PIONEER / carrozzeria FH-9200DVD
これまでKENWOOD製Z909・X909・C910を運用していたのですが、経年による寿命で置き換えることになりました。
急遽検討することとなってしまったのですが、今やナビ一体のものが主流のようで、かつてのように毎年モデルチェンジするような状況になく寂しい状態。
さほど出費も出来ませんが、CDチェンジャーも望めない今、携帯プレイヤーとの連携や、USBメモリも利用できるものと考え、carrozzeria製の中から検討することとしました。
その中でFH-9200DVDとしたのは、VSC(Virtual Sound Creator)という、DSPによる音場再現数が、この機種までは7種類、より新しいものになると4種類に減ってしまうためです。
ただ、結果としてVSCは反響音による広がりを重視するよりは、強調する音程や音の位相を調整しての演出のため、各音場でさほど大きな差を感じることはありませんでした。
しかも、より新しい機種ではApple・CarPlayや、AndroidAutoといった、より強化されたスマホ連携、USBメモリのフォーマットにNTFSも利用できること、動画再生もFullHD帯域にも対応するなど、より高機能、快適になっている部分が多いため、予算に余裕があれば新しい方を選ぶのが吉かと思いました。
昨今の機種だけに、音質向上のための工夫が設けられており、特にタイムアライメント設定は、着座位置から各スピーカーまでの距離を2.5cm単位で設定することで、それぞれのスピーカーから放出される音のタイミングを微妙にずらすことで、着座位置でタイミングが合うようにすることができ、音の定位がキレイに定まります。
ただ、タイムアライメントの設定は自動ではなく、巻尺を使用して実際に測定する必要があり、1人で作業するには少々厳しく感じました。
内蔵アンプは50W×4(定格22W×4)で、フロント・バイアンプ構成への変更や、フロント+サブウーファ構成へ変更できますが、再生周波数帯域が50Hz~15,000Hz・THD5%と、高域が絞られ歪率も高めの傾向のためか、音質調整をしない状態では低音寄りの、少々曇った、今一つ抜けの良くない音になってしまいました。
感覚的には、CDで聴いているはずなのに、元々帯域が制限されているFM放送で聴いているように思えてしまいます。
特に愛車CL1では、リアにBOSE製サブウーファが登載されているため、より顕著に感じられたのかも知れません。
かと言って、外部出力を利用してパワーアンプを別途接続すれば、周波数帯域による音質の改善には繋がりますが、さらなる出費にもなりますし、パワーアンプの設置場所や配線を考える必要が出てしまいます。
CL1のBOSE製サブウーファは、車外オーディオでは駆動できないのですが、BeatSonic製ユニットで駆動できるようにする際、原音をリアスピーカー出力から取っているため、スピーカのHPF(ハイパスフィルタ)を利用して低域の遮断特性を変更することで調整。
さらに、イコライザーを利用して、高域を中心に利得を上げることで、かなり自分好みの音へと近付けることができました。
どちらかと言えば、これらの「音質を上げるための調整」が重要(というより必須)な機種ではないかと思います。
Bluetooth接続は、携帯電話のハンズフリー通話以外にも、BlutoothAudioによる携帯プレイヤーを利用しての再生ができます。
しかしながら、音楽再生時のデータのやり取りやその処理がボトルネックとなるようで、Bluetooth接続時の操作はレスポンスがかなり悪く、画面タッチ後、表示が更新されるのを0.5秒~1秒ほど待つ必要があり、少々ストレスを感じます。
他の動作モードではレスポンスの問題はないだけに残念に感じました。
他、音楽入力に関しては、USB端子を利用しての接続や、3.5mmプラグによるAUX入力にも対応しています。
USB端子にはUSBメモリも接続できますが、データフォーマットをFATまたはFAT32とする必要があり、2GBを越えるファイルも扱えるNTFSが使えないのは厳しいところです。
新しい機種では対応していますし、ファームウェアの改修で対応できる部分かと思われますので、対応が待ち望まれます。
外部からの映像入力も可能で、リアカメラの他、TVチューナなどのメディア再生機も接続できます。
DVDを再生したり、地デジチューナからの映像は見やすく鮮やかに表示され、好感が持てるものでした。
しかしながら、接続方式はコンポジット端子のみで、HDMI接続ができません。
画面解像度がFullHDに足りないWVGAだからかも知れませんが、年式的には装備されていても良かったはずで、映像方面の車載機器の進化はかなり遅いようです。
音場調整のVSCは、まずまずの効果を感じますが、VSCのモードを切り替えるたびにHPFがオフになってしまうため、逐一HPFをオンに設定し直すのが面倒に感じます。
いかに設定呼び出しのショートカットをカスタムしてカットオフを呼び出しやすくしたとしても、手間でしかありません。
各種メディア対応や映像の鮮やかさなど、相応の進化も感じられましたが、肝心の音質は調整が必須など今一歩で、いくつか機能的にもう一歩の部分もあるので、★3つとしておきます。
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ACC・ON時
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オープン時
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タイムアライメント画面
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HPF(ハイパスフィルタ)設定画面
購入価格 | 21,890 円 |
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入手ルート | ネットショッピング ※中古品 |
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