
安価な人件費を背景とした価格優位という強みを急速に失いつつある中国では、政府が製造業の高度化に向けた取り組みを推進している。この取り組みは果たしてうまくいくのだろうか。
中国メディアの今日頭条はこのほど、現代では日本製品の品質は世界的に高い評価を得ているとしながらも、その日本製品はかつて現代の中国製品と同様に低品質だった時代があると指摘、「中国が目指す高度化を、日本の製造業は実現に移すことができた理由」を論じる記事を掲載した。
記事はまず、日本が世界有数の経済大国にまで成長したことと日本製品の品質の高さは「密接な関係がある」と主張。日本経済は日本製品の品質向上とともに成長を続けてきたと伝え、日本の品質管理はまさに世界の模範だったと論じた。
だが、かつての日本製品の品質は非常に低かったとし、「日本が輸出した製品はすぐに壊れ、寿命の短さも消費者から敬遠されていた」とし、こうした問題を認識した日本の企業は改革を進め、製品の品質を年々向上させてきたと論じた。さらに、日本は統計を活用した品質マネジメントなどの手法を導入することで、高い品質管理能力を手にしたとしたほか、労働者の質を高め、生産効率を高めると同時に生産コストの低減のための努力を行ったことを紹介した。
続けて記事は、日本製品は1970年代には西洋諸国の製品と匹敵するほどまで品質が向上したとし、日本企業が起こした奇跡は世界を驚かせたと指摘。さらに日本製品が品質を急激に高められた背景には「日本がこれほどまで安々と製造業の革新を成し遂げられた背景には、日本はほぼ単一民族で、国民のすべてが同じ言葉と文化を共有していること、義務教育によって比較的高い教育水準を保っていること、さらに終身雇用制によって社員の転職が少なかったこと」の3点があったと分析した。
仮に、日本が製品の品質を急激に高めることができた3点の理由が正しかった場合、中国にはいずれの理由も当てはまらないことになる。中国の工場労働者は地方からの出稼ぎ労働者が多く、満足な教育を受けていない人も少なくない。また、中国では漢民族が人口の大半を占めるものの、それでも56の民族が共存している。さらに中国には終身雇用制度はないうえ、労働市場の流動性は非常に高く、転職を繰り返す労働者は特に珍しいものではない。中国製品はかつての日本製品のように品質を高め、世界を驚かすことができるのか、注目が集まっている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
:サーチナ 2016-01-05 20:16
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2016/12/01 09:02:35