
「この数年間で、中国に接近して、急激に依存関係を強めていた国をランキングで教えてください。」とのご質問にお答えします。
■特に依存度が高いとみられる国
1位 オーストラリア 29.5%
2位 台湾 26.8%
3位 韓国 26.1%
世界各国の貿易統計において、中国向けの輸出シェアが突出して高いのが、この3カ国です(※何をもって中国への依存度が高い国だと判断するかについては議論の余地がありますが、ここでは、中国への輸出シェアが高い国は、中国経済が悪化した場合の直接的なダメージも大きいであろうと考え、輸出シェアに注目して各国のデータを抽出しました)。
台湾や韓国が、地理的にも近い中国相手の輸出が多いのはわかりますが、なぜ、オーストラリアがこれほど、中国依存度(中国向け輸出シェア)が高いのか?今から2年前まで、オーストラリアは左派政権が牛耳っていました。ただの左派を通り越しており、当時のラッド元首相らは中国べったりで、中国の反日政策に加勢するほど、日本(および日本企業と日本国民)を侮辱し続けました(当時、外遊先からわざと日本を外したり、日本の捕鯨を外交問題化したり、中国が反発した日豪関係強化の議題をことごとく先送りしたり、日常的に、中国共産党と同じような反日的な言動を繰り返すなど)。
経済的にも中国との関係が極度に深まり、中国向けの輸出が全体の約3割を占めるに至りました。2年前に政権交代して、日本との関係も改善傾向にありますが、まだ経済構造は、過度に中国に依存した状態からは脱することができていないと見られ、事実、今年の中国株バブル崩壊により、オーストラリアの株価や通貨(豪ドル)も大幅に下落しました。
■依存度が比較的高いとみられる国
1位 ブラジル 19.0%
2位 ニュージーランド 14.9%
3位 南アフリカ 14.3%
前述の3カ国ほどではないものの、比較的経済規模も大きくて、中国への依存度も高い要注意国がこの3つ。ブラジルはもともと経済が悪化しているうえに、中国依存度も高く、弱り目に祟り目状態です。南アフリカは、2年ほど前から、調子に乗って中国向けの輸出を急増させてしまいました(当時、前年比3~4割も中国向けが急増)。今年、中国バブル崩壊の影響で南アフリカの通貨ランドが急落していることを見ても、そのツケがいま出ていることがわかります。ニュージーランドも中国への依存度が高いですが、オーストラリアと比べますと、中国経済が悪化した場合のダメージは、幾分ましであろうと推測されます。
■番外編 中国との深い関係が噂されるあの国は?
ロシア 6.8%
ドイツ 6.1%
中国と接近していたロシアは、意外かもしれませんが、経済関係については、互いに一定の距離をとっており、中国向けの輸出シェアは6.8%と、ほとんど伸びていません。ドイツは、金額だけを見れば、中国向けの輸出総額は、オーストラリアよりも大きいくらいなのですが、経済規模および貿易総額がとても大きいので、シェアは全体の6.1%に過ぎません。よって、これらの国は、中国経済がこの先さらに悪化しても、直接的なダメージは比較的軽微であろうと考えられます。(執筆者:為替王)
:サーチナ 2015-09-25 16:28
Posted at 2017/02/07 06:55:06 | |
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