
画像は全て拾い物です。
去年の秋に試乗しました。
本当はISの素性を知りたかったのですが、改良モデルが出るタイミングで試乗車が無かったので近いモデルのRCを試乗に。
お陰様?で、縁のないクルマに試乗できて素直に嬉しかったですね。
乗り込む前に外観をしばし眺めます。
レクサスのデザインコンセプトはエルフィネスと呼ばれてましたっけ?
実物を観ていると、そのデザインコンセプトがスピンドルグリルも含めて熟れた感じに伺えます。
そんな印象で大方のデザインは良いと思います。
欲言えば、フロントオーバーハングを短縮しフロント部分を軽く見せリアオーバーハングは長くしリアをどっしり安定感あるものにしてくれたら…、FRらしさを体現出来ると思うのですが。プラットフォームの関係で無理なのでしょう(^_^;)
ですが幾つかの残念な点もあります。
ディテールがクドいのとキャビンデザインが特に…
ゴテゴテ感はレクサスに限らず最近のデザイントレンドなので仕方ないでしょう。
しかしキャビンデザインはその後のレクサスにも見られるので余計に気になります。
ルーフを低く上屋をコンパクトに見せる為でしょうけど、サイドウインドウ上端をルーフよりかなり低くした上でA&Cピラーの太さが逆ハの字の様になってます。
確かに、特定の角度から見ればデザイン目的は達成されてますが、それ以外の角度から見るとルーフがひしゃげている様に見えますね(^_^;)
車格を考えると目的を小手先のデザインで対処するのは違うかな? と思えます。
室内にもエルフィネスの拘りが導入されてますね。
外観の曲線に合わさる様にLの字を模したステッチが目に留まります。
この写真では見難いですが、シート背面のステッチも印象的です。
内装を外装に合わせるトータルコーデに拘りが感じられて素敵でした♪
ただ、事情とはいえ直線基調の無骨なISそのままのインパネはどうかと…
そこはプレミアムなクルマなので、外観に合わせるべく少しでも流麗に魅せる改良が欲しいところです。
乗り込むと、先ずはフロアが高い事に違和感を。着座位置が低くスポーツカーらしいシートポジションが更に印象を助長させます。
ローポジシートにして着座位置を下げるくらいなら、フロア高を下げるのが先だと思いますが…
従ってシートに収まっても、宙に浮いてる違和感を覚えて落ち着きません。
フロアが高い為、車高の割に室内高不足な事に追討ちをかけるように、前述したサイドウインドウ上端を下げた結果、サイドエアバッグの盛り上がり部分が側頭部に触れます。
側頭部にヒットするのは86も同じですが、車格と目的が異なりルーフも低い86ならまだ許せます…
実際に走行すると当然の如く側頭部を打ち付ける事に。
RCのイメージ像からするとコレは無いかな… 座高が90㎝超える人には無理です。
その他の部分は良く出来ていて、気になる事はありませんでした。
お陰でドライビングポジションに収まった感じは、豪華で高品質な宙に浮いてる86だな。
良くも悪くも血の繋がりを感じて感心しました。
昔からトヨタの車内空間造りの基準には疑問を感じます。
試乗に出ます。
エンジンは申し分ない出来映えですね♪
重いであろう車体を軽々とスムースかつ自然なパワーの立上りで加速させ、車内に聴かせてくれる甲高くシャープでスポーティにチューニングされたエンジン音。
この様な印象から、スムースかつシャープに吹き上がるエンジンと頭打ち感のないパワーの伸びが気持良いです♪
上品さを保ちつつコレだけ気分を盛り上げてくれるエンジンはなかなか無いです!
NAの良さが詰まった素晴らしいエンジンです♪
ただ、制御系に問題ありまして…
アクセル開度に対してスロットルがリニアに反応しません。
アクセル半開まではスロットルがまともに反応せず、それ以上踏み込むと思い出したかのように突然スロットルが開きます。
一時期のトヨタに有りがちセッティングですが、コレだけ豊かなパワーの持ち主ではスピードコントロールに手を焼きます。
ジェントルな発進と燃費を稼ぐためにアクセル半開程度まではスロットルを鈍感にし、それ以上のアクセル開度で急激にスロットルを開けてパワーを炸裂させ、スペック以上のパワー感を演出してユーザを満足させる。
大方そんな目的では?
この事からメーカーがユーザーを信用してない事が解ります。
トヨタが日本のユーザーの程度に見切りをつけている、そんな印象を受けます。
メーカーに見切りをつけられてしまうのも仕方のない事かと思える節も有りますが… ユーザーをそんな風にしてしまったのはメーカーにもある程度の責任は有るかと。
トロトロ渋滞を走る時と駆け抜ける時には問題ないですが、交通の流れに合わせスピード調整しながら巡航するには全く不向きです。
ハイパワー車だけに、アクセル調整に神経をすり減らし無駄な挙動変化とブレーキを繰り返す事に。
スマートではないですね。
こうなるとかえって高級車らしからぬ振舞いに陥ると思うのですけど…
コーナリング性能もエンジン同様に良いですね♪
街なかを流すだけでもシャシの剛性感を感じます。ちょっとやそっとじゃ何も起こらなさそうな安心感があります。
ステアリングをクイックにしサスのロール剛性も高くしてあるので、安定感を保ちつつボディの大きさを忘れさせる回頭性に唸ります。
走らせ甲斐がありそうな雰囲気ですね♪
欲を言えば、鼻先を軽くしてステアリングのフィーリングを良くしてくれたら…
現状のスポーティ感に加え上質感も得られるかと。
ただ、FF車を扱ってるようなフロントから感じるヨー変化に加え、パワステ作動時にモーター?の嫌な動きと何かが歪むような感触がステアリングから若干伝わってくるのが残念です。
コレではプレミアムカーならではの上質なタッチが感じられません。
乗り心地は引き締まった足回りにも関わらず良いですね!
コレにも驚きます…
と書くと基本的にシャシには問題が無さそうに思えますが、?な所もあります。
最も車格にそぐわないのは、轍の酷くない街中を赤信号で止まる様な負荷をかけない通常のブレーキでも、荷重が少しフロントに移った時点でゴムが潰れる様な感触を伴いながらステアリングが右に左にとられる事です。
良い乗り心地を得る為に、安易に柔らかいブッシュなどを多用しているのでしょうか?
車格を考えると違う方法、正当に本質的な方向で良好な乗り心地を追求すべきかと。こんな対処療法的な処置では他の面でボロが出ます。
安いクルマでは無いですし、走りでも高品質感を醸し出して欲しいな。
クルマ全体の印象として、凄く良いものを持ってるけど何か妙だな?
そんな感じを受けました。
スタイル、走り、乗り心地。
相関性を考慮せず、単純に点数を付ければ高得点は間違いないです。
しかし、このクラスを求める方は、目の肥えた、拘りをお持ちである方も多いかと思います。
そんな御三家にお乗りの方々を呼び込むには、上辺だけの良さだけでは足りないかと。
単純に点数だけではない、高品質感を人の感性に直接訴えてくるものが必須では…
乗り味だけで言えば、最近ではTNGA採用モデルやクラウン アスリートには不自然な走りのフィーリング無く、とても気持ち良く走れます。
点数だけではなく人の感性に沿った開発をされているのかと思います。
この違いは、車両開発の方向性を握る方。というか色んな意味を含めて決定権を持っている方次第という事でなのでしょうか?
こちらのメーカーさんには優秀なテスターの方々が多数おみえになるでしょう、RCも仕様変更の際には改良されてより気持ちの良い仕上がりを実現するのだろうと思います。