歴史ある伝統のモナコGP。ここのコースは他のF1コースとあまりに特性が違うので、ハンドルの切れ角を大幅にアップした、ハイダウンフォースの特別仕様が投入されます。
去年はマクラーレンの速さが際立ったレースでしたが、今年のフェラーリの逆襲はあるか?
またBMW等の第3勢力はどこまで行けるのか注目です。
○予選まで
フリー走行までは、やはりマクラーレンが速く、フェラーリはいま一歩。またウィリアムズのニコ・ロズベルグの好調が光りました。
Q1では一喜選手がどうにかQ2進出を果たします。
最も軽い条件のQ2では、いきなりフェラーリが速さを見せ、マッサが1位。続くはなんと二コロズベルグ!!しかし彼は好調なハードタイヤをここで使い果たしてしまいQ3では使えなくなってしまいます。続くはハミルトン。 一喜君はニコロズに1.2秒の大差を付けられ、Q2で敗退。
Q3ではおおかたの予想に反してマッサがPP。続くはライコネンと、フェラーリが久しぶりにフロントローを独占します。続くはルイス、コバライネンのマクラーレン勢。燃料は決勝の雨を読んで、多目と予測されていました。それに続くはクビサ。同じチームのハイドフェルドは13番手に埋もれてしまい、一喜クンの例といい、このコースはドライバーを選ぶんですよね。
それに続くのが二コロズの6位。タイヤさえハードを使えれば、ペースは相当速いものと予想されていました。
○レース
やはり雨の中殆どのチームが浅溝を選択。コバライネンはフォーメーションラップに出れずピットスタートとなります。
スタートではマッサは1位をキープ。ハミルトンはイン側の木陰で、雨が少ない場所を選んで加速させ、ライコネンを交わし2位。アロンソも5位まで上がります。しかしその後ニコロズがアロンソに追突、ノーズを交換し期待されていたレースを棒に振ります。
6週目には2位のハミルトンがガードレールに右リアをヒット勝負権を失った感がありました。しかし4位でレースに復帰します。
またアロンソも右リアをヒットして緊急ピットイン。更にはクルサード、ボーデがクラッシュし、セーフティーカーが入ります。
再スタート後暫くすると。ライコネンにフォーメーションラップ3分前にタイヤを装着していなかったことで、ドライブスルーペナルティが課せられますが、ライコネンは4番手で復帰。
深溝で果敢にプッシュしていたアロンソが、ハイドフェルドにローズヘアピンで接触。渋滞を引き起こしますが、この混乱に乗じてフォースインディアのスーティルが上位へ進出します。
16週目にはトップのマッサが1コーナーでオーバーラン。その間にクビサがトップに躍り出ます。
これから暫くはクビサとマッサのファステスト応酬合戦が見られますが、10週程してクビサがピットイン。その間にマッサがトップに立ち、2位はハミルトン。3位にライコネンとなりますが、ライコネンは1コーナーでオーバーランしてフロントウィングを破損・・・緊急ピットインとなります。
その間にクビサが3位を取り戻し、4位ウェバー 5位スーティル!! 6位ライコネンと、フォースインディアがフェラーリの前を走る快挙!!
その後のピットでは各車ドライタイヤに交換するなどで、60週目頃にはトップは、ハミルトン。2位クビサ、3位マッサ 4位スーティル5位ライコネンとなりますが、二コロズがクラッシュして、ペースカーが導入されます。
68週目の再スタートで、ライコネンはスーティルを抜こうとトンネル直後のブレーキングを遅らせます。が、コントロールを失いスーティルに追突・・・このクラッシュでスーティルはリタイヤに追い込まれ、ライコネンも後方に埋もれます。
この混乱の中で一喜クンは7位にアップ!
コバライネンが8位となり、そのままチェッカーを受けました。
○Result
1 Lewis Hamilton McLaren-Mercedes 2:00:42.742
2 Robert Kubica BMW Sauber +3.0 secs
3 Felipe Massa Ferrari +4.8 secs
4 Mark Webber Red Bull-Renault +19.2 secs
5 Sebastian Vettel STR-Ferrari +24.6 secs
6 Rubens Barrichello Honda +28.4 secs
7 Kazuki Nakajima Williams-Toyota +30.1 secs
8 Heikki Kovalainen McLaren-Mercedes +33.1 secs
やはりというか、マクラーレンとハミルトンは強かった。序盤のクラッシュを見事に挽回しての勝利です。特に低速コーナーで速いですね。マクラーレンはまたペースを戻してきたようです。表彰台でのハシャギっぷりが印象的でした。
クビサがマッサのミスに乗じて2位をGET!よく頑張りました。
ウェーバーは混乱に巻き込まれずに4位。ここのところ、レッドブルの優勢が光ります。
ビッテルが得意の雨で5位。バリチェロは今期初ポイントですよね。
一喜クン、父上並みの真性納豆走法で、よく走りきりました。
初モナコで、一瞬ファステストも記録しながらなんとか走りきり、久々のポイントGETです。
しかし、今回のレースの主役はなんと言ってもエイドリアン・スーティルです。
元ピアニストの経歴を持つ彼は、F3時代は日本で走ってたので、日本のファンも多いはず!初めて見たのは、06年の鈴鹿F1のプラクティスでしたが、やはり雨の中、素晴らしいコントロールでスパイカーを走らせていました。
今回も雨でその能力を十分に発揮したんですが、リタイヤ後はちょっと動けないようでしたね。とても可哀想。
ライコネンは、酷いことをしたと、スーティルに謝ってたとか・・・
○Driver's Points
今回はコンディションが酷かったので、ファステストはおいておいて、各ドライバーのポイントです。
1 Lewis Hamilton British McLaren-Mercedes 38
2 Kimi Raikkonen Finnish Ferrari 35
3 Felipe Massa Brazilian Ferrari 34
4 Robert Kubica Polish BMW Sauber 32
5 Nick Heidfeld German BMW Sauber 20
6 Heikki Kovalainen Finnish McLaren-Mercedes 15
7 Mark Webber Australian Red Bull-Renault 15
8 Fernando Alonso Spanish Renault 9
9 Jarno Trulli Italian Toyota 9
10 Nico Rosberg German Williams-Toyota 8
11 Kazuki Nakajima Japanese Williams-Toyota 7
12 Sebastian Vettel German STR-Ferrari 4
ついにハミルトンがトップに躍り出ました。
ライコネンは無理せず5位でも良かったと思いますが・・・これでポイントリーダーから脱落です。
4位のクビサもよくポイントを稼いでいて、ハミルトンとの差は6ポイントしかありません!
今年は面白くなりそうです!!
一喜クン、速さでは二コロズと大きな差を付けられているように見えますが、ポイントは1ポイント差と、確実に順位をものにする勝負強さというか、納豆走法は見事です!
ということで、今回はクラッシュ・スピンが多い、出入りが激しい面白いレースが見れました。
次戦は6月8日、モントリールのカナダGPです。