
日本には、日中友好議員連盟・日中経済協会・日中友好協会・日中協会・日本国際貿易促進協会・日本中国文化交流協会・日中友好会館という「日中友好7団体」が存在する。そのうち、日本中国文化交流協会が今年創立60周年を迎えた。政治的な関係はギクシャクしがちだが、日中間の文化交流は、双方の関係者の情熱と努力により絶えることなく続いている。
中国メディア・今日頭条は7月31日、「中国で失われた文化を、日本人が伝承していた」とする記事を掲載した。古代の中国から日本に伝わった文化が、本場では廃れてしまったものの日本国内では現代に至るまで代々受け継がれている事例を多数紹介したものだ。
記事が紹介したのは「日本刀は唐刀が起源である」、「日本の和服は『呉服』とも言い、漢服を改良したものである」、「日本の剣道は春秋戦国時代の中国から来たもの。剣道着は唐代のスタイル」、「日本の明治維新の基礎となったのは、明の遺臣・朱舜水である」、「服部半蔵は中国の秦人の末裔である」、「日本の古典建築は、唐代の建築様式である」、「天皇の即位儀礼は唐代の儀礼を参考にしたもの」、「明治の元号は『易経』の一節から取ったもの」、「武田信玄の『風林火山』は、孫子の兵法から取ったもの」、「『臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前』の九字護身法は中国の『左伝』によるもの」、「原田・高橋・大蔵といった姓は、漢の献帝の子孫・阿智王を起源とする」といったものだ。
古代から中世に至るまで、日本は中国の文化を積極的に吸収する姿勢を持ち、それらを取捨選択したうえで自国の文化として受容し、変容させてきた。「中国を起源とした日本文化」の多くは、日本で生まれた独自の文化とともに現代までその姿を残し、伝えられているのである。記事が示したものの中には、信ぴょう性に欠けるもの、諸説あるものが少なからず存在する。ただ、「古代中国の文化がこれほど日本に影響を与えた」という事を示すには十分なのかもしれない。
われわれ日本人は、多くの文化が古代中国から伝わってきたものであることをある程度理解しながら生きている。一方で、中国のネット上では一部で、それをさも誇らしげに紹介して「歴史と文化の国」たる自尊心を慰める風潮がある。そんな言論を見るたびに「そんなにアピールしなくても分かっているのに」という気持ちになってしまうのだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF) :サーチナ
Posted at 2016/08/02 12:49:34 | |
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