
中国は国家戦略として、高速鉄道の輸出を推進しており、日本をライバル視している。インドネシアの高速鉄道を巡っては、日本と受注合戦を繰り広げた結果、2015年に中国が受注を獲得したが、土地収用などが難航し、完成がずれ込む見込みだ。インドネシア・西ジャワ州バンドン市のリドワン・カミル市長は、首都ジャカルタと同市を結ぶ高速鉄道計画について、完成が当初予定の2019年から、20年にずれ込むとの見通しを明らかにした。
中国メディアの一点資訊は3日、中国の高速鉄道が、難題に直面しているとする記事を掲載した。インドネシアの市長から「建設が遅すぎる」と責められているのだという。
記事はまず、高速鉄道外交は、中国の外交全体における重要な位置を占めていると分析。高速鉄道技術と、外交事務が結合した結晶としながらも、単に交通運輸や法律、外交学などの専門知識のほかに、国際的な視野や海外適応能力を備えた人材が必要であり、中国はまだ、このような複合型の人材に欠如しており、人材育成が課題であると論じた。
そのうえで、中国の高速鉄道外交は、インドネシアの高速鉄道建設を契機に、高レベル・高品質の建設と運営によって、中国高速鉄道の建設を目指す国を、引き寄せることが重要だと指摘。しかし、インドネシアの高速鉄道の完成が1年遅れるならば、他国は中国の工期どおりに完成する能力や運営に対して、疑念を抱くようになってしまうと危機感を示した。
そのためか、「インドネシアと中国の、両政府のさらなる協調が必要である」と主張。中国側だけの問題ではないと暗に示したとも言えるが、工期どおりに完成させることの重要性を訴えている。そして、「一時的な挫折によって、中国の高速鉄道外交に対する自信を無くしてはならず、強い自信を持って他国の、中国高速鉄道に対する信頼に影響を与えていくべきだ」と論じた。
記事は、不安の気持ちを素直に認めているが、何としても成功させ、新たな受注につなげなければという気迫も伝わってくる。海外における、高速鉄道受注競争において、世界の信用を得るのかそれとも失うのか、このインドネシア高速鉄道計画にかかっていると言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF) サーチナ 2018-04-06 10:12
Posted at 2018/04/07 06:01:41 | |
トラックバック(0) | 趣味