
前置きとして
この記事は演出の為に、多少の誇張や、不快な表現が記載されている恐れがあります。
半分フィクションです。
タイトルに関連する写真がないので、文字中心のネタです。
私は他人のレポを見るのは好きです。興味がありましたら、ご覧下さい。
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某月某所
ある車仲間に声をかけられた。
「シシィさん、婚活パーティいかないスか?」
こう切り出して誘ってくれたY氏は、私と同世代で、私の住んでいる市の隣に住んでいる。
Y氏はごく普通の好青年(30代は青年だよね?)で、SNSでオフ会の声かけをすれば、自然と人が集う人気者だ。
「俺、覚悟を決めたんで。お金がかかる事だし、無理強いはしませんよ。」
と、優しい配慮を添えてくれた。
婚活パーティ…。
それは合コンよりも相当重みのある、男女の集い。
名前の通り、一生付き合うパートナーを探す事を前提にした集まりであり、遊びじゃない。
「次行く廃道は長野」とか「茨城ツーリングの場所、もうネタがない…」とか考えている私が参加しても良い場所なのだろうか。
私はY氏に考える時間をもらう事にした。
私もY氏も、婚活パーティは一度も参加した事がない。
Y氏だって、1人で参加するのは心細いだろう。
せっかく恥を忍んで誘ってもらった縁。
そして、こうした縁がなければ、私も婚活パーティに参加する機会はないだろう。
開催の一か月前に誘いを受けたのに、返事をしたのは前日。
迷いすぎだろ。
そのくらい、迷っていた。
その返事は、YESである。
とりあえず、参加してみる事に決めた。
そんなに構えなくてもいいだろうと。
まず、Y氏は一緒に参加してくれて嬉しいという事を述べた。
やはり一人で参加するのは心細かったのだ。
改めて、婚活パーティの内容を確認する。
婚活パーティを主催するのはE社という企業で、婚活パーティ業界では大手の様。
Y氏の周りは、このE社の主催する婚活パーティで伴侶を得た方が何人かいるらしい。
某日の夕方、茨城県某所のビジネスホテルで行われるという事だった。
参加者は[26歳から38歳]という制限があり、男性は年収や学歴のいずれかの条件を満たす事となっている。
参加費用は、男性5,000円。女性500円。
…んん?女性500円??
生涯の伴侶を探すには、いささか安すぎるのではないか……。合コンより気軽なのでは?
あまり安いと、真剣ではない冷やかしも多くなるのではないだろうか。
あと、私はお酒は嗜まないが、そういう場所ではないのだろうか。
少しばかり疑問が生じたが、何分初めて参加する事なので、どれが婚活パーティの常識で相場か分からない。
事前に調べてみたが、地方や集まる趣旨によってだいぶ違うようだ。
E社の婚活パーティは評判が良くないようだったが、レビューは大抵悪い事を書きたくなるものだと思うので、大手ゆえの事だろうと思う事にした。
E社のサイトには、婚活パーティの流れが書いてあるので、簡単に記載する。
①男女でプロフィールカードをドロー見せ合い、3分間会話する。
↓
②一巡したら、気になる異性のナンバーを記入する。メッセージを書く事も出来る。
↓
③もう一度、①を繰り返す。
↓
④気になる異性を希望順に記載し、カップル成立したら発表する。
という具合だ。
ここで肝になるのが、プロフィールカードである。
見せあう事で、自己紹介をしつつ、相手の事を知る事が出来る画期的なアイテム。
逆に言うと、これが埋まってなければ、わずか3分の会話で必要な情報を得るのは難しいし、知ってもらおうという気がないと思われるだろう。
実際に、E社の例を添付する。
…このような事を記入するが、項目が多いが会場で書かなくてはいけないので、事前に予習する必要がある。
私は[自分の性格、おすすめの店、好きな映画、好きな音楽、好きなテレビ番組、カップルで行きたい場所、好きな食べ物・嫌いな食べ物、好きなタイプ]を埋めるのにかなり苦戦した。
というか、Y氏に聞いて埋めた。
埋め切れない所は「特になし」にした。
趣味は[ドライブ、ツーリング、車いじり、カラオケ、アニメ・マンガ、廃道・廃墟巡り]にした。
アニメとマンガは最近のは詳しくないが、昨今のサブカル時代、話題は手広い方が良いだろうと思った。
廃道・廃墟巡りは完全にマイナスである。旅行が好き、とでもしておけば良いのだろうが、初対面の相手が見るとどう反応するだろうという興味があった。
相手の趣味欄に書いてあったら、私は「この人、変わってんなー😅」だな。
当日、待ち合わせし、Y氏の車で会場のビジネスホテルに向かう。
私もよく知っている車だが、だいぶ乗り心地が良いように感じた。
やはり後期型は良い。
道中、向かうまでにY氏と色々と話すが、目的地に近づくと、かなり緊張した。
目的のビジネスホテルに到着した。
外から覗き込むが、一般のフロントと利用客がやり取りしている様子しか見られない。
意を決し、フロントの女性に、E社のイベント会場はどこかと聞いた。
「あちらの奥にある、明かりのついたお部屋です。」
Y氏とその部屋に向かった。
その部屋は
※写真は実際のものではなく、イメージです。
完全な、ビジネスホテルの会議室あるいは研修室であり、殺風景な空間だった。
部屋の片隅に、E社の女性社員と思しき人物がおり、ラジカセでそれっぽいBGMをかけている。
まず受付を行い、本人確認と参加費用を支払う。
いかにもゴミになりそうな冊子やチラシを挟んだバインダーを受け取り、指定された席に着く。
その場で棄てられる事が多いのか、きちんと持ち帰るように念を押される。
席には番号の書いてあるバッヂがある。これを付け、名前ではなく番号で相手を覚える。
多少面食らったが、とりあえずもらったプロフィールカードを一生懸命埋める。
やがて、ぼちぼちと人が集まってくる。
男性陣は、背がやたら高い者や場慣れた感じの者もいた。
10人程度いるだろうか。車のオフ会にもいそうな、普通の男性達だ。
女性陣は、8人程のナンバーが机の上にあったが、受付の女性司会より「ドタキャンが複数あった」として、ナンバーを回収していった結果、参加者は3人であった。
待て。本当にそいつらは最初から参加する予定だったのか?
そして
会場には、飲食物は一切ない。
お茶すらない。
会議室に男女比10対3で、お茶も菓子も一切なく、参加費用5,000円(女性は500円)。
これは適正なのか?(というか許されるのか?)
私は漠然と、婚活パーティというと
[10対10くらいで、ホテルの宴会場的なちょっと雰囲気の良い場所で、異性と会話と飲食を楽しみながら交流を深める]的な先入観があった。
※画像は婚活サイトから、イメージを勝手に添付した。
だって、皆さん、パーティですよ、名前。婚 活 パ ー テ ィ。
華やかで賑やかな催し物を、パーティと呼ぶのではないか。
これはまるで研修だ。
そう、婚活研修。
窓もない、狭い会議室で行われる研修である。
とは言え、それは私の勝手な先入観である。
そういう華やかな場では落ち着いて話せない事もあるだろうし、じっくり話すにはこういう場が良いのかもしれない。
しかし、これで男性5,000円は妥当なのだろうか。甚だ疑問である。
遅刻して女性1名が入室し、さらにかなり遅刻してもう1人が入室し、10対5の婚活研修パーティの始まりである。
流れとしては、女性は席を動かず、男性が席を順にずらして移動していき、一巡するまで行うという。
これを2セット行う。
始まったものの、女性が少ないので
男性は暇な時間が多い。その為、私の前後の順番の男性の会話が聞けるのだが、前後の男性ともこういう場に慣れているようで、会話の切り出し方がスムーズだ。
逆に女性は、飲み物もなく、ずっと男性と話さなければならないので気の毒だった。
率直に、面接お話した女性の感想を記載する。
ナンバー①
最初にプロフィールカードを交換して話した女性。
36歳という事だったが、やたら落ち着きがなく、幼いような印象。
突っ伏して机に寝ながらプロフィールカードを書いたりしており、だらしない印象が目立った。
趣味はカメラというが、散歩中にスマホで風景を撮影するという事だった。
子供あり。
ナンバー②
背が高い女性で、プロフィールカードに172cmと書いてあった。
36歳。
美人なタイプで、トークも面白かった。私の廃墟・廃道巡りを唯一拾った。
かなりの酒豪らしく、趣味は酒の飲み歩き。
子供あり。中学くらいのお子さんがいるらしい。
ナンバー③
遅刻気味でやってきた。
34歳。
韓国風メイク?な容姿で、ディズニーランドとか好きそうな感じに見えた。実際、好きらしい。
遅れ気味だったので、プロフィールカードに空白が多く、話を繋げられない。
私に興味がないのか、埋めてある私のプロフィールカードを見ても、向こうから何も話さないので無言の時間が長かった。
ナンバー④
30歳という事だったが、だいぶ年上に見えた。
プロフィールカードは氏名を書くはずだが、ハンドルネームのようにカタカナの名前を書いていた。
婚活パーティーの常連らしく、私の前の順番の、やたら場慣れた男と「前も会いましたよね」と会話してた。
ナンバー①の女性と友達らしい。
子供あり。
ナンバー⑤
一番遅刻してきた。33歳。
最初に書いたようにこの会話タイムは2巡するが、1巡目の時には居なかった。
愛らしい雰囲気で、受け答えも良い感じだった。
しかし、かなり遅刻してきたので、プロフィールカードの内容は名前と住んでる市以外空白な上、1巡目には居なかったので、殆ど何も情報が分からなかった。
こちらは一生懸命書いてるカードを見せているので、壁を感じた。
ちなみに、趣味ドライブ・ツーリング、車いじり、カラオケは1人も拾われる事は無かった。
アニメ漫画は拾いがあったが、趣味が全く合わずに気まずい思いをした。
1巡目で大分キテいたので、2巡目はスマホでインパクトブルーや廃墟廃道写真を見せて自慢した。
…感想として「お前が言うな」であるが、いまいち真剣さがないと感じた。
女性5人中3人が子持ち、1人不明というのもハードルが高い。
私もこの場で必ずパートナーを選ぶとは考えていなかったが、少なくとも私は真剣にプロフィールカードを書いたし、会話もしたつもりだ。
女性側は500円なら冷やかしだろうがドタキャンだろうが構わないだろうし、値段設定なりなんだろうな…。
やはり人間社会、本気度はある程度金額で現わさなければだめなのだろう。
そして、最終投票である。
気になる相手のナンバーをカードに記入し、司会の女性に渡す。
カップル成立を願う、運命の一瞬である。
私は、空白で提出した。
結果は、私の前の順番にいた場慣れた男と、ナンバー⑤の女性がカップル成立となった。
場慣れた男は、受付する時に数年前の参加費の支払いについて質問を受けていた。
恐らく、婚活パーティ常連で、ナンパの場所のように使っているのではないかと思う。
カップル発表後、拍手は一つも無い。
おめでとうの会話も全くない。
司会の女性社員の「退出して下さい」の号令で、会議室から速攻で退出する参加メンバー達。
その光景はまるで、研修が終わって脇目もふらず、速攻で直帰するサラリーマンやOLを彷彿とさせた。
そうか、やはりこれは研修だったんだな。
いや、研修の方がまだ一体感があって楽しい気がする。
これは一体何なのだ。
来る時には降っていなかった雨の降る中、Y氏の車まで走って戻る。
Y氏は、ワンチャンあるかとナンバー⑤の女性を書いて提出したという。
確かに、今回の5人の中から選ぶならナンバー⑤の女性が一番人気があったと思う。
帰りに丸亀製麵に寄り、反省会。
釜玉うどんに何かの天ぷらをチョイスしたものの、天ぷらの油がきつくて残した。
待ち合わせ場所まで送ってもらい、解散した。
以上で、婚活パーティ潜入レポを終わります。
皆さんに婚活パーティの楽しさが少しでも伝われば幸いです。