簡単GPSロガーテスト⑤　Gデータ比較

　今週は、銀色NSX選手による、簡易GPSデータロガー　PhotoMate８８７と老舗サーキット用GPSデータロガーDL1の比較テストを特集しておりますが、今回が最終回。

　Gデータの比較です。

　Gデータに関しては、DL1がXY2軸のGセンサを内臓し、１００Hzのサンプリングをロギングしているのに対して、簡易GPSロガーを使ったLAP+では、GPSの位置データを１回微分して速度を、２回微分して加速度＝Gを算出しています。またGPSデータそのものは、５Hzのサンプリング。
　つまりLAP+でのGデータは、とてもゆっくりしたサンプリングでないと、記録できないことになっています。

　ということで、この両者のデータを比較してみると、DL1は応答の良い波形が取れていますが、LAP+と８８７の組み合わせでは、ゆっくりしたG波形になってしまっています。

　ボクがロガーを使う時、ドライビングの大きな傾向を見るのに使うのが、摩擦円です。DL1ではもちろんそれを書かせることが出来ますが、LAP+ではそれができません。
　タイヤの限界をうまく使えたかどうかの検証をするのに、G波形のデータは非常に有用ですが、摩擦円を書かせることができない場合、それが検証できなくなってしまいます。

　他の人のデータと比較する場合、もっとも有効なのは、速度VS位置グラフです。これはDL1もLAP+も遜色ない性能があり、まったく問題ありません、
　しかし、自分のロガーデータしか存在しない場合、どれだけ詰めれるかどうかの検証に、もっとも役立つと（思っている）のはGデータなんです。つまりボクが使った場合、単独のデータから次回にどう走り方を組み立てなおすのか、Gデータが正確でない場合は、考えることができなくなってしまいます・・・

　とは言え、価格的なことを考えると、この簡易GPSロガーとLAP+の組み合わせは、驚異的なものといえます。
老舗ロガーのDL1も、細かな摩擦円の解析や、ロガーとして８CHもの入力を持つものとして、機能的にはやはり上。ということで、お互い棲み分けができそうですよね。

　ボク的にLAP＋に一番望むものは、CSVで出力させる機能です。また簡易GPSロガーによっては、Gセンサを持つものもあるので、その機能を行かせるものになれば、更に素晴らしいものになりそうですね。
　
　ということで、３７３さん、更なる改良に向け、頑張ってくださいね！

簡単GPSロガーのテスト①
簡単GPSロガーのテスト②　タイム比較
簡単GPSロガーのテスト③　位置データの比較
簡単GPSロガーのテスト④　速度データ比較
簡単GPSロガーテスト⑤　Gデータ比較