先のブログで紹介した,マツダが提唱する「人馬一体」という概念.
この言葉の由来となった日本古来の流鏑馬では,騎手と馬の動きがバラバラでは正確な弓射ができません.
まさに騎手と馬が一体になる必要があるわけです.
【人馬一体】
308でも人馬一体感は十分に味わえるのですが,今までこの感覚を思うように表現できませんでした.
ドライバの意のままにクルマが反応してくれる
と言ってしまうとその通りなんですが,これじゃ他のクルマと変わらない面白みの無い表現になってしまうなあ,と歯がゆく思っていました.
そんな時,308SWのオーナーでいらっしゃる
まこまちさんから絶妙な表現をいただきました.
「タイヤを曲げているというよりは、体重移動でクルマを曲げているような気分になる」
これこれ!
まるで二輪車を操るような感覚,
体重移動というとスキーのターンにも似ているでしょうか.
二輪車の場合,ライダーの体重移動で車体が傾くことでハンドルが曲がり,車体が曲がって行く.
【勝手に我が師,平忠彦】
スキーの場合も,板に荷重をかけることで板がたわみ,そのたわんだエッジに沿ってターンする.
【勝手に我が師,I.ステンマルク】
つまり,双方とも人が荷重移動できっかけを作ってやれば,あとは道具の方で勝手に曲がってくれるのです.
308でも,ステアリングをほんの少し切ってターンのきっかけを作ってやれば,あとはクルマが勝手に曲がっていってくれる....
さすがにそんなことはありませんが(笑),似たような感覚です.
ドライバが一方的にクルマを曲げているのではなく,最初にきっかけを与えられたクルマに促されるかのように,ドライバがさらに反応する,
ドライバと,まるで意思を持ったかのようなクルマの一体感がここにあります.
で,この一体感を味わうのに,小径ステアリングが大いに役立っているようです.
メータ類をキチンと上から読み取れるようにステアリングの上下位置を決定すると,肩の力が抜けたリラックスした状態でステアリングを握ることができます.
これ,想像以上にステアリングを下げる必要があるのですが,小径ステアリングのおかげで,ひざ元にも余裕たっぷり.
その状態で,腕を回すのではなく,あたかもステアリングに荷重をかける感覚でクイっと手首をひねりこむと,クルマの方からさらなる操作を促される,
その呼びかけに応えるように,さらにステアリングを切り込んでゆく,
うーん,気持ちイイ!
最近のプジョー評論では必ず取り上げられるi-Cockpitですが,
小径ステアリングとその上からのぞき込む計器類のレイアウトの特異性のみがクローズアップされ,たいていの場合,「これに慣れれば問題とはならない」,としか結論づけられていない気がします.
単なるデザインの話じゃなく,i-Cockpitならではの運転の楽しさを積極的に押し出した評論が見当たらないのは残念ですね.
メーカーのアピールが足りないのかな?
実はこの恩恵をもっとも味わっているのは,助手席のかみさんかも.
伊豆の山道,県道11号線(旧道)や県道59号線で熟睡できるとは....
Posted at 2020/09/04 21:41:36 | |
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