
世界最大の自動車市場である中国において、電気自動車(EV)の販売が伸びている。中国工業和信息化部によれば、ガソリンや軽油など従来の自動車用燃料ではない燃料を動力源とする「新エネルギー車」の10月における生産台数が前年比9倍の5万台を突破した。
中国において新エネルギー車の生産台数が伸びている背景には、EVの市場拡大がある。中国メディアの毎日経済新聞は12日、中国でEV市場が拡大するにつれ、多くの企業がEV用バッテリーの生産に向けて投資を拡大していると伝える一方、中国産のEV用バッテリーは日韓メーカーの製品にまだ敵わないと報じた。
記事は、中国国内におけるリチウムイオンバッテリーの生産が近年拡大を続けていることを指摘し、その背景には「間違いなく電気自動車向け市場の存在がある」と指摘。さらに、世界規模で見た場合、リチウムイオンバッテリー産業は日本、中国、韓国の3カ国がリードしていると指摘し、2011年には韓国の出荷シェアが日本を追い越して世界1位になったと紹介した。
続けて、13年には中国が出荷シェアで韓国を追い抜いて世界1位となり、14年のシェアでは中国が40%超、韓国は31.4%、日本が24%だったと紹介。リチウムイオンバッテリー市場では日中韓による三つ巴の戦いが繰り広げられていることを伝える一方、中国の市場シェアが急拡大している背景には中国国内における電気自動車の市場拡大があると報じた。
一方で記事は、中国はリチウムイオンバッテリーの出荷シェアで1位ではあるものの、日本や韓国に比べてリチウムイオンバッテリーのメーカー数が多く、それぞれの企業規模も小さいと指摘。韓国のサムスンSDIおよびLG化学、日本のパナソニックの3社のシェアは市場全体の45.1%にも達すると伝える一方、中国の場合は国内トップ3のメーカーによる出荷シェアを合計してもサムスンSDI1社に及ばないと指摘した。
さらに、リチウムイオンバッテリーの品質面でも中国企業と日韓企業とでは大きな差があると伝え、日韓の大手メーカーの不合格率は100万分の1の単位であるとしつつも、中国企業の場合は「不合格率が10%を切れば良いほう」だと伝え、さらに品質検査で合格した90%程度の製品のなかにも「良」と「並」という品質の差が存在すると主張、電気自動車に搭載され、極めて高い安全性が求められるリチウムイオンバッテリーにおいて品質のばらつきという不安が存在することを伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
:サーチナ 2015-11-16 15:04
Posted at 2017/02/18 11:05:31 | |
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