• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

銀匙のブログ一覧

2021年07月20日 イイね!

24年前に作られた軽自動車を買うという事(走行編)

24年前に作られた軽自動車を買うという事(走行編)本編はシリーズものの4つ目です。

前回はこちらからどうぞ。

さて、車を買い、納車も終わった。
自分で取り付けるものも取り付けた。

そうなれば走るしかない。そのために買ったんですからね。
早めの夏休みも取りましたよ。
だって本来夏休みの頃はどこぞの五輪貴族サマが首都に居座りますからね。
高速道路会社も便乗値上げしますしね。
もうやってられないですよ。

・・話がそれました。


しかし、私、自慢じゃないがMT車は久しく乗ってない。
どれくらい乗ってないかというと、25年ほど。

・・・・。

待って。
話し合いましょう。
人間意思疎通の前に暴力はいけない。

一応、一応ですね、ジムニーの試乗とか、ごく僅かながらもMTを運転した事はたまにありましたよ。
18歳の時に免許取って2年くらいはレンタカーであえてMT車を指定して乗ってましたし。
決して教習所の後は未経験というわけではないです。
でも所有した車は全てATだったし、ちょっとまぁ物凄く久しぶりですよ。
(ここまで早口でまくしたてる)

でも、あれだけ教習所でやったんだし覚えてるだろうと思いつつ、ハンドルを握りましたよ。
納車の日、車屋から整備工場まで、だいたい40km、1時間半位の道のり。


7回エンストしました。
うち5回は坂道ですらありません。
坂道発進で下がったことは数知れず。
3rdから加速しつつ間違えて2ndに入れてタイヤからスキール音出す事2回。


・・・・・。

覚えてないもんだなぁ(目をそらしつつ)


え?なんで試してから買わなかったんだって?
今時普通車のレンタカーでMTなんてありませんよ。
更に言い訳すれば、普通車のMT車と軽のMT車なら後者の方がエンストしやすいです、多分。
教習車ディーゼルだったし・・
さらにいうとあの子は車検切れだったから公道試乗させてもらえなかったんですよね。
他の店だと仮ナンバーとかつけてくれたりするんですが・・

で、工場長がクラクション取付と点検を進めている間、私はYoutubeでMT車運転講座を血眼になって見てました。

理屈だけなら簡単
見てるだけなら出来そう
でも出来なかったんだよ私(涙)

モニタの先の教習所の兄ちゃんに愚痴を言っても仕方がない。
布団被って不貞腐れてるわけにもいきません。
思い出すしかないのです。

なお、私のヘタレっぷりを数分間見ていた工場長いわく、

「考えて操作したら上手く動かないよ。反射神経で操作出来るまで延々乗って覚えるしかない」

考えるな、感じろってことですね(微妙に違う)


というわけで、乗ることにしました。

スーパーの自走式駐車場のスロープ途中で唐突に起きる渋滞で冷や汗をたらし、
交差点を右折するという一大イベントを何度も繰り返し、
むち打ちになるのが早いかスムーズに加速変速が出来るようになるかのチキンレースを重ね、
旅立っていった部品達の後釜を部品販売センターに取りに行ったり、
エンストするたびにハザード出すのだけ上手くなったり。


最初乗ってた時は、なんというか、建設機械を公道で走らせてるような印象でした。
だって回転音だけ勇ましくてスピード出ないんですもの。
ほら、たまに道路走ってるでっかいクレーン車あるじゃないですか。
やたら低速なのにエンジンが死にそうなくらいブン回ってる音立てて走るあれですよ。
あんな感じ。
パジェロミニの1速って低すぎないとか思ってたんですが、あれでないと登れない坂(もちろん公道)があって、理由があるんだなと納得しました。
スーパーカブの1速が日本のどんな坂でも上れるようにってギヤ比で設計してるらしいですが、そういうもんなのでしょう。

しかし、エンストの頻度が減り、エンジンの回転をまぁまぁ合わせてシフト出来るようになると、印象が変わってきます。
公道を制限速度以下で走ってるのにエンターテイメントなんですよ。

2台前がふらふら走ってるから止まるつもりかな、ギヤダウンしとくか。
あ、先の信号が赤だわ。一旦ニュートラルで惰性運転して青にならないか様子見てみるか。
冷房ちょっと足元に送ろうかな。手が冷えてきた。
おいおい5速だとこの坂登れないの?もうちょっとだよ?ガクガクしてるけど頑張ってみない?ねぇ?
発進直後に脇道の車に道を譲るかい・・あー、1速から発進やり直しだわ。
信号赤だし、あの車が入れる所で止まって私はもう動くの止めよ。
速めのクリープって2速でちょうどいい?微妙?うーんどうだろう。
時速60km丁度で維持すんの大変だな。5速のエンブレきっついわ。

要は常に脳と両手両足が仕事せんといかんのです。
暇だと言ってる暇がない。
2時間ちょっとの距離走って外海に着いた時の嬉しさと言ったら。
スイフトなら時間かかるなあ・・退屈・・と思ってた2時間ちょっとが、パジェロミニだと

 あぁいい仕事した。なにせエンスト2回で済んだからな。

となるわけです。
目的地に着いた時の感動が濃い。

なんて言えばいいですかね。自分は免許持ってないので未経験ですが、

 天候を無視できる原付2種

って感じですかね。それも枠一杯の90ccじゃなく、スーパーカブをボアアップしたら原付2種になっちゃった52ccみたいな。
イメージ的にはドア付きのジャイロXなんかを想像してください。

でもって、パジェロミニ自体も砂とか見ると急にイキイキするように感じます。
ちっこいのにこういう状況が似合う。偉そう。


一方で舗装路で駐車してるところ見てくださいよ。


これ5ナンバー普通車がちょっとドア開けづらい程度の駐車枠ですよ。
どれだけ持て余してるか。

そんなこんなで、乗りました。
大体400km位くらい。

燃費記録にも書いたんですが、最初の頃の100kmはリッター11ちょっと、後の300kmはリッター13ちょい。

・・・・・。

え、待って?
パジェロミニってリッター13なんて出るの?

ターボモデルはどう転んでも9km以上出ないとか聞いたんだけど、NAとそんなに違うの?
てっきり10位だと思ってましたので、これは嬉しい誤算。
なお外は30度なんて余裕で超えてるので常に冷房冷風全開です。
なのに室温ガンガン上がります(涙)
スイフトは延々エアコンが入るけど最後はエアコンが勝ちます。
パジェロミニは延々エアコンが入って日が暮れるまで負けっぱなしです(涙)
まぁ、それでも13オーバーは立派ですか。
ちなみに一番燃料の減りを感じたのは高速でした。
80以上出すとするする減るのが見える(涙)


さて。
私は今まで、毎年北海道の、それも北の方に行ってました。
こういう景色と会うためです。


誰も居ない、他の車も滅多に居ない。
冬の除雪の為に道路幅も路肩も広い。
そんな北の地の広い広い道。
直線が何キロも続くような、そんな道。


たまに通り過ぎていくミニクーパーとか、プリウスとか、ハイエースとか、プロボックスとか。
とにかく狂気の速度ですっ飛んでいきます。
一般道なんですけどね。
やっちゃダメという事は理解しつつも気持ちは解る。
気持ちいいですからね。

何でかっていうと、スイフトのような5ナンバー枠内の車でさえ、本州首都圏の公道で持て余してるんですね。
だから北の大地の、十二分に広くまっすぐな道を気持ちよく走りたい。
窮屈さを感じずに走りたい。
そういう事だったのかもしれません。

一方、H56Aパジェロミニは、旧規格の軽であり、徹底的にちっこいです。
幅も狭く、最小回転半径も小さいので、本州首都圏の公道でさえ広く、制限速度が高く感じる。
ちょっと郊外の、田畑脇の広域農道が北の大地並に広い。
時速60位で流れているバイパスはもはや高速道路。
中央線の無い路地で対向車が来てもお互い緊張せずに通過出来る。
下の写真で見える舗装路は、コンパクトカーでさえ難儀する幅ですが、広く見えると思いませんか?


なるほど、近所の道で満足する車ってことか。
これはめっけものかもしれない。

購入前は正直、ほどなく大故障が起きて、そしたら廃車だなと思ってましたし、それも仕方なしと思ってたのですが、今はパジェロミニでどうにか全部こなせないかな、なんて考えたりしています。


それくらい、パジェロミニの運転は楽しい。


この感覚はきっと、H58A(2代目パジェロミニ)よりもH56A(初代パジェロミニ)のほうが濃いと思います。
そしてATよりMT、ターボよりNAの方が、濃いと思います。
なぜならATではこんなに脳を使って操作する必要がないし、ターボモデルはもっとパワーに余裕があるから。

だから5速NAがいいとか、そんなことは言いません。
パワーはあった方が何かと頼りになるし、毎日の通勤快速なら操作が楽な方が良い。

ただ、じゃあ5速NAは良い所が何一つない不良品かというと、そんなこともない。
公道をスムーズに流すために、脳と手足を使って性能を使いきる工夫をする必要があり、それが楽しい。
そういう車なんじゃないかなと、今は思ってます。
だから別に砂遊びや泥遊びをしなくてもいい。

幸いなことに、今回選択したトーヨーのオープンカントリーA/Tは舗装路でも静かですし、運転しやすいです。
パジェロミニの目線はいわゆる現代SUVやミニバンの高さです。
セダンより、コンパクトハッチより、ハイトワゴンよりちょっと高く、クロカンよりは低い。
なので前後から照射されるミニバンのヘッドライトがまぶしくない。
年取って調光機能が鈍くなってきた目には、LEDヘッドの直射はつらいですからね。
そういう意味では現代の車ではいつの間にか無くなった、メーター照明やルームライトが白熱電球の暗い明りなのも私は好きです。
白色蛍光灯の色より、電球の方がなんか落ち着くというか、良い雰囲気になるじゃないですか。
だから夜の運転も苦になりません。
あぁ、先に懺悔すると、ヘッドライトとバックランプはハロゲンから国産LEDバルブに変えました。
この2つは暗いと事故起こしますからね。
高いけど安心と信頼の日本製。
この辺に粗悪な中国製を選ぶつもりはありません。

きっと、H56AパジェロミニのNAをクロカンとして買うと、色々足りなくて困るんだろうと思います。
またファッションとして買っても、あちこち足りない性能に後ろから蹴りたくなるのでしょう。
でも公道で、法定速度で、あぁ運転して楽しかったと思いつつドアをロックする体験をしたいなら、パジェロミニのNAのMT車は良い候補かもしれません。

なお、今日走っていたらスピーカーのコーン紙が蓄積疲労で破れました。
曲を再生するとアラウンドでビリビリとビビり音がするので、カーショップへ。
前後左右4スピーカーとも全部酷い有様だったので、総入れ替えで3万円。

あぁもう、なんてこった。




なお、整備手帳に1つ登録しておきました。
サングラスホルダーを取り付けましたよ、という話です。
Posted at 2021/07/20 22:20:26 | コメント(0) | トラックバック(0) | パジェロミニ | 日記
2021年07月19日 イイね!

24年前に作られた軽自動車を買うという事(DIY編)

本編はシリーズものの3つ目です。

前回はこちらからどうぞ。


さて、気が付いてみれば過去一番面倒くさい納車となったパジェロミニだが、ようやく我が家にやってきた。
7月のよく晴れた暑い日なのだが、本格的に走り始める前にしなければならない事がある。

そう。依頼するにはお金が足りなかった、自分でやるとした作業である。
まず手始めに行ったのが配線作業だ。

90年代の世の中でもパジェロミニに紙の地図を入れる場所が無いのは不便なポイントとして挙げられていた。
ましてや今の世の中、ナビなしで動くのはリスキーである。
スマホ持ってるじゃんという指摘はその通りだが、山中等の人の住まない僻地では電波が入らない。
そして市街地で場所探しの為にスマホをぐりぐりやっていて、ふと窓の外に気配を感じて見上げれば、白バイのお兄さんがにこやかに青い紙を持ってノックしている、なんてオチは全く冗談にならない。
車の運転とスマホは出来る限り遠い関係に置くべきである。

さりとて、24年後の技術を組み込むには場所探しが必要だ。

基本的にパジェロミニ君は全体的に狭い。ミニチュアのようである。
そんな室内に普通車としての機能をちゃんと詰めようとしているので、後付け出来る場所が本当にない。
うちの子はXR-ⅡというNA上級グレードだが、幸運な事にマルチメータがついてなかった。
マルチメータとは相対高度、方位、気温等を表示する機械で、本来はダッシュボード中央最上部にある。
うちの子のその場所は幅14cm、奥行き9cmくらいあるトレイになっている。
ただしトレイ自体が結構高めの位置にあるので、ナビを5インチに限定した。

現在地が分かり、最悪下手糞なルートでも自宅まで辿り着ければいい、という基準で選んだのはユピテルのYPL526というナビである。
お値段1.7万円くらい。7インチゴリラと比べるとずいぶん安い。
配線が電源のみというシンプルさと、昨年春時点のマップルナビを積んでるのが決め手だった。
ナビはとにかく地図が新鮮で正確なブランドの物を採用しているものが正義である。
ナビにおけるマップは、自作PCでいう電源ユニットのようなもの。これが粗悪だと何もかもダメになる。
ワンセグとかどうでもいい。ちゃんと現在地を示す事を求めているのだ。

次にドラレコだが、これもスイフトで学んだとおり、GPS記録機能付きの、夜間解像度があるものを買った。
こちらも電源配線のみのシンプルなもので、バックミラーの陰に隠れるフロントガラス上部などに配置。
これで夜でもモニターの光に眩しさを感じることもないし、バックミラーに怪しい物が写ってる気がするってオチもない。

ドラレコの電源線は天井部の内装と外板の間を経由して助手席側Aピラー上部でまとめ、ビニールテープで適宜押さえながら助手席Aピラー根元からダッシュ下部に引き込んだ。
ナビの電源線もフロントガラス最下部を通し、助手席Aピラー根元からダッシュ下部に引き込む。
助手席足元奥に出てきた配線を増設シガーソケットに差し、増設シガー自体は車にもともとついているシガーソケット裏側からギボシで分配して+を、ボディアースから-を取り出す。増設シガー自体を純正シガーに差すと、シフトレバー周りがごちゃごちゃ配線が這いずり回って見た目が悪い。
H56Aの純正シガーの裏配線はもともとギボシ接続なので、簡単に分岐できる。
間違っても悪名高きエレクトロタップは使わないし、ヒューズ分配もヒューズケースが閉まらなくなるので使わない。
増設シガーソケット自体も見えない所に両面テープで接着し、余った配線は束ねておく。
最初くらい見た目を大事にしたかったのだ。



次に行ったのはカーゴルームのボロ隠しである。
ジムニーやパジェロミニは後部座席を倒さないとスイフトより狭いカーゴスペースしかない。
しかもトノカバーという概念がない。
雑巾とか買い物袋を置いてたら外から丸見えで恥ずかしいのである。
他の人達はどうしてるのかと思ったら、RVBOX等、丈夫な蓋つきプラケースを幾つか買い、そこに入れるらしい。

しかしRVBOX自体は見えてしまうし、H56Aはフロントも含めてUV通しまくりガラス。
普通のプラなんて簡単に油抜けを起こしてボロボロになってしまう。

対策その1はガラス窓へのフィルム貼りである。
最近はLEDヘッドライトのせいか、後続車も対向車もやたらヘッドライトが眩しい車が増えた。
(市街地で周囲に車が居るのにハイビームで走る目つぶし野郎は論外である)
その対策も兼ねて、少し濃いめのフィルムをリヤ3面に貼ってもらった。
出来る事ならフロント3面も透明なUVカットフィルム貼りたいよ。

次に用意したのが、自作のトノカバー。
といっても、カバー自体は生地屋で買った、ただのデニム布である。
生地がほつれてこないように周囲を縫い、紐を通す穴などを縫い、現物合わせしながら形を整えていく。

トノカバー自体の固定用に、内装6か所に金属製のコートフック(よくトイレで見かけるあれ)をネジ止めし、そこにトノカバーに通した紐をかける。さらに、内装壁面と数か所マジックテープで固定。マジックテープは壁面側はタッピングビス2か所で、カバー側は縫い付けた。


また、後部座席を倒して荷室として運用するつもりなので、荷物が運転席側に飛び出してこないようにトノカバー前側は垂れ下げても十分余裕がある寸法とし、畳んだリアシート背もたれと座面の間に挟み込んだ。無いよりはマシだろう。

紐で吊ってマジックテープで止めたのは車検や緊急時にはカバーを外して、背もたれを起こせるようにである。
リアシートそのものを取り払うと車検時に乗車定員変更とか、そもそも外したシートの保管場所に困る。
こうして装着したトノカバーはまぁ納得のレベルである。
視界も妨げないし、軽い物なら上にちょっと置いておくこともできる。


あとはペダルの高さ調節である。
と言ってもやったのはクラッチだけで、市販のカバーを貼っただけだ。


ドラポジをクラッチ以外で調整するとしっくりくるのだが、クラッチだけあと少し奥まで踏み込まないと完全に切れない。
シートの前後でいう2ノッチくらいなのだが、クラッチに合わせると窮屈感が出る。
なのでシートを1ノッチ前に、適宜腰をシートから浮かせて・・などとやっていた。
ただでさえ下手なクラッチ操作がますます下手になる。
本来はアクセル、ブレーキ用のカバーも同梱されているので揃えて貼るのが綺麗だが、見た目より実用である。
このカバーは簡単に取り付けられるし、鉄板を曲げて固定するので剝がれにくいだろう。
効果に期待。

他には室内では温湿度計を貼ったり、ティッシュを置いたり傘入れを用意したりと、記すほどの事ではないので割愛。


備考として書いておくと、ステレオ下部から引き出して使う純正のドリンクホルダーが600ccのペットボトルも入る優れものだった。
ただし助手席側に入れるとステレオのボリュームつまみと接触して入れられないので、ここでもお一人様仕様なのと、24年ものなので折れるかもしれない・・
ドリンクホルダーをドアに取り付けるとドアの開閉時に暴れるので好きではないのである。


次に外装に関してだが、こっちこそ素人が触れるものは少ない。
せいぜいこんなシールを貼っただけである。


これも時代だなあと思う。
いまや2ペダルMTも含め、クラッチの無い車がほぼ100%だろう。
クラッチ付きMT車なんて、運転どころか同乗した経験すら無い人が多いのではないだろうか。
クラッチ付きMT車のみの現象が、坂道発進で下がってくることである。
さらに言えば下がりからのエンストまである。
え?え?ブレーキ踏んでるのにうちの車進んでる!?なんてパニックを起こされないよう、うちがMT車で下がる事がありますよ、ごめんなさいねというせめてもの謝罪である。
さらに残念ながらオオカミ少年ではない。
実際に下がるし、平地ですらエンストしたし、ガックンガックン前後に揺れながら加速するのはいつものこと。
ふとバックミラーを見ると、ものすごく車間を取ってくれたり、発進を超遅らせたりしてくれている気がする。
ごめん、ほんとうにごめんなさい。
ご協力に大変感謝します。
ありがとうございます。
もちろん、ガンガンピッタリ後ろにつけて煽ってくる車もいる。
軽自動車、特に配達系1BOX、後はプロボックスに多いけど、後が詰まってるんだろうなあ。
ぶつからない事を祈る。お互い事故になると無駄な時間食っちゃうでしょう?
証拠として撮影はしてるから、言うべき事は言うけどね。録画中のシールも貼ってるし。

そして最後のDIYがご存じアルミテープチューンである。
1台目のスイフトをアルミテープチューン貼付直後に全損させて以来トラウマだったのだが、24年前の車には効くんじゃないかと思い、やってみる事にした。
買ったアルミテープはこんなものである。

厚さ0.1mmなのでアルミ箔というよりアルミ板である。粘着剤も導電性で20mで千円以下というのもよい。
これをまず張り付けたのはリアゲート内張の裏側である。
スイフトの静音対策で最も効果を上げたのはリアハッチ内側に鉛テープを張った事だった。
しっかり体感できるほどに静かになった経験から、パジェロミニのリアゲートを見ると、合板が取り付けられている。
この合板のさらに内部にはドアと同じくブチルゴムで接着された雨除けのビニールシートとワイパー機構がある。
合板部は樹脂より帯電性は少ないだろうが、ビニールシートやブチルゴムはもろに帯電する。
なので、合板の裏側、ビニールと触れるところにアルミテープを貼る。


後は定番のステアリングカバー下部にペタリ。


これで内装は終わりである。
本当ならBCピラー内側、リアガラス上部などにも貼るのが定番だけど、そこに貼った直後にスイフトで事故ったので勇気が出なかった。

次に外装なのだけど、これはエンジンルーム内のみとした。
理由は外装がほとんど鉄板という事もあるのだが、樹脂パーツを固定しているボルトが真っ赤っかに錆びていて、電動ドリルでもウンともスンとも回らない。手動式インパクトドライバは持ってるが、折れると締められなくなるので止めたのである。
ああ24年の歳月よ。

エンジンルームでは基本的に吸気側に貼っていく。
インテーク吸気口周辺、吸気ラインで急激に進路が変わるところ、エアフィルタのケース、ECIMULTI周辺、それとバッテリーケース外側に、リレーケース内部である。
この車の正解かどうかは解らないが、一応貼付箇所はトヨタの特許情報などを参考にした。
私がエンジンルームで貼ったのはこんなところである。


ちなみに、振動が生じて落ちることが心配される部分にはテープ外側からタイラップで締め付けた。


なお、この作業が終わってふと見ると、乗っかっているだけと言われた部品がもう一つ旅立ったのに気が付いた。
小さい部品だから探すのも不可能である。

まったく次から次にぽろぽろと・・
お前はHAASのF1マシンかいな・・・
Posted at 2021/07/19 11:11:19 | コメント(0) | トラックバック(0) | パジェロミニ | 日記
2021年07月18日 イイね!

24年前に作られた軽自動車を買うという事(購入から納車まで)

本編はシリーズものの2つ目です。

前回はこちらからどうぞ。


さて、パジェロミニを横目で見ながら店内で契約交渉開始である。
私は今回、購入時に金のかかる整備を含めて一括依頼することにした。
車が特殊であり、この店は多くのパジェロミニを売った実績があり、詳しいようだったからである。
さらに言えば、私は未だに三菱自動車も、ディーラーも、秘匿体質は変わってないと思うからである。

なので、中古車屋と交渉の口火を切る時に「じゃあ整備の話をしましょう」で始めた。
整備と聞いて急に真顔になって口をつぐんだり、現状で良いじゃないですかとか言い始めたら帰ろうと。
実際そういう業者も経験したことがあるが、この車屋はそうですねと淡々と応じた。

改めて書けば、諸費用とは車を公道で走らせて良い状態にする為の費用である。
必須としては車検と税金、自賠責保険を含めたナンバー取得費用。
そして車を健康な状態にする為に必要な整備費用である。
しかし、落とし穴がある。
それ以外の項目も、それをいくらとするかも、全て店の裁量で決めて良いのである。

ナンバー取得費用は車検残があれば5~8万、車検を取るにしても12~13万程度が相場である。
これになんとか手数料、かんとか費用、そんなんで1万2万の項目がちょこちょこあり、その内容を聞いてもロクに説明出来ないような物が積み重なって合計30万とか取られるケースがある。
この「ロクに説明しない項目」こそ「何もせず客からふんだくるカネ」つまり純粋な儲けである。

しかし、タダ取りするつもりだろうとか言って支払い拒否することもできない。
客が出来ることは、内容をたずねること、そして納得出来なければ交渉を打ち切って帰ることだけだ。
だから都合の悪い項目を尋ねられると、契約交渉中断からの破棄につながる為、態度が豹変するのはよくある事である。

ただ、一般論として、車両価格を安値にしておいて諸費用で儲けるのはどこの店でもやっている。
程度問題なのだ。
それは中古車情報誌が車両価格と総額をそれぞれ掲載し、車両価格の安い順で並べ替える客が多いからだ。
逆を言えば総額費用を掲載してない店は諸費用が非常識なほど高いので掲載できませんという事である。
実際、総費用掲載してない店で見積もり貰ったら車検残ってて現状販売で保証なしなのに諸費用35万円と書いてあって即帰った経験がある。

他にも水没車や事故車だという事実を隠して売ってる業者、金だけ受け取って蒸発する詐欺師、注文を受けてから車を盗み、プレートを偽物とすり替えて売る外人なんかも存在するらしい。
よく言われる値段が異様に安いというのもあてにならない。
値上げすれば相場に隠れられるうえに儲けも増えるからだ。
悪質な業者は善良な中古車屋の陰に隠れる卑怯さだけは優秀なのである。
完全にクリーンなのは保証をきちんとつけたメーカー系中古車ディーラーだが、そもそも価格設定が高い。
つまりは高品質な人気車種を激安で、なんていう上手い話は絶対ないのである。

そもそも、中古車とは誰かが理由があって手放した車だ(盗難車除く)
もし調子が良く、新しく、気に入って乗ってるなら手放さないだろう。
大体は年数が経って飽きてきて、そんな折に不調を点検してもらったら、それなりの修理費用が掛かりそうな故障だと言われ、それなら買い換えるかとなったパターンが多いだろう。
つまり現車は高確率で不具合を内包しており、直して乗り始めることが前提なのである。

ちなみに、名前の知られた大手中古車屋(買取屋が兼ねてる中古車屋も含め)でも騙しのテクニックは使われているので、ネームバリューやJU加盟等も参考程度の指標に過ぎない。カーセンサーとかに掲載しているかどうかも同じである。
なぜなら真面目に善良な利益で商売してる車屋なら、急成長なんて出来ない。
急成長には莫大な現金が必要で、そんなに儲けられるってことは、客から必要以上に金を貰ってるからに他ならない。
手法の1つとして、店側が車両購入の契約の段になって、コーティングしないと売らないと言い出し、馬鹿みたいに高額な項目となっているケース。
しかもこのコーティングは大変粗悪で、費用はほぼ利益となり、ぼろ儲けという仕組みらしい。
それでもコーティングしてないわけではないので、罪には問えないのだそうである。
他にも購入後の車検で不必要な整備で40万とか請求されたうえ、実際は整備すらやってなかったケースもあると聞く。
中古車屋の闇は深く広い。

話がそれた。

さて、今回買った店は自分から修理項目と整備項目について説明し始めた。
まずはプライスボードで示された金額の中で行われる修理や整備の項目を聞いていく。
次に、私は安心して乗りたいからお金払うのできちんと整備した状態で乗り始めたいと伝え、同型同年式車両で良く直す部品、走行距離や年式的に変えた方が良い部品や消耗品などを積み上げていった。
最後は購入する車両個体に限った補修個所として、汚れや破損個所などを確認して処置を決める。
そうして追加整備に関しては改めて取捨選択した後、支払総費用を洗い出した。
新品タイヤへの交換費用は含むが、カーナビの取り付けや電源取り出しは自分でやるから含まない、等である。
最後に前金の額を決め、注文書に支払済と記載頂き、カーボンコピーの正副を店と自分で1通ずつ持った。
ここまでで私はくたくたになって、それじゃあと店を辞してしまったのである。


翌日。
重大な交渉漏れに気が付いた。
納車最終期日を設定していなかったのである。
何度聞いても結論に至る前に話がそれて聞き出せなかったし、注文書にも書いてもらってないと気づいたが後の祭り。

そう。

このミスのせいで、注文日から納車まで、私は実に4週間以上待つことになった。
大体2週間くらい見ておいてくださいと言われていたにもかかわらず、である。
期限設定しなかったがゆえに、いつまでも音沙汰の無い車屋からの連絡を待つ日々となったのである。
仕方なくこちらから問い合わせたが、回答は回を重ねるごとに矛盾と曖昧さが目立っていった。

詳細は省くが、納車日には
「何か・・言ってない事はありませんかね?」
と、眼鏡を光らせながら半日ほど問いつめたかったのだけれど、期限設定しなかった自分が悪いのだと思って止めた。

これだけでも私としてはお腹一杯だったんだけど、さらに話は続くのである。



納車の翌日、私は車屋とは別の自動車整備工場にパジェロミニを入れていた。
クラクションを取り付けてもらうためである。

こんな古い時代から変わらない問題が、国産車のクラクション音のしょぼさである。
ちょっとはコストかけろよと思うくらい、軽薄で耳に心地悪い音である。明らかに喧嘩売ってる音だ。
さらに、そのクラクションの取り付け位置は、パジェロミニの場合フロントグリルとラジエターコアの間。
フロントグリルはバンパーとグリルガードを外さないと外れない。
そのバンパーのボルトは真っ赤に錆びている、という素人お断りのハイレベル作業である。
車屋に頼もうとしたらさらに1週間納期延びますよと言われたのでこちらに頼んだのである。
6000円で2~3時間もあれば・・という提示が本当にありがたかった。

この工場は過去にも何度か付き合いがあり、毎回納得のいく仕事をしてくれていた。
なので、念の為、本当に念の為、24か月点検レベルの点検をお願いした。
納車を待つ4週間の進捗確認の際に車屋への疑念が生じたことも否定はしないが、どちらかというと別のプロの目で見て大丈夫という太鼓判が欲しかったのである。
点検代7000円が杞憂だったらそれでいいと。


しかし、悲しい事に、現実は冷たかった。


修理歴ナシとされていたが、その根拠となった車に積んであった記録簿は、別の車体番号が記されていた。
さらにはフロント片側で「潰れたのを、引き出して、叩きだした板金跡」が見つかった。
「修理歴とするかは微妙だけど、私なら言うよ。あぁ、車屋なら絶対分かるよ」と工場長からは言われた。

更にエンジンガスケットからミッションまでエンジンオイルが漏れており、ミッションケースが真っ黒だったらしい。
エンジンオイル、ミッション、デフオイルは交換を依頼してるので見てないはずがない。
工場長いわく、エンジンルーム内で結構拭き取った形跡があるので、ガスケット交換したくなかったんだろうね、と。
工場長ならどうしますと聞いたら、
「普通の車検整備でしょ?連絡して対処法を相談するよ。汚れるし漏れが拡大したら危ないだろ?」と。
ですよね。
電動ファン、ウォーターポンプ、タイミングベルト、ファンベルト、テンショナー、プラグ等に至るまで交換してもらってるのだから、ガスケットで漏れがあるなら一言相談してほしかった。

他にもクーラントのアッパーホースは替えてるのにロワホースは替えてないとか、リアブレーキは分解整備した形跡すら無いとか、車幅灯の球切れ、発煙筒の期限切れ、樹脂外装のいくつかが取り付けの爪が全部割れてただ乗ってるだけ、ホイール固定用のボルトが錆びて回しにくい等、まぁ出るわ出るわ。
工場長の気の毒そうに説明する顔が却って心をえぐるえぐる。

結果的には指定した部品は交換されていたが、こんなん見たら分かるだろってものでも言ってない所は何一つしていない状態だったらしい。
工場長が途中で電話かけてきて、もーちょっと時間頂戴と言ってきた時に嫌な予感はしたんだけど、これほどとは思わなかった。

工場長が点検で見つかった問題を一通り処置してくれ、部品洗浄や錆取り、クラッチミートの調整等の細かい事もあれこれしてくれた。
そのうえで、エンジンオイル漏れについては本来はガスケット交換だが、量が少ないのでワコーズの漏れ止め剤入れて様子見するかと提案してくれたので、元々予定していたフューエルワンと合わせて投入した。
結局2万かかったが、なにより整備後に周辺を試乗してきた工場長が、頷きながらこれで大丈夫だよ、あとは様子見ていこうやと言ってくれたので、支払った金額以上の価値が私にはあった。
板金個所の運転への影響は工場長いわく、見た目よりは少ないし、割とまともなんじゃない?と。
どれだけ酷い仕上がりなのだろう・・・
車屋の評価については、ここで名前を明かさない程度、である。
糾弾もしないし、勧めもしない、今のままなら今後の付き合いを避けて、フェードアウトしていく感じ。

こうしてようやく、車が私の家に来たのである。
なお、乗っかってるだけと指摘された部品の1つは家に帰るまでの間に旅立っていった。



結論。


とにかく信頼できる整備工場を見つけ、普段から付き合っておこう。



本当にこれに尽きる。
医者と一緒です。

こういう時の注意ですが、もしメーカー系ディーラーに駆け込むと一切合切アッセンブリ交換と言われ、簡単にウン十万の請求に発展します。
もう少し言えば、国産メーカーのディーラー整備士さんはあんまり修理に詳しくない人が多い。
儲けようというよりアッセンブリ交換しかしたことない感じ。
これは三菱に限らず、トヨタもそう。

逆にボルボやBMW、イタ車系のディーラーメカニックはメインコンピュータの半田浮きくらい今直しちゃいますねと言って速攻分解整備してくれる上級者が多い。

それだけ故障が多い証拠ともいえるけどね・・・


素人が頑張って交渉しても、結局こんなもんです。
皆様が良いカーライフを送れますように(願)

Posted at 2021/07/18 23:45:32 | コメント(0) | トラックバック(0) | パジェロミニ | 日記
2021年07月18日 イイね!

24年前に作られた軽自動車を買うという事(序)

いつからだろう。

車で買い物に行くことが「何の感動もない作業」になったのは。

いつからだろう。

運転をすると、時に苦痛を感じるようになったのは。

いつからだろう。

ハンドルを握りながら、暇を感じるようになったのは。




18の時、免許を取った。当時はまだ、

「男でAT限定免許なんて・・」

というのが常識だったので、特に考えずMT免許を取った。
緊張しすぎて仮免で落ちて合宿仲間の卒業を見送ったのは黒歴史の1コマである。

それはともかく、免許取りたての頃は短時間でも車で走るのが好きだった。

友達を駅まで送っていくのも、
市中を回り道しながら走るのも、
スキー場へ続くボコボコの雪道を走るのも、

とにかく楽しかった。
車なんて買えないから、レンタカーだったり、友達の親の車だったり、様々な車に乗った。



しばらく時は流れ、自分で車を持つようになった。

スイフトを買う前、3台続けて3ナンバーサイズの車に乗っていた。
三菱GDIギャラン、ボルボS80、BMW525i。
なにもボルボだけでなく、上にあげた3台では割と走る際に苦労していた。
3ナンバーボディは家族がゆったり座れる広い室内だった。トランクも大きかった。
ただ、日本の道で3ナンバー車を走らせるのは苦労を要するのだ。
それがスイフトという、5ナンバー枠に入る車を買った理由だった。



そして現在。
月に数回、食料等を郊外の店へ買い出しに行くとき。
ナビを設定し、アクセルを踏むと、景色が流れていく。
頭の中で「右に歩行者」とか「対向車はみでてる」とか、発見と処置を無意識に、淡々と処理していると目的地に着く。
さて、買うものは・・とか言いながらドアのロックボタンを押す。
それだけである。
それが片道100kmの旅行先でも、高速を使うか、景色の良し悪しは別だが、運転への印象は変わらない。
それだけになってしまったのである。

スイフトはコンパクトカーだが、それでも100km出しても怖くもなんともない。まだ余裕さえある。
静かに滑るように走る。きちんと反応する。そうなるよう手を入れてきたから。
年を取るにつれ経験を重ね、タイヤ1つにしても好みを選んで買うようになった。
燃費なども含めて十二分に納得するレベルである。
でも、前が空いた時、多少アクセルを多めに踏んでスリルでも作らないと暇で仕方ない。
自分が探した抜け道より、最短ルート設定のナビの方が早く着く。
細心の注意を払ってアクセルワークをするより、クルーズコントロールの方が燃費がいい。


 言われたとおりに操作してください。


車からやんわりそんな事を言われる感じ。
自動運転が実用化されたら行き帰りは確実に任せるよなあ、運転は現地だけでいいやとか思ってしまう。

燃費と効率、体への無駄な負担を排除していった結果、運転しているのに、することがなくて暇だと脳が訴えるようになってしまったのだ。





話は変わるが、私はスズキのジムニーを羨ましいと思う。
なんというか、自信満々というか、堂々と走っているように思う。
いや、オーナーが、ではなく、車が、である。
走り抜けてきた誇りというか、不思議と古い型ほど、ノーマルであるほど、傷だらけであるほどそう思える。

今はJB64という素晴らしく滑らかに走りながらもクロカン性能も上がった最新型があり、発売以来未だに購入には1年以上待たされ、中古車はもれなくプレミア価格がついている。
今のご時世にプレミアは凄いと思う。
スズキは本当に商品作りが上手い。
ZC72スイフトのシンプルなガソリン車は雑味がない。初代XSも最終型RSも変わらない。
アイドリングストップもデュアルジェットもないが、運転に素直に応えてくれる。
技術陣がちゃんとコンセプトに対してテクノロジーを揃えているからだろう。ちぐはぐさがない。

で、その現行型ジムニーが出る前、旧型であるJB23は1998年から2018年まで作られた。
1車種がマイナーチェンジを繰り返しながら20年も作られるって他にあるだろうか?
確か設計コストを回収するから長く作ると言っていたマーチでさえ10年サイクルだったはずだ。
そして最終型までちゃんと人気があったのである。

ただ、私はどうしても買えなかった。
ハンコを押す踏ん切りがつかなかった。

ジムニー自体は何度も試乗していた。
スイフトの車検中に代車で借りて遠方に旅行も行ったし、短時間の判断では決してない。
ゆえに、必ずこの結論になる。


私では本格クロカンは持て余す。



フラットダートは走る・・だろう・・かもしれない。


川?眺めるものでしょ?


岩場?車で行けるわけないじゃない。


そんな私である。

それらの踏破を可能とするのが、特に最上級のクロカンとされるジムニーの本領である。
最上級はランクルやレンジローバーだろと思うかもしれないが、それらはデザートリムジンである。
アラブの王族が砂漠を時速160kmでぶっ飛ばし、日が暮れるまで砂丘を上り下りするための車である。
粉のように細かい砂にどれほど埋もれても必ず自力で出られる。
特にランクルは氷点下数十度の砂漠の夜でも故障することすらない。
デカくてもいい。王族が快適に過ごせればいい。

そういう付加価値を顧みず、純粋にクロカンを追い求めたのが軽ジムニーである。
燃費が10を超えるのは何かの吉兆だろう。
一般道のうねりを制限速度内で超えたとしても首がどうかしそうになるくらい跳ねるのは仕様だ。
それでも。
細い林道でも、川でも、道ですらない岩場でも、普通の車ならJAFを呼ぶ深雪地でも。
ジムニーはゆっくりゆっくり、決して立ち往生せずに進んでいく。超えていく。走り抜けていく。
横転したら起こせばいい。ガラスが割れようがボディが凹もうが走行に支障はない。
絶対に目的地まで送り届ける。故障は目的地に着いた後で直せ。部品はいくらでもある。
それがジムニーの流儀だ。

だからこそ、私は持て余す。
得られるメリットを使いきれず、デメリットは常にまともに食らう。

だからこそ、ため息をついてカタログを閉じてきたのである。


そんな私がこの子に出会ったのは、こんな風景だった。


馬鹿みたいに広い空の下、なんとなく立ち寄った中古車屋のストックヤードを歩いてると、目が合った。

軽自動車という日本独自の規格は1949年に始まり、すでに半世紀以上存在する。
この子は旧規格、つまり現在の軽規格より1世代前の物だ。
全長329cm、全幅139cm、身長もとい全高163cm。
ちなみに現在の軽自動車は
全長339cm、全幅147cm、全高183cmなんてのもある。

明らかに全部一回り小さい。
なお、当時の軽自動車は高速道路でも最高速度は80kmだった。
(現在は普通車と同じ100km)

だから軽自動車の多いストックヤードの中でも「ちんまい」のである。

初代パジェロミニ。
出た当時からスタイルに惚れ、何度も気になった車だった。
四角目でスマートになった2代目より、こっちの初代が好きだった。
しかしカタログを貰って驚いたのは、何もかも別売りオプションだったことだ。
フォグランプはおろか、ABSやリモコンドアロックすらオプションといえば分かるだろうか。
カタログに載ってる写真のような姿にするためには、莫大なオプションを取り付けてやる必要がある。
そのため簡単に新車総額が200万を超えてしまう。

さらにいえば、この車はとにかくジムニーと比較された。
そしてジムニーよりクロカン性能が劣る事を指摘され、格下、劣る車と揶揄された。
今もジムニー乗りの多くの人はそう思っているだろう。

さらには同じパジェロミニ同士でも、ターボモデルは1気筒辺り狂気の5バルブを備えた超高回転型エンジンで、インタークーラーターボが機能し始めるとすっ飛んでいく加速番長仕様であった。
新車当時も圧倒的にターボモデルの方が人気があった。
当時の軽自動車ではターボこそ正義だったのだ。

ゆえにごく常識的な仕様の自然吸気モデルは

 「後ろから蹴っ飛ばしたくなるくらい遅い」

などと言われた。
さらにはATが3速しかないうえにコンピューターが脆弱だったこともあり、

 「ATどれだけ壊れるの」
 「もうかんべんして」

そんなコメントが並んでいたし、そのレスには

 「だからジムニー買えとあれほど」
 
とついていたのである。

ゆえに購入の選択肢にはならなかった。

しかし、さすがに初代はあまり見ないけれど、2代目は今現在でもよく見かける。
2代目がひっそり生産終了したのは2011年の事だから、もう10年たつのに、である。
運転するのは老若男女問わないし、おばちゃんも結構運転してる。
ジムニーはほぼ100%男性、それも若者か中年までである。
ばぁちゃんがJA22のジムニーを運転してるのを、少なくともこの1年見たことはない。

話を戻そう。

この子はタイトルにも書いたけれど、製造から24年たっている。
つまり1997年式。
ハイマウントストップランプすらない時代の1台。
リモコンドアロックもABSもない。一方でチョークが必要なほど古い訳でもない。
ECI-MULTIと呼ばれるマルチポイントインジェクションを積む、1気筒当たり4バルブというごく普通の4気筒52馬力エンジン。
だが、小柄な割に軽量化の概念すらなく、総重量は1.1トンに達する。
排気量で換算すれば2トンになったスイフトだ。燃費がいい訳がない。
実際、ドアやボンネットを閉じる時の音は、自動車というよりトラックというか建設機械のそれである。

その時思いだしたのが、初代パジェロである。

三菱が作った、「荒天でも快適に過ごせるようにしたジープ」
生い立ちがジープゆえ、非常にシンプルな構造で、必要最低限の装備である。
ゆえに修理が簡単で、今も東南アジアや東欧、ロシア等で走っているらしい。

その初代パジェロの軽自動車版といわれると色々腑に落ちる。
ドアも、リアゲートも、ボンネットも、閉めればガチンと丈夫な鉄が合わさる音がするのもジープベースならそういうもの。
なお、ジムニーはこれよりさらに凄い音がする。
同年代のジムニーはJA22になるが、内装も鉄板むき出しだったりする。
ガチでバン(商用車)登録だし。(パジェロミニは普通車登録)
燃費がNAでさえ10を上回るかどうか怪しいというのも、初代パジェロ本家の5km代に比べれば、である。
燃費が悪い事に変わりはないのだが、初代パジェロよりは現実問題として維持していける。
古いがゆえに自動車税は最高ランクとなり、年間12900円だ。
悲しい事に、それでも5年目スイフト(34500円)の約1/3である。
自動車保険もスイフトより安かったりする。
なお、高速代も有料道路も軽自動車料金。
駐車場も軽自動車枠に悠々止められる。
あぁ、普通車と軽自動車の差よ。

価格的にもさすがに24年落ちなら50万くらいで乗り出せる。
※中古車は諸費用とそれなりの消耗品交換と整備をするなら20万くらい車両本体に足さねばならない。
しかし、不安も多い。
今まで所有した最長老は11年落ちのBMW318i。
たった1年半の間にこれでもかというくらい壊れまくった。
純正部品の新品が箱に入った状態で故障していて、ディーラーが平然とそれを渡した時は本気でショールームでブチ切れた。
最初からエアコンは動いてなかった。冬に買ったから気づかなかった。
ボルトは簡単にねじ切れ、修理すれば修理してない所から水やオイルが漏れ、ウォーターポンプは腐食して崩れていた。
毎週修理屋に通い、補修部品を買いながら預金通帳を見て溜息をつくのは悪夢だった。
最後は車検見積もりで故障腐食のオンパレードで100万以上かかると言われ、詰んだ。
雪国で走った車の現状販売というものの恐ろしさを学んだ1台だった。

24年経ったパジェロミニは、どうなのだろう。
普通に考えれば上記以上の悪夢が待っていそうである。
販売店いわく、まだサードパーティを含めれば部品は出るらしい。
間違いない事実は、買うなら人生で最後の機会だろうということ。
軽々しくチャンスとは言わない。
安心という意味なら、150万くらい払って2代目の高年式をトヨタ系ディーラー等で購入し、2年保証つけてもらう方が良いに決まってる。
しかし、私は初代の方が好きなのである。
そもそも50万と150万は次元の違う話だ。

余談だが、ジムニーは当然として、他にも実は指名買いされる軽自動車は存在する。
パジェロミニ、初代ミラジーノ、ネイキッドなんかが良い例である。
1/1スケールの、自分が乗れる、公道を走れるおもちゃとして趣味車の地位を勝ち取った車達だ。
ミラジーノは機械的にはミラなので、安く直せて維持しやすいオールドミニという認識らしい。
確かに今からオールドミニ(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション製のミニ)を買うのはひと財産使う覚悟がいる。部品取り車と専用のガレージ、アストロの工具フルセットが最低限要るだろう。
私が初代パジェロを買うどころじゃない敷居の高さである。

そんな話を横耳に聞き、頭の中で現状把握と算段を重ねながら、この子を触ること15分。
口をついて出た言葉は、自分でも意外だった。


「買います。整備内容の話を詰めましょう」
「買い替えですか?」
「いえ、増車で」


さすがに24年前のクラシックカーに片足突っ込んでる軽自動車にメインカーの役目を担わせるほど無謀ではなかったのである。
スイフトの車検は今年10月。
梅雨と夏は一番車にとって過酷な季節。夏の終わりには何らかの結論が出るだろう。
あまりの故障続きで早々に手放すか、共存か。
まさかパジェロミニ一本化は無いだろうが・・
Posted at 2021/07/18 17:35:33 | コメント(0) | トラックバック(0) | パジェロミニ | 日記

プロフィール

「あのうっとうしい「推奨レベルを超えるまで音量を上げますか?」というメッセージとサヨナラする方法 http://cvw.jp/b/161516/48488445/
何シテル?   06/15 21:20
BMW318、ギャラン、ボルボS80、アベンシス、BMW525、そして現在のスイフトと乗ってきました。 セダン好きと言い切っていたのですが、スイフトの性能と使...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

掲示板

<< 2021/7 >>

    123
45678910
11121314151617
18 19 202122 2324
25 2627 28 293031

愛車一覧

スズキ スイフト スズキ スイフト
現在の所有車です。 前回のXSは1型(初期型)、今回のRSは3型(最終型)になります。 ...
三菱 パジェロミニ 三菱 パジェロミニ
24年落ち、12万5千キロ走行した中古車として購入。 もはやクラシックカーの域である。 ...
スズキ スイフト スズキ スイフト
2016年10月まで約5年所有しました。 素の性能が良いので、細かい所だけ手を入れてまし ...
BMW 5シリーズ セダン BMW 5シリーズ セダン
5シリーズです。 E39の最終型(03年式)で、当然中古車です。 Mもハイラインもない本 ...

過去のブログ

2025年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2022年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2017年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2012年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2009年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2008年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2007年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2006年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2005年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation