経済の発展に伴い、中国製造業の技術も徐々に向上してきている。これまでは輸入に頼っていたものも、中国国内で製造できるようになっているが、まだ中国企業に製造できない製品も少なからず存在する。
中国企業が他の企業に比べて競争力のある製品を作れない分野の1つに自動車産業が挙げられるが、中国メディアの今日頭条は2日、「なぜ中国企業はオートマチックトランスミッション(AT)を製造することができないのか」と疑問を投げかける記事を掲載し、その理由について考察している。
自動車にとってエンジンとトランスミッションはまさに心臓部と言える部品だが、中国の自動車メーカーは日本やドイツのメーカーから心臓部の部品を調達しているのが現状だ。心臓部だけあって製造には高い技術力と研究開発費が必要となるが、中国企業がエンジンやトランスミッションを自前で製造できないのはなぜなのだろうか。
まず記事は、「構造の複雑さと、技術の不足」を指摘した。以前、中国の技術者が4速のトランスミッションを分解したが、構造が予想以上に複雑で、技術者ですら手に負えなかったとし、8速のトランスミッションや連続可変トランスミッションが登場している今は、構造がさらに複雑になっていると指摘し、技術的に追いつけていないのが現状だと指摘した。
次に「中国が生産する原材料は質が一定でない」ことを挙げた。トランスミッションの構造は複雑なので、材料の質も高いものが求められる。中国は鉄の生産大国だが、製鉄の質が悪いために重要な部品については輸入に頼っていることを紹介し、中国はトランスミッションを製造するうえで求められる高い質の原材料の生産にも難航しているのが現状だと論じた。
ほかにも記事は、「精密加工の技術力が欠けていること」を指摘。他の工業製品についても同じことが言えるが、同じ商品でも中国産のものは耐久性が劣るとし、その原因は、設計以外に加工技術の不足があると主張した。
中国人の傾向として、地道に研究を重ねるより目先の利益に気が奪われてしまうようだが、原発や航空機、高速鉄道など一部の分野で技術力を高めているのも事実だ。だが、自動車産業においては日本やドイツのメーカーから調達したほうが手っ取り早く、研究開発費もかからないという理由があり、こうした要因が技術力の向上を阻害しているのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF) サーチナ 2017-09-11 07:12
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2017/09/12 11:53:40