

日本に観光で訪れて、「恥ずかしい思いをした」という中国人観光客は少なくない。なぜなら日本は中国と違って街にゴミが落ちておらず、偽物や海賊品が出回っていないうえに、道に唾や痰を吐く人がいないなど、中国と民度や道徳に大きな差があることを、目の当たりにするためだ。
中国では「日本人がゴミのポイ捨てをせず、痰を吐かないのは、厳しい罰則があるため」という見方があるが、果たしてそれは事実なのだろうか。中国メディアの今日頭条はこのほど、中国人から見た、「日本の道徳」について考察する記事を掲載した。
記事は、日本に長く住んだ経験のある中国人の見解として、日本の道徳について、「規則と抑圧」が関係しているとの見方を示し、日本には「明確な規則」があるわけではないが、「大多数の人が行う」行動があると指摘。こうした「社会的な抑圧」は中国人から見るとやはり、「規則が存在していること」と同じに感じるようである。
例えば日本には「食事の時に口もとを片手で隠す仕草」や、「玄関で脱いだ靴を揃えるときは、他人に尻を向けない」、「就職活動では髪の毛やカバンなどを黒で統一する」など、中国では見られない多くの「一般常識」が存在していることを指摘し、こうした一般常識は「それ以外の行為や行動を排除する抑圧として働き、明文化されずとも規則として機能する」ことを強調した。
記事は、中国の思想家である孔子の言葉として、「恥を感じる精神が道徳心につながる」とし、「日本人がゴミのポイ捨てをせず、痰を吐かない」のは厳しい罰則があるからではなく、そうした行為をすることに、日本人は「恥」を感じるため、日本人は恥ずかしい行動を取らないよう、自らを抑圧するのであると論じた。
日本人の行動規範の1つが、「恥」であるとすれば、中国人の行動規範の重要な要素は、「メンツ」であると言えるだろう。日本人は痰を吐いて、他人から白い目で見られることを「恥」と見なすため、こうした行動を取らない。一方、中国人は食事の席などで割り勘にすることは、「メンツが立たない」と見なすため、全員の分を積極的に支払おうとする。日本人と中国人の行動規範が違うのは、『恥』と『メンツ』という重要視する要素が違っているためとも言えそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF) サーチナ 2017-09-28 16:12
Posted at 2018/01/07 15:12:28 | |
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