
中国版ツイッター・微博(ウェイボー)では、ここのところ、日本のカメラマンが1980年代に撮影したという、中国の写真が出回っている。これらの写真に多くのユーザーが、ノスタルジーを感じているようだが、このほど紹介された写真を見たユーザーは、いささか複雑な心境になったようだ。
微博で52万人以上のフォロワーを持つユーザーが13日、日本人が撮影したという1980年代の、内モンゴル自治区・包頭の写真を1枚掲載した。この写真についてツイートは「遠くに製鉄工場があり、6万人が朝7時に自転車で通勤している。このころは、自動車が小道を走り、自転車が大通りを走っていた」と説明している。
写真の手前には、道路一面に埋め尽くされた人の群れが、奥のほうには濛々と立ち込める煙突の煙を見ることができる。
このツイートを見た微博ユーザーからは、「歴史だ」、「記憶に新しい」、「このころの国有企業は国の発展のため、人民のためと目標が明確だった。今みたいにただ利潤を追求するだけじゃなくて」などといった声が寄せられた。
一方で、もっとも多く見られた感想は、大気汚染に関するものだった。あるユーザーが「この空気はひどいな」とこぼすと、あるユーザーは「当時すでにPM2.5が、高かったんだろうな」とつぶやいた。このほか「汚染はこの時から始まった」、「因果だ」、「1日の寒さで厚い氷ができないように、スモッグも1~2年で形成されたものではない」いう感想が寄せられた。
当時の環境への指摘に対して、「当時はそもそも環境汚染の概念はなかったでしょう」、「煙突の煙はひどい汚染だけど、あのころは大きな希望だった」とフォローするユーザーも。なかには「たった1枚の写真で何が説明できるというのか」と反発する声も出た。
大気汚染をはじめとする環境汚染はここ数年で始まったものではない。一方で、急速に経済が成長するなかで、汚染のレベルや範囲が拡大していったことも間違いない。「かつては希望だった」という感想は印象的。昨今の汚染ぶりはもはや希望などといった、悠長なレベルを遥かに超越した、「暴走状態」と言えそうだ。
この、「暴走状態」を食い止めるには、物理的な汚染排出量を減らすことが重要だが、そのためには経済の構造を転換する必要がある。まさに中国政府はその、モデルチェンジを推進している最中だ。今から30年後、今のスモッグや水質汚染の写真を見たわれわれは、いったいどんな感想を持つことになるだろうか。(編集担当:近間由保)(写真は微博(ウェイボー)に13日付で写真とともに掲載された画面のキャプチャ) サーチナ 2015-03-16 10:59
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2018/07/31 12:42:02