



中国メディアの捜狐はこのほど、「食べれば分かる。あなたの知らない日本の寿司文化」と題する記事を発表した。
中国では日本の社会や文化を紹介する文章の発表が増えている。多くの場合、高く評価する内容だ。工業製品については「匠の心」など、精神的背景を強調する場合が増えた。本記事は、寿司という料理にも、学ぶに値する日本人の精神が多く込められていると主張した。
寿司の起源については、西暦200年ごろの中国に「前身」が存在したと説明。米と魚肉を塩で漬け込んだ食品だったという。保存食だったので戦乱の時代には大いに重宝され、野菜や獣肉、さらに貝を用いる作り方も工夫されたという。
日本には奈良時代に中国からもたらされたとの説を取った。そして、寿司が全国に行きわたり発達したのは1700年以降の主に江戸時代と論じた。
記事は、「寿司」にまつわる漢字についても説明。1文字で書くならば、現在の中国語では見かけない「鮨」と「鮓」文字を使うと紹介。「鮨」については西暦紀元前3-4世紀に編まれたとみられる、現代風に言えば辞書である「爾雅 釈器」に記載があるという。魚を塩に漬けて、長期保存ができるようにした食品だった。
「鮓」はそれから約500年後の西暦200年ごろに編まれた「釈名 卷二 釈飲食第十三」に見える。塩と魚と米を漬けこんだもので、発酵してから刻んだ。ただし、そのまま食べたのではなく、加熱したとされる。
記事は、本来は違いがあった「鮨」と「鮓」が、日本では同じ食物を指すようになったとの見方を示した。日本語の「すし」という名称は「酸っぱい」の意で、「当時の日本人は、酸っぱいなあ! 酸っぱいなあ! と言いながら食べたのだろう」と推察した。
記事は、中国では米を用いて、発酵食品を作ることが行われなくなり、明代(1368~1644年)には、「鮨」も「鮓」も消失したと論じた。
歴史や言葉について、ひととおり説明した後には、日本の寿司の豊富さを強調した。
まず、太巻き寿司は、複数の具材を使うと紹介。それに対する細巻きは、単一の具材であることが多い。巻き寿司だけでも、日本では「手巻き」、「裏巻き」、「軍艦」など、さまざまな種類が工夫されたと紹介。
さらに、握り寿司、いなり寿司、ちらし寿司、箱寿司など、寿司にはさまざまな形態があると、例を多く示した。
さらに、「発酵食品」としての寿司の古い様式を保ったものとしては、山形県の粥ずし、和歌山県のサバのなれずしを紹介。さらに、酒を用いる鹿児島県の酒ずしも紹介した。
記事は最後の部分で、日本の多くの地域に広まった握りずしに改めて注目。「ひとつひとつが、料理の美を追求してきた日本人による芸術作品」と称賛。
また、「寿司の秘密」として、わさびには口の中を爽快にしてくれるだけではなく、殺菌作用もあると紹介。さらに生姜の甘酢漬けも、次に食べる寿司の味を改めて新鮮にしてくれると評価した。
記事は、日本の寿司は今現在行われている、刷新と伝統の結合が具体化している食べ物であり、「聡明で勤勉である日本人が、生活の向上を追求してきたことが込められている」と称賛。さらに、効率とスピードが求められる現代において、「寿司は人と人をつなげてくれる」として、「われわれ(中国人)が、いや、全世界が学ぶべき日本の、社会と文化の長所が込められている」と、寿司を絶賛した。(編集担当:如月隼人)(写真は捜狐の14日付報道の画面キャプチャー) サーチナ 2016-03-16 11:19
Posted at 2018/07/30 18:13:56 | |
トラックバック(0) | 趣味