
K-1なんて言うと,多くの方は格闘技を想像されるかもしれませんが,私にとってクルマより趣味歴が長い,カメラの話です.
クルマの話題でなく,申し訳ない!
先月,私の許にやって来たカメラ,PENTAX K-1ですが,ようやく本格的に使い始めました.
PENTAXの良心
沼の住人になりかかっている今でこそ複数メーカのカメラボディを保有していますが,どのカメラが好きかと問われれば,間違いなくPENTAXを挙げます.
半世紀近く昔に写真を始めた際に,初めて手にしたカメラがPENTAXなのですが,単にそれだけの理由ではありません.
カメラには長い歴史がありますが,その中でもオートフォーカス(AF)化やデジタル化など,大きな変革がありました.
その際,ほとんどのメーカは,過去の資産を整理(早い話が,過去レンズの切り捨て)していますが,そんな中で,PENTAXほど過去のユーザを大切にしているメーカは無いと思っています.
半世紀前のレンズが,最新式カメラでも昔と同様に,いやそれ以上に使える(手ブレ補正や,AF補助など)なんて,信じられません.
利潤の追求という観点では,過去の資産など切り捨てて最新技術に特化した方が良いに決まってますが,それを安易に採用しないところに,PENTAXの良心を感じます.
逆に,そんな不器用さゆえ,業績が伸び悩んでいるのかもしれません.
フルサイズ
なんて,PENTAX愛を語ってしまいましたが,私が今まで使っていたPENTAXのデジタルカメラは,K-7です.
一応説明すると,K-7が発売されたのは今から7年前,すでに2世代以上昔のカメラになります.
ファンならば新しいものに手を出しても良さそうなものですが,全くそんな気は起こりませんでした.
お財布の事情があるのはもちろんですが,K-7ですら使いこなせていないのに,それ以上のカメラを持つ意味が感じられなかったのです.
実際7年間使ってきて,使ったことの無い機能どころか,触れたことの無いボタンすらあります.
(動画は全く撮影していません.)
逆に言うと,K-7こそが,私の身の丈に合った(それ以上の)カメラだったのでしょう.
そんな私が,なぜK-1?
K-1の,従来のカメラとの最大の違いは,撮影センサーサイズです.
今まではいわゆるAPS-Cサイズだったものが,K-1では従来のフィルム画像と同じフルサイズ化されました.
フルサイズ化による画質の変化など,私には区別できませんが,それ以上に大きな違いは...
過去のレンズが,当時の画角で使える!
これに尽きます.
ご存知の方も多いでしょうが,昔のレンズをAPSサイズのデジタルカメラで使うと,見かけ上,画角が望遠側にシフトされます.
本来,広角レンズだったものが標準レンズに,標準レンズだったものが,望遠レンズに,って感じです.
望遠撮影が得意な方には,これは大きなメリットになりますが,フィルム時代のレンズの画角が身に付いていると,デジカメでの撮影時に違和感が拭えません.
なんとしても,レンズ本来の画角で使いたい!
PENTAXのそんなレンズが,手許に3本あります.
・FA31mm f1.8 AL Limited
・FA43mm f1.9 Limited
・FA77mm f1.8 Limited
キヤノン,ニコンでは決して手を出さないであろう,いかにもPENTAXらしい隙間を狙ったレンズ群ですが,眺めているだけでご飯3杯は軽いレンズです.
実際,フィルム時代の銘機,PENTAX LXにFA77mmを装着してファインダを覗いていると,時の経つのを忘れます.
フォーカスリングを回すにつれて,ボケていた画像がスクリーン上に結像してゆく... 至福の時ですね.(いや,写真撮れよ
閑話休題
この3本のレンズを使いたいがゆえに,K-1の導入を決心したのでした.
え,それだけの理由?... 不可能が可能になっただけで十分
ボディだけで1kg超... 鍛えれば済む話
動体AFや連写速度は,ニコン,キヤノンに遥か及ばない... 動体は撮らん!
レンズのラインナップは,ニコン,キヤ(ry ... だから,3本あればご飯3杯は...
最近クルマの修理が続いて,財布は大丈夫?... あぅぅ,それは言わんでくれ
ちょっと理性を失いつつありますが,使用感などを少々...
スマートファンクション
シャッター,絞りに加え,第三のダイヤルのおかげで,ISO値が右手だけで変更できるなんて,素敵過ぎます.
撮影中にメニュー画面を操作したり(撮影リズムが崩れる),ボタンを押しながらダイヤルを回す(指が攣りそう)なんて,この老体には無理です.
ペンタックスユーザの間では有名な,でも一般的にはほとんど知られていない機能の一つに「ハイパープログラム」と呼ばれるものがあります.
いわゆるプログラムモードと,絞り優先モード,シャッター速度優先モード間を,モードを切り替えることなく遷移できる機能なのですが,従来の2ダイヤルボディでは,ハイパープログラム時の露出補正が困難でした.
これがスマートファンクションダイヤルによって右手だけで操作できるようになったのは,画期的だと思います.
ファインダー
普通,ファインダーの画像を明るくすると,ピントの合っているところとボケているところの差が分かり辛くなるのですが,このファインダーは,良いバランスを保っていると思います.
ピントの山も分かり易く,ボケの再現性も素晴らしい,
積極的にマニュアルフォーカス(MF)を使いたくなります.
やはり,このファインダーでご飯3杯は...
オートフォーカス,手ブレ補正
暗くてMFは諦めざるを得ない条件でも,AFではしっかり焦点を合わせてくれます.
しかし,せっかくカメラが焦点を合わせてくれても撮影者がブレていたのでは意味がありません.
そんな撮影者を助けてくれるのが,5軸手ブレ補正.
カタログにある,5段分の効果は,あながち誇張とも言えなさそうです.
ボディの重量も,手ブレを抑える効果がありのかもしれません.
シャッターフィール
シャッターを切った時の感触など,写真の出来には無関係なはずですが,実際はこれの良否が撮影時の気分を左右し,結果として写真の出来に影響を及ぼします.
K-1のシャッターフィールは,ボタンの押し具合,音,ショックなど,どれを取っても文句無しです.
これを感じたいがために,無駄にシャッターボタンを押しそうです.
(これができるのは,デジタル化の恩恵です.)
以上,かなりバイアスがかかった状態での感想なので,その点は差し引いて判断いただきたいのですが,今のところ,大変満足していることに間違いはありません.
ずば抜けた機能,性能は無いかもしれませんが,高次元でバランスの取れたカメラであることは,断言できます.
え,肝心の画質?
そんなの,私にゃ分かりません(爆
このカメラが万人にお勧めできるかというと,ちょっと微妙ではあります.
しかし,このカメラに関心を持った時点で,あなたも立派な変t... ひょっとして,クルマと嗜好性は同じ?
【撮影場所】
今回の写真は,すべて山梨市の大嶽山那賀都神社です.
主祭神は,大山祇神,大雷神,高龗神の三柱.
神社から北西にある国師岳にあるヤマトタケルの佩剣を祀る,と由緒にありますが,拝殿はその方向を向いていないという,神社心をくすぐるお社です.
拝殿は北向き,ということは,神様は南面...
その向きには,富士山(木花咲耶姫)が!