
2月24日に2月10日から発売が開始されたトヨタ ヤリスと2月14日から発売がかいしされたホンダ フィットに試乗してきました。試乗グレードは両車ともハイブリッドシステムを搭載した最上級グレードで、ヤリスはHYBRID Z(2,295,000円/電気式無段変速/FF)、フィットはe:HEV LUXE(2,327,600円/電気式無段変速/FF)になります。
ヤリスは後日試乗したガソリンエンジンのZ(1,926,000円/CVT/FF)についてもこの試乗記で書いていきたいと思います。
【エクステリア】

ヤリス HYBRID Z フロント ボディカラーはブラック×コーラルクリスタルシャイン

ヤリス Z フロント ボディカラーはダークブルーマイカメタリック

フィット LUXE フロント ボディカラーはプレミアムサンライトホワイトパール

ヤリス HYBRID Z サイド

ヤリス Z サイド

フィット LUXE サイド

ヤリス HYBRID Z リヤ

フィット LUXE リヤ
エクステリアの印象はヤリスはヴィッツを最新のヨーロッパのトレンドに合わせてよりスタイリッシュにした感じで、フィットは販売が好調だった2代目フィットを現代風にリアレンジしたデザインといったところでしょうか。
写真を比較してみても、ヤリスはデザイン優先でフィットは実用性優先でデザインされていることがわかります。
【インテリア】

ヤリス HYBRID Z ダッシュボード

ヤリス Z ダッシュボード

フィット LUXE ダッシュボード
・室内の広さと使い勝手はフィットがヤリスを圧倒
インテリアのクオリティはマジマジと見ると同じくらいのクオリティかなと感じますが、フィットのほうがスッキリとしている分だけクオリティが高く見えるのかなと。
室内の広さはフィットがヤリスを圧倒します。室内の広さ、特にリヤシートの空間はフィットは上級モデルのシビックをも上回る広さが確保されています。またガソリンタンクを前席シート下に配置することで、ラゲッジルームの広さもしっかりと確保されています。
ヤリスで気になるのはやっぱりディスプレイオーディオです。ナビキットとCD/DVDプレーヤーを装着すると+110,000円以上かかり、従来の販売店オプションのナビ+オーディオの価格を上回ってしまい、ディスプレイオーディオのメリットが完全に無くなってしまっています。ディスプレイオーディオのメリットを活かすためにもナビキット、CDプレーヤーの低価格化を望みたいですね。
【シート】

ヤリス HYBRID Z フロントシート

ヤリス Z フロントシート

フィット LUXE フロントシート
・掛け心地も生地のクオリティもフィットがヤリスをわずかにリード
フィットのフロントシートは優しく包み込まれるような掛け心地で、生地のクオリティも高く(LUXEだけでなくHOMEも)、満足度の高い仕上がりを感じました。
ヤリスもフィットに迫る掛け心地になっていましたが、フィットと比べるとちょっと平板気味で生地のクオリティが低いかな。ただ、ヤリスは中間グレードのGとベーシックグレードのXはなんとこの現代においてハイバックシートが標準設定…。軽自動車じゃなくコンパクトカーを購入する層は軽自動車よりもいいものとしてコンパクトカーを購入すると思うのですが…。
【エンジン・トランスミッション】

ヤリス HYBRID Z ハイブリッドモデルは全車電気式無段変速のみの設定

ヤリス Z ガソリンモデルは全車CVTが設定され、1,500CCのFFに6速MTも選択できる。

フィット LUXE ハイブリッドモデルは全車電気式無段変速のみの設定
・パワフルなヤリスの1,500CCガソリンエンジンはイイ‼
まずはハイブリッドモデルの比較から。ともに1,500CCエンジン+モーターのハイブリッドシステムになります。フィットよりもヤリスのほうが110㎏軽いので、システムの違いはあっても、ヤリスのほうが加速は力強いです。
フィットは燃費に配慮したのか、全般的に加速はおとなしめな印象で、今回みたいに比較試乗をすると、ちょっと物足りなく感じてしまうような印象がありました。
そしてヤリスの1,500CCガソリンエンジン。120PS/14.8kgf.mのスペックどおり、パワフルな加速をします。加速の力強さは体感的にハイブリッドモデルを上回っているように感じました。走りを楽しむなら1,500CCガソリンエンジン一択です。
【サスペンション・乗り心地】

ヤリス Z(ガソリン・ハイブリッド共通)に装着されていたタイヤは185/55R16 ブリヂストン エコピアEP150

フィット LUXEに装着されていたタイヤは185/55R16 ヨコハマ ブルーアースA
・ヤリス HYBRID Zの乗り心地はカローラやインプレッサに肉薄する‼
今回は両車3モデルともフロント・ストラット式/リヤ・トーションビーム式でサスペンションが構成されています。
この3モデルの中ではヤリス HYBRID Zが一番良かったです。新世代シャシーにより骨格が強化されたおかげで、ヴィッツよりも操縦安定性を重視したチューニングになっていても突き上げ感はほとんどなく、本当にカローラやインプレッサに迫るような乗り心地にはビックリです。
ガソリンモデルのヤリス Zは70㎏ほどハイブリッドモデルより重量が軽くなっているのにハイブリッドモデルと同じスプリングを使用しているため、路面状態が荒れていると突き上げを感じる場面が結構ありました。ヤリスのハンドリングのセットアップはハイブリッドモデルを基本に行われているようです。
フィットはヤリスよりもショックアブソーバーの減衰力が低めに設定されているようで、15インチタイヤのモデルは乗り心地と操縦安定性のバランスがいいのですが、16インチタイヤのモデルはタイヤが拾う振動をシャシーとボディで吸収しきれず、路面が荒れていると常に揺れているような感じになります。16インチタイヤを装着するグレードが多いので、16インチタイヤ用のセッティングは必要ではないかと感じました。上級グレードのほうがベーシックグレードよりも乗り心地が良くないのは本末転倒です。早急な改善を望みたいですね。
【総括】

ヤリス

フィット
ヴィッツとフィットは割と近いライバル関係でしたが、ヤリスとフィットはクルマの方向性が大きく変わってきたように感じました。
正直言って、この両車の最大のライバルは、

このクルマではないでしょうか。このクルマ、売れまくっているせいか最近はネガティブキャンペーンがされているようで、この間立ち読みしたマガジンXにボロクソに書かれていました。
個人的な感想を言ってしまえば、ヤリスもフィットもロッキー/ライズの商品力や価格設定にはちょっと敵わないかなと思っています。
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試乗 | クルマ
Posted at
2020/02/29 18:37:43