)を擦ることになります。それ以外は驚くほど普通に日常で使えるレベルです。車内がエグゾーストサウンドなどで騒々しいのはご褒美なので、気にしてはいけません。
- 積載性
- 無評価
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軽の2シーターであることを踏まえると、想定以上に積載することが出来ます。ふたりで2泊3日のボストンバック+土産位は大丈夫です。座席の後方にはスペアタイヤがありますが、修理キットに置き換えるだけでもスペースを稼げますし、助手席はボルト止めなのでいざという時は直ぐ外すことも可能です。某S660が全然モノを詰めないことを考えると、安全性能のためのレギュレーションって今は本当に厳しくなったのですね…
- 燃費
- 無評価
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キチンと回してあげても16~18Lは行けます。極端に燃費が下がっているときは、不調が起きる前兆なので、原因追及&メンテナンス準備をお勧めします。
- 故障経験
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エンジンブローを起こしたのはスズキスポーツのECUを過信して回しすぎたせいなので、自分のせいです。しかし、持病のエキマニボルト緩みを対策したり、振動でバッテリーターミナルが外れてエンジンストップしたり、Aピラーから雨漏りが起こって溶接個所を補強したりとネタに尽きることはありません。
一番衝撃だったのは、背中が熱くてメンテハッチを開けたら純正エキゾーストマニホールドが割れていて、火を噴くところを見た事です。笑って許せる勇者だけがオーナーとして生き残れます。
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