
本日は1月29日にグレード追加が発表され、発売が開始されたフォルクスワーゲン ポロのTSI R-Line(2,980,000円・7速DSG)に試乗しました。このTSI R-Lineは1,000CCターボモデルと2,000CCターボを搭載するGTIの間を埋めることとなるこのグレードですが、個人的には大いに興味と期待を持って試乗しました。
【エクステリア】

フロント ボディカラーはディープブラックパールエフェクト

リヤ
先代モデルよりも一回り大きくなったボディサイズ(全長4,075㎜・全幅1,750㎜・全高1,450㎜)に17インチタイヤを装着することで、見た目はかなり立派というか堂々たるスタイルとなっていて、リヤの「POLO」エンブレムを見ない限りはクルマにあまり詳しくない人にはゴルフにしか見えないかなと思います。
このモデルは「スポーティグレード」という位置付けであるため、控えめながらフロントスポイラーやサイドスポイラーも装着されていて、GTIを除く他の標準グレードよりもロー&ワイド感が強調されたスタイルになっています。
【インテリア】

ダッシュボード
今回試乗車にはメーカーオプションのデジタルコックピットやカーナビゲーションシステムが装着されていました。
インテリアは現行モデルになってコストダウンされた影響がモロに表れた部分かなと感じています。先進性の高いデジタルコックピットやクオリティの高いレザーを使用するステアリングやシフトレバー以外の部分は、国産コンパクトカーのフィットやデミオとそう変わらないクオリティになります。
また、全長・全幅が拡大(それぞれ+80㎜・+55㎜)されましたが、逆に全高が低く(-10㎜)なったことでメーカーが謳うほどの広くなってなくて、パッケージングはむしろ退化したような印象もあります。
先代モデルを所有し、同乗した我が奥様によれば、先代モデルよりもガラス面積が減少し、ダッシュボードが高くなったことによって見切りが悪くなり、数値以上に運転しにくくなった印象があるとのこと。よって、ゴルフ→ポロみたいな乗り換えでは運転しやすいかもしれないですが、先代ポロ→現行ポロや国産コンパクトカー→ポロみたいな乗り換えでは少し「慣れ」が必要かもしれませんね。
【シート】

フロントシート
ここも先代モデルよりもコストダウンが感じられるところになります。まずザラザラした感触のあるファブリック生地は明らかに先代モデルよりもグレードダウンしている印象を受けます。そして、スポーツンフォート仕様のシートによるものかもしれませんが、掛け心地が少し「平板」な印象を受けますね。
この上記2点を除けば、大きさもタップリしていますし、掛け心地も硬めながらしっかりとした印象があるので、十分に「及第点」かなと。
好みにもよりますが、シートに関してはデミオのほうが掛け心地はいいんじゃないかと思いますね。
【エンジン・トランスミッション】

トランスミッションは7速DSGのみの設定
TSI Evoと呼ばれる日本仕様初搭載の1,500CC直列4気筒DOHC直噴ターボエンジン(150PS/25.5kgf.m)と7速DCTの組み合わせになります。
このエンジンは低燃費走行に寄与するアクティブシリンダーマネジメントと呼ばれる2気筒休止機構もあるようですが、短時間の試乗では正直言ってその効果はわかりません。
走行してて感じたことは、加速感はホンダ シビックハッチバックそっくりな加速感で、走り始めから20㎞/hくらいまでは排気量が1,500CCかなと感じる加速感で、20㎞/hを超えたあたりからはスペックどおりの速さを感じる加速感になるかなと。車両重量は1,210㎏と軽量なのですが、やはり1,500CCでは発進時の力強さまでは求められない、ということでしょうかね。
組み合わされる7速DSGは低速時のギクシャクしたところが低減されて、普通のオートマチックやCVTとそんなに変わらない感じになってきてますね。
【サスペンション・乗り心地】

装着されていたタイヤは215/45R17 コンチネンタル スポーツコンタクト
久しぶりに楽しい試乗でしたね。こんなに楽しかったのはC-HRの試乗以来2年振りで、試乗中思わず「これ、いいわ」と言ってしまいました。
フロント/ストラット・リヤ/トーションビームで構成されるサスペンションは、このモデルが「スポーティグレード」という位置付けのため、減衰力を高めたスポーツサスペンションが装着され、さらにトルクベクタリング機構のXDSまで装着されています。
上記により強化された足回りによる走りは軽快そのもので、ステアリング操作に対して本当に自分の意図する方向に間髪入れず「スパッ」と曲がっていく印象で、加えてリヤの応答遅れも無いことから、本当に「安心」してステアリング操作ができましたね。
乗り心地は正直言って硬めです。この乗り心地は自動車雑誌の試乗記でも評価が分かれるところでして、硬さで言えば日産ノートのe-POWER NISMOレベルの硬さでしょうか。道路の路面の細かい凹凸は拾う傾向にありますが、大きくない限りはドスンドスンとした乗り心地にはなっておらず、同じポロでもGTIよりは「平和」な乗り心地になっているかと。
ただ、先代ポロのコンフォートライン(185/60R15タイヤ装着)に乗る奥様は、このモデルの乗り心地に関して「ゴツゴツして硬い」と言っておりました。なので、国産車ではスイフトスポーツやノート NISMO、そして86あたりの乗り心地が許容できる方には「快適」であって、ポロの標準グレードやスポーツグレードではない国産コンパクトカーに乗る方にとっては「硬い」と感じる乗り心地になっているのかなと感じました。
【総括】
現行ポロは現行モデルの登場直後は拡大し過ぎ感のあるボディサイズとコストダウンされてしまった内装により正直いってあまりいい印象は受けなかったのですが、このグレードは違いましたね。運転していて本当に楽しく、これで本宮山あたりを走行したら楽しいんだろうなぁなんて想像の膨らむクルマでしたね。
ただ、値段はお高いです。車両本体価格は2,980,000円ですが、必要装備を装着したり諸経費を足していくと乗り出し価格は国産車ではWRX S4とほとんど同じになってしまいます。なので、このボディサイズと走りの良さに価値を見出せる人限定のクルマと言えそうですね。
走りについては本当に折り紙付きです。今年も今後いろいろなクルマに試乗していくとは思いますが、このクルマを超えるような「走り」を期待できるクルマには試乗することはないだろう、と自分の中では思っています。
このブログの撮影機材
カメラ Panasonic LUMIX G8
レンズ Panasonic LUMIX G X VARIO 12-35/F2.8 ASPH. POWER O.I.S.
ブログ一覧 |
試乗 | クルマ
Posted at
2019/03/17 12:09:26