中村家住宅(南越前町〔旧河野村〕)
北前船主の大規模邸宅・中村家住宅
2026年04月20日

中村家は、代々「三郎右衛門」を通称し、明治時代から「三之丞」を名乗っていました。伊予国の豪族河野氏が率いる河野水軍の流れを汲み、南北朝時代の金ヶ崎合戦時に南朝方新田義貞勢に加わり、その後、河野浦に移り住んだと伝えられます。
江戸時代には河野浦の「高持」の家として庄屋役を務めるとともに、幕府の廻国巡見使の一番宿を務めたこともありました。また、江戸時代中期から廻船業を始め、幕末から明治時代中期にかけて、右近権左衛門とともに北前船主として隆盛を極めました。
明治時代には、右近権左衛門とともに北前船経営によって得た利益の一部を投じて、武生から春日野を経て河野浦に至る「春日野新道」を整備しました。また、河野・敦賀間に小型蒸気船による航路を開設し、武生・敦賀間の物資輸送を担う海陸運輸会社を設立する等、地域交通の発展に多大な功績を残しました。
中村家の建物は、主屋、新座敷、隣接するセドクラと新蔵、旧村道を挟んで正門があり、西蔵、バンゲ蔵、前蔵、米蔵、浜蔵、塩物蔵の土蔵群で構成されます。平成27(2015)年7月8日、「独特な屋敷構えと三階建座敷を持つ北前船主の大規模邸宅」と評価され、国の重要文化財に指定されました。
各建物は中村家が繁栄を極めたころ、明治中期から大正初期にかけて建てられました。主屋は明治20(1887)年の建築で、規模が大きく、接待空間の座敷は上質な木材を用い、端正な佇まいをみせます。一方、生活空間のダイドコロの高い吹抜け空間は豪壮です。新座敷は大正2(1913)年の建築で、洋風の階段を取り入れ、各座敷で意匠を変えるなど、趣向を凝らした造りとなっています。三階にある望楼からは敦賀湾が見渡せ、かつてここから往来する船を眺めたと言われています。
平成29(2017)年4月28日、日本遺産「北前船寄港地・船主集落」の構成文化財に認定されました。
令和6(2024)年4月27日から一般公開が開始されました。平成30(2018)年度から屋根瓦の葺き替えや耐震工事が行われていますが、土蔵群や正門は令和8(2026)年現在、修復工事中です。
(現地説明板などより)
開館時間 9:00〜16:30(最終受付16:00まで)
休館日 水曜日、年末年始(12/29〜1/3)
入館料 大人300円 子供200円
右近家・中村家共通観覧
大人500円 子供300円
Photo Canon EOS R6 MarkⅢ
R8.4.4
住所: 福井県南条郡南越前町河野1-55
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