ZC11S M/T オーバーホール2回目(換装編)
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2速ギア破損のため'08/11月に自宅でM/TをOHしたのですが、12月にミニサーキットを荒く走ったら 再度2速ギアが破損してしまいました orz
後付ターボによる馬力UPが原因と思ってましたが NA車で破損した人もおり、またLSDや乗り方による影響もあると思うので、現在原因究明に向け情報収集中です。
(スイスポM/T等 容量UPも根本的な解決策と思います)
とりあえず今回はシール類やHT51Sの中古M/Tは購入済だったので、それらを流用します。
(ZC11SとHT51SはM/Tケース、ハウジングの部番が同じでした)
ただ元のM/TにLSDが入ってるので、M/Tを開けてLSDを移設する必要があります。
年の瀬でショップや部販は休みですが、年始に車を使いたいので自宅で再OHしました。
ある程度の作業スペース、安全知識、必要な工具、2級整備士程度の経験、無理と思ったら撤退できる決断力があれば自分でOH出来ると思いますが、自己責任でお願いします。
まず車からM/Tを降ろす手順↓
①エンジンルームより
リザーバタンク、バッテリ&BOX、エアクリBOX、レリーズシリンダ、シフトケーブル(ASSY部品なので接続部を壊さないようご注意)を外す。
エンジンとM/Tケース、スタータモーター固定ボルト、ナット(12-17mm)を外す。
②下廻りより
ドラシャフナット外し、ジャッキアップ(MTが抜ける程度)、馬掛け&輪留め(確実に!)、タイヤ、左スプラッシュカバー外し、M/Tオイル抜き(灯油ぶち込み洗浄でOH環境改善します)、タイロッド&ロアアーム接続外し、ドラシャフを抜く。
エンジンとM/Tケース、スターターの固定ボルト、ナット(10-17mm)を外す。
全てのボルトナットが外れた後、エンジン下にジャッキを噛ませ、左側マウントを外す。
M/Tは手で揺すれば左側に抜けます。
何か引っかかるようなら無理に抜かず、隠れボルト等が無いか確認して下さい。
本体は約20-30kg程度なので、車の下に仰向けに潜って胸の位置で支えられる重さです。
M/Tを降ろしてもエンジンを支えるジャッキはそのままにしておいて下さい。
(エンジンをぶら下げると配線配管等に損傷を与える可能性があります。)
2
M/Tを分解したところ、写真2速ギアが坊主になり、他のギアも損傷していました。
破損具合から推測すると、
①メイン側2速ギア崩壊→②カウンタ側2速ギア破損→
→③破片でメイン側3速ギア一部欠損。
というストーリーあたりが思い浮かびます。
3
幸いHT51SスイフトのM/Tが同じ型番だったので、手間を省くためシャフト&ギア一団ごとゴッソリZC11SのM/Tへ換装することにしました。
写真上半分:HT51S中古ミッション
写真下半分:破損したZC11Sのギア&シャフト
ギアの歯数を数えたところ、ギア比も同じでした。
今回はM/TケースはZC11S、ギアはHT51S、デフはZC11S内のカルタス用LSDと、いいとこ取りを使用しました。
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M/T本体の分解に移ります。
シフトコントロール系→左側オイルパン→ギアを2重噛合させ5速ギア&シフトフォーク→M/Tケース、の
順番で外す(工具:10-14mm&ヘキサ,スナップリングプライヤ)。
ヘキサボルトは硬いのでナメないよう注意。
バックスイッチとかシフトボール等も外す。
次にリバースギア、コントロールレバーを外せば1-4速のギア、シャフト、シフトフォークがゴッソリ抜けます。
荒っぽくやるとシンクロスリーブがズレてシンクロキー等がバラバラ脱落することがあるので注意。
デフ交換ならこのまま再使用ですが、さらにギアやベアリングをバラす場合 プーラーや油圧プレスが必要です。
ギア&シンクロリング&ベアリングで大よそ1速あたり部品代が1.5万円位するので、お金が厳しい場合は消耗したギアだけ交換するという方法もありますが、ケチり過ぎて再修理となってもアレなので判断が難しいところです(^^;
ネジロック(緩み止め)塗布指定のボルトは、組付ける時 必ずネジロックを塗って下さい。
ギアやキー等は方向や順番が間違っていても組めてしまう場合があるので、分解をする前に組み方をよく確認しておいた方がいいです(車に載せてから間違いに気づくと悲しいです(笑)
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カウンターシャフト等のベアリング付き部品を移設する際、アウターレースも忘れないで下さい。
ベアリングとレースはセットなので、ごちゃ混ぜにするとクリアランスが狂ってガタガタになったり詰まり過ぎてベアリングが破損したりすることがあります。
細長い物をオイルライン等に差してバランスを取りながら持ち上げれば外れます。
力任せに持ち上げるとM/Tケースが損傷する可能性がありますのでご注意。
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ギア&シャフトを外すとデフも抜けます。
新品デフを導入する場合、リングギアと速度計センサ、ベアリング等の移植も必要ですが、リングギアを固定しているボルトは、インパクトレンチや万力等が無いと外れないと思います。
締付トルクも定められていると思いますのでご注意を。
写真は左がLSD(カルタス?)、右がオープンデフです。
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ZC11SとHT51Sのハウジング、ケース比較です。
クラッチレリーズシャフト&レバー以外は同じようでした。
(ハウジング、ケースは部番が同じこと確認済み)
両方ともクラッチベルハウジングに亀裂のような線がありましたが、製造工程で発生する鋳造巣跡のようですので、特に心配しなくていいようです。
ZC11Sのケースの方がキレイなのは、車から降ろす前に灯油をぶち込んでフラッシングしたからです(^-^)
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シフトフォークのギアセレクト部の作動例です。
ケースを割る前に5速ギアを外す際、ここを操作して2重噛み合い状態にしてカウンターシャフトが回らないようにしてから、5速ギア固定ナットを緩めます。
ギアが組み上がったら、いきなりケースに液体ガスケットを塗って組み付けるのではなく、一旦仮組して作動確認した方がいいと思います。
作動確認の際、インプットシャフトが手でクルクル回せないほど重い場合、シャフトの組み方やクリアランス調整シムの厚さに問題がある可能性がありますので、再度分解して確認調整してください。
この期に及んで再分解は面倒だと思いますが、車載後に不具合が発生するよりマシです。
長々と書いてしまいましたが、結論としてHT51SとZC11SのM/Tはクラッチレリーズ以外は全く同じようです。またカルタスのLSDも両方のM/Tに使用可能なようです。
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