
夏休みの期間はアクアラインは極力避けていたのですが,今日は関東は全般的な曇天.
海へ向かう方も少ないと目論んで,千葉を目指しました.
目的地は,旧上総国の一ノ宮,玉前神社です.
玉前神社には5年前にもお参りしたのですが,当時は本殿改修工事の真っ最中で,あいにく本殿を拝むことができませんでした.
その工事が完了したと聞いたので,再挑戦です.
先月末の夏越大祓の際には結構な賑わいだったのでしょうが,それも終わって境内は比較的ひっそりとしていました.
駐車場からは,境内の側面へショートカットする参道にもアクセスできるのですが,やはりここは,表参道からお参りするのが基本でしょう.
ただ,表参道からお参りしようとすると,面白い経路を辿ることになります.
一の鳥居をくぐると,微妙な右コーナー(?)
さらにその先で直角に右折して,
拝殿にたどり着きます.
一説ではこのような参道の構造は,本殿に祀られている神様が一直線に外に出られないようにするための,一種の結界だとか.
そこまでして結界の中に留まってほしい神様って,どういう性格の神様なのでしょうか.
玉前神社の主祭神はタマヨリヒメとされていますが,彼女(?)は結構複雑な親族関係を持っています.
天津国から地上に降臨したニニギ(アマテラスの孫)は,国津神の娘であるコノハナサクヤヒメを娶りますが,生まれた息子の出生をニニギに疑われたために,コノハナサクヤヒメは富士山にこもってしまいます(浅間神社).
この出生を疑われた息子(一般には,ヤマサチヒコとして知られています.)の妻となったのが,タマヨリヒメの姉神である,トヨタマヒメです.
このトヨタマヒメタもヤマサチヒコとの間に息子をもうけるのですが,出産の現場を夫に見られたために,彼女も育児を放棄してしまいます.
このため,妹神であるタマヨリヒメが甥の育児係となるのですが,後にはその妻となり,さらに,後の神武天皇となる息子を生むことになります.
まるで昼ドラのようなドロドロした世界ですが,古事記や日本書紀には,この手の話が満載.
どうです,興味湧いたでしょ?(無理?
お参りの際には,このような神様の事情を考えることも重要だと思います.
ちなみにこの玉前神社のはるか真西には,出雲大社でオオクニヌシが祀られています.
オオクニヌシはニニギに話し合いで国を譲ったとされていますが,実際は国土を略奪されて大怨霊になったとも考えられています.
とすると,ここ玉前神社に祀られている神様は... ?
妄想はその程度にしておいて,お参りです.
改修直後なだけに,美しさもひときわです.
黒塗りの権現造という珍しい構造ですが,艶のある漆黒の社殿って香取神宮と同じく,見れば見るほど味わいがあります.
前回の訪問時は運が悪かったと嘆いたものですが,こうして修復したての美しい建物を見てみると,いい時に生まれたものだ,なんて思ってしまいます(笑
5年来の願望が,ようやく成就しました.
千葉にはまだまだ面白そうな神社がいっぱい,これからも楽しませていただきます!

Posted at 2017/07/23 20:28:49 | |
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