コンロッド鏡面加工って意味あるの(￣▽￣;)

ショットピーニングは疲労強度を上げるために施工してあると思うんですが、痕を消す理由を後学のために教えていただけないでしょうか。

もしかして、表面の凹凸がなくなっても、表面下では圧縮残留応力がしっかり残っていてその効果はあるから、ってとこでしょうか？？

林義正氏の「エンジンチューニングを科学する」という本に”表面の微視的な傷まで取り除いて、そこを起点として発生する亀裂を避ける為である」「コンロッドが光るまでていねいねに研磨することは大いに意義があることである。」とありました。
「HKS流エンジンチューニング」という本にも”コンロッド表面を磨く”とありました（だだしこちらにはおっしゃる通り”ショットピーニングのしてあるものについては取り扱いに注意し、追加工をすることも必要になる場合もある。”とありますが、それ以上の詳しい説明はありません。）。こちらの本には”応力分散”と”フリクションを減らす”とありますので
やってみました。

本に書いてあることを鵜呑みにしてやってるのかと批判を受ければその通りです。
明石さんのような大企業にお勤めで組織的に研究している方は大掛かりなテストも出来てデーターも豊富でしょうが、私のようなプラベーターと言われる者は本に書いてあること取り敢えず信じてやってみるしかありません。
ただ、同じ本の中に同じく鋳鉄製のカムシャフトの軸の部分の黒皮部分を削り取ると著しく強度が低下するとあるので混乱はしますが、
こうして地道に自分なり経験値を上げていくということです。

ところで、明石さんだったらコンロッドは磨かないってことですか？
林氏は日産のレーシング・エンジンに携わってきた方で、”レーシングエンジンでは、よくコネクティングロッドをぴかぴかにバフ掛けする。”とありますが、どうなんでしょうか？
林氏やHKSのやってきたことは間違っているということでしょうか？

私も色々な方の意見が知りたいので、よろしければ教えて下さい。

私は研究職についたことはないですし、勤め先にエンジン部品のデータがある訳でもないので、立場的にはがちょうさんと変わらないと思うんですよ。

と断った上で、一般的な話をしますと…

まず、他の条件がすべて同じであれば、表面の面粗さが小さいほど、初期亀裂の発生を遅らせことが出来て疲労強度が上がるのは、間違いないと理解しています。ただ、面粗さを小さくするための加工によって、他の条件が変わってくる場合は、その影響を考慮する必要があるでしょう。

具体的は、ヴィヴィオのコンロッドが該当するか分からないのですが、浸炭焼入れが施してある部品の場合、私だったら磨くのはやめておくでしょう。浸炭はふつう有効焼入れ深さが１．０ｍｍ前後しかなく、これを例えば０．２ｍｍでも削ってしまうと、表面硬さが下がる心配があり、面粗さの方のメリットとこちらのデメリットのどちらが大きいかが判断出来ないためです。カムシャフトの黒皮の話は、おそらくこれを指しているんじゃないでしょうか。

また、ショットピーニングが施してある場合ですが、これも、表面下（＝磨いた後の表面）でどれくらい圧縮残留応力が残るかのデータがなくて判断が出来ないので、安全側を採ってやめておくと思います。仕事でチューニングを行っている企業ではどうやってデータを取ってどのような判断をしているかが、興味深いところです。

逆に、こういった表面処理や熱処理がない場合は、明確に効果があるはずなので、私でも磨くと思います。

貴重なご意見、ありがとうございます


勉強になりました。

コンロッドの鏡面加工は、もう１度、明石さんのコメントを参考に依頼主の方と話して、どうするか検討します。
ヴィヴィオのコンロッドは何組もあるので(^_^;)

以前にもメーカーのホームページを見てプレオ・ピストンを使うと無批判に書いていたら、鋭い突っ込みを入れて来た方がいました。
明石さんやその方のような方がいると私も勉強になります。

ありがとうございます