
前回、道路の事を扱った
洗い越しの記事が好評でした。
ブログで初めてイイネが100を超えました。ありがとうございました。
今回も皆さんの意外と
興味のないご存知ではない道路のふしぎをご紹介していきたいと思います。
今回のテーマは、坂道について取り上げたいと思います。
皆さんは、坂道を通行する時にこんな標識を見かけた事があるかと思います。
※北茨城市の小山ダム付近
「
下りの勾配が9%ある」という警戒標識で、本名を「
下り急勾配あり(212の4)」というものです。
もちろん、上りもあります。
この9%という数字はどの程度の坂道を指しているのでしょうか。
水平距離分の垂直距離を百分率で表していますので、
1%とは100mで1mの勾配が発生する事を指します。
単位を細かくするならば1mで1cmですね。
つまり、この写真の場合なら
100mで9m下がるくらいの下り勾配となっている訳です。
ちなみに鉄道の場合は坂道に対する耐性が低いので単位が小さく、勾配を千分率の「〇‰(パーミル)」で表します。
1‰=0.1%ですね。1,000mで1mの勾配が1‰です。
首都高3号渋谷線の池尻付近。
3%の上り勾配により、自動車の速度が落ちて渋滞してしまいます。
同じく上り勾配による渋滞で有名な東名高速道路の大和トンネル付近は
2%の上がり勾配となっています
。
このわずかな勾配でも、自動車の速度に大きな影響を与える重要な数字となります。
道路はその規模によって、道路につけられる勾配に制限がついています。
細かい数字は省きますが、簡単に言えば都市部の高規格道路ほど厳しく、田舎の一般道ほど緩くなります。
話が逸れましたが、9%勾配の現場写真です。
そこそこきつい坂道に見えるでしょうか。
勾配は解りましたが、角度はどのくらいあるでしょうか。
三角定規を思い出しますと、恐らく30度くらいはあるでしょうか。
実際は
9%という勾配は、角度で言えば5.1度しかありません。
30度というと、
苗場スキー場の上級者用スロラームコース並みの傾斜面となります。勾配で言うと58%弱となります。
「これは45度はあるぞ」なんて思うきつい坂道でも、実際の角度でいうとそうでもありません。
45度という角度になると、階段が無ければ登るのは難しいレベルです。
では、勾配の標識はどの程度の数字を指す事があるのでしょうか。
警戒標識は
道路管理者が必要があると判断した場合に設置され、必ずしも設置されるものではありません。
統計は解りませんが、一般的には7~14%程度の坂道を強調する事が多いように思います。
15%を超えてくるケースは稀です。
中にはぶっ飛んだ数字が書いてあるケースもあります。
20%を超えるあたりから標識マニアからの注目度が高くなり、現在、日本で最も大きな数字は37%であるようです。
山の中にあると想像しがちですが、これらの急勾配の殆どは市街地に存在します。
どんな勾配なのか、わたし、気になります!
という事で、30mm下げの86で行ってきました。
現場は神奈川県相模原市の上鶴間です。
東京都町田市の南町田に隣接しています。
南町田のココスでえろぽんさんとキャンにゃんさんとバイキングした覚えが…。
関東指折りの28%勾配です。
元々32%表記の標識でしたが、線形改良か測量修正が行われ28%にシールで張り替えられています。
32%という数字は日本一急な勾配標識とされていた時期があるくらいの物で、一時期話題になっていた時期もあるそうですよ。
(2017年現在は、東大和市に37%の標識があるそうです)
ちなみに
クソ勾配ですが生活道路として住民に重用されていますので、車で長居は出来ませんでした。周りは住宅の敷地ばかりで一時駐車も難しそうです。
迷惑をかけるのはご法度なので、手短に済ませましょう。
※標識以下の2枚の坂道の写真はマッキータウンぶろぐ様よりお借りしました。
この坂、どうなっているかというと……。
坂の中腹を過ぎた付近で一番急勾配になります。
登りから中腹で左折するミッションはさすがに死んでしまいますので行いません。
横から見ると、勾配がわかりやすいですね。
〇の滑り止めが終わったアスファルト部分からやや緩やかになります。
では、86で下ってみましょう。
ちなみに頂上側にしか勾配標識はありません。
途中、車から降りて撮影する私を、通行人の方々は奇異の目で見られていた事を覚えています。
この写真だと緩やかに見えますが、実際は上の写真のような角度となっています。
リップのクリアランスが一番厳しいと思う場所で撮影しました。
擦らないか擦るかの、変な汗が出るあたりのエキサイティングな感じになります。
EZ LIPが接地し、尊い犠牲になりました。
最近は、EZ LIPを痛めつけるためにブログを書いている気もします。
速度は1~2kmで侵入し、無事腹下は擦らずに降りる事が出来ました。
速度があると、サスが動いて悲惨な結果になる恐れが十分あります。
当たり前ですが
洗い越しの時と同じく、この手の車が通るべき道ではありません。
とは言っても、ここが日本有数の急勾配であるというのは
警戒標識に勾配が書いてある場所での話に限ります。
前述のように、警戒標識は道路管理者が必要と判断した場所にだけ設置されます。山を削って造成した住宅街や私道には、警戒標識がないだけで急勾配の坂道は多くあります。
例えば、町田市の玉川学園は山を削って出来た町で、お年寄りや足の不自由な方にはひたすら厳しい坂の町です。
過去に通勤と通学で使っていましたが、この28%の坂道よりも急な坂が多くあると感じます。
また、急勾配になっていても、住宅街の中は車の通行を考えて、始めと終わりに緩やかな坂を組み合わせる等して車が擦りにくいような工夫がなされている場合もあります。
※北茨城市の水沼ダム付近の駐車場。恐らく30前後の勾配ですが、相模原市のそれと違い水平⇒急勾配となっているので進入するだけで下を擦ります。
昔、進入しようとしてバキバキ言ったのでそれ以来降りようと思ったことはありません(笑)
ちなみに、ダイハツのCMで有名な「べた踏み坂」こと江島大橋ですが、勾配は5~6%程だそうで、横から見ると割と緩やかです。一見すごそうな坂に見えるけれども実際はそこまでべた踏みしなくて良いようです。
(そりゃ、こんな立派な橋を作って急勾配だったら困るよね…)
また、酷道で有名な308号線、いわゆる暗峠は勾配が最大31%と言われていますが、その勾配のまま螺旋を描くようにカーブしているため、実際に走ると相模原市の28%よりかなりきついと思われます。
(画像wikiより)
坂道の魅力、いかがでしょうか。
もしも坂道を通る時に少し興味を持ってみて頂くと、いつもの道も新鮮に見えるかも知れません。
坂道が好きな方は、腕(脚?)に自信のある自転車乗りの方、道路/標識マニアの方が多いようで、車好きの方には少ないようです。
私は嫌いです!