格子や虫籠窓、本瓦葺漆喰塗の卵建は、町家の意匠上大きな特徴・美馬市脇町南町重要伝統的建造物群保存地区
2022年04月11日
脇町は、吉野川左岸を鳴門にいたる撫養街道と、高松へ通じる讀岐街道が交差する要衝の地にあり、鎌倉時代以降に城下町として形成されました。天正13(1585)年、蜂須賀氏が阿波国に. 封ぜられると、脇町には重臣・稲田氏が配され、城と城下町の複興が積極的に行われました。
江戸時代には舟運を利用して、吉野川中流城における阿波特産の藍の集散地として発展しました。明治以降は繭の仲買及び生糸の生産の中心地として栄え、藍商売、呉服商、その他各種の商家が軒を連ねる町となりました。
大谷川の右岸に位置する町並みは、三本の東西路に沿って、南町・中町・北町にわかれ、とくに商業活動の中心となったのは、吉野川沿いの南町でした。南町の町家は通りに面して主屋が立ち、その背後に藍蔵や倉庫として使われていた土蔵立・その他の付属屋が立っています。主屋の建物は、切妻造平入が主で、ところどころに入母屋造妻入のものも混じっています。
屋根は本瓦葺、壁は厚い塗籠で白漆喰仕上げの重厚な造りとなっています。格子や虫籠窓、本瓦葺漆喰塗の卵建は、町家の意匠上大きな特徴となっています。
南町の町家のうち約六割は伝統的な様式で建てられており、宝永4(1707)年・宝水8(1711)年の棟札を持つ古い町家をはじめ、江戸時代後期から明治時代の家々が並び、町家の変遷を知る上でも貴重なものです。
脇町南町は昭和63(1988)年「脇町南町重要伝統的建造物群保存地区」として国の選定をうけましたこ のすぐれた歴史的文化遺産を、文化財として保存するとともに、これを活かして快適な生活環境の整備を行い、町民ひとりひとりが郷土への誇りと愛着を持てる、個性と潤いと活力のある町づくりにとりくんでいます。
(現地説明板などより)
Photo Canon EOS 5D MarkⅣ
R4.4.2
住所: 徳島県美馬市脇町大字脇町