ベイルート爆発で穀物用サイロ崩壊 パン不足の懸念
AFPBB News 2020/08/07 19:10
レバノンの首都ベイルートで、大爆発により破壊された穀物用サイロ(2020年8月5日撮影)。© STR / AFP レバノンの首都ベイルートで、大爆発により破壊された穀物用サイロ(2020年8月5日撮影)。
【AFP=時事】レバノンの首都ベイルートで4日に起きた大爆発は、穀物用のサイロを吹き飛ばし、貴重な小麦はすすやがれき、セメント混じりになった。
国内最大のサイロを失い、市民はパン不足を恐れパニックになっている。
大爆発で港も破壊されており、レバノンは食料の85%を輸入に頼っていることから、食料不足はさらに悪化するとの懸念も広がっている。
レバノンの首都ベイルートで、大爆発で割れた店舗のガラスを片付ける人々(2020年8月6日撮影)。
小麦を原料とする主食の薄いパンは現在政府の補助があり、900グラムあたり2000レバノン・ポンド(約140円)で販売されている。
小麦、トウモロコシ、大麦が約1万5000トン貯蔵されていたサイロの他に、近くの製粉所も破壊された。
また、爆発時に少なくとも1隻の船から小麦の積み下ろしが行われていたが、この小麦も使い物にならなくなってしまった。
国内のパン製造業者と消費者は、貯蔵量12万トンのサイロがなくなったため、小麦不足が何か月も続き、パンを作るのが難しくなり、最終的にはパンが値上がりすると懸念している。
レバノンは爆発前から深刻な経済危機に陥っており、市民の購買力は既に落ち込んでいる。
大爆発の翌日、ベイルートのハムラ(Hamra)商業地区にあるパン屋には、大勢の客が押し寄せた。
店の従業員はAFPに対し「貧しい人が腹を満たすにはパンしかない。座ってナイフとフォークでステーキを食べているわけじゃないんだ」と述べた。
レバノンの首都ベイルートで、大爆発により破損した店舗の前に座る女性(2020年8月5日撮影)。
当局は懸念を払しょくするため、国内には1か月分の小麦の貯蓄があり、今週中に北部トリポリ(Tripoli)と南部サイダサイダ(シドン、Sidon)の港に、新たな小麦が到着する予定だと説明した。
だが、2014年から17年にかけてベイルートで穀物貯蔵施設を経営していた農業起業家の男性は、これらの港には貯蔵施設が足りないと指摘する。
製粉所の経営者らは、小麦をトリポリから80キロ離れたベイルートまで移送するには、1トン当たり6ドル(約630円)余分なコストが発生すると計算している。
レバニーズ・フードバンク(LFB)といった団体はここ数か月、困窮した家庭に食料を届ける活動を行ってきた。
大爆発で現在大打撃を受けている製粉所やパン屋も、LFBに寄付をしていた。
あるパン屋は大爆発の前には1日500袋のパンを寄付していたが、小麦不足から寄付をこれ以上増やすことはできないとLFB伝えてきたという。
あのよく見る映像は、ビルじゃなくてサイロだったのね。
やっぱり、食料自給率は高いほうがいいね。
Posted at 2020/08/07 21:57:19 | |
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