
本日は昨年12月25日に発表及び発売が開始されたスズキのニューモデル、XBEEを試乗しました。試乗グレードはベーシックグレードのHYBRID MX(FF)です。
エクステリア

フロント

リヤ
デザインのモチーフとなったのは間違いなく4年前に登場したハスラーでしょう。特にフロントはハスラーのデザインをそのままこのボディサイズに合うようにバランスを整えてはめ込んでいる印象です。リヤスタイルはテールランプの造形はXBEE独特のデザインとなっていますが、それ以外はフロント同様ハスラーのデザインをこのボディサイズに合わせてはめ込んでいるようですね。
デザイン全体では写真のアングルではさほど気になることはないのですが、ホイールアーチよりも上のボディパネルがそのホイールアーチよりも膨らんでいるようなデザイン処理が行われていて、ハスラーを見慣れている人にとってはサイドビューが若干ふっくらした印象になるかもしれないです。写真を撮っている私が言うのも手前味噌ですが、フロント・リヤともこの写真の角度が一番スタイリッシュに見えますね。
インテリア

ダッシュボード(この写真は展示車両のHYBRID MZのものです。)

ラゲッジルーム(この写真は展示車両のHYBRID MZのものです。)
ダッシュボードはアイボリーカラーの加飾パネルが上部に大きく貼付されていることで、価格相応のクオリティを確保している印象です。また、現在のところこのクルマは国内専用モデルであるためか小物入れが豊富にあり、特にエアコン操作パネル下部のインパネセンターポケットやそのまた下部のセンターロアポケットは実用的な容量が確保されているのはイイポイントですね。
ラゲッジルームはフロアを高い位置に配置することでサスタワーへの干渉を最小限にすることで何とゴルフバッグを横に積むことも可能になっています。これはハスラーの購入層のデータをもとに配慮した設計になっているようですね。
残念なのは写真にある防汚仕様のラゲッジフロアが上級モデルのHYBRID MZのみの装備となることです。このラゲッジフロアはこのクルマの特徴の装備のひとつなので、試乗グレードのHYBRID MXでもオプションで装着できるようにならないかなと感じます。
シート

フロントシート

リヤシート(この写真は展示車両のHYBRID MZのものです。)
フロントシートは最初に展示車両を見た時には少し沈み込みが大きいかなと感じたのですが、実際はクッション上部をソフトにして包み込みを大きくし、クッション下部を硬めにして支えるシートでありました。シートの大きさはちょうど良く、生地のクオリティも普通の表面の柔らかな普通の掛け心地のシートと言えます。残念なのはこのクルマよりも価格の安いスイフトには標準装備されているテレスコピックステアリングが標準装備されていないことです。これは国内専用モデルということで割り切られてしまったのでしょうか。
リヤシートはさすが自称ワゴンと称しているクルマだけあって十分なスペースが確保されています。ただ、リヤシートに座って試乗していた我が奥様曰く「走行中は常にヒョコヒョコ動く」とのことで、クルマ酔いしやすい方は少し注意が必要かもしれないですね。
エンジン・トランスミッション
1000CC直列3気筒直噴ターボエンジン+小型モーターのハイブリッドシステムと6速ATの組み合わせです。6速ATと小型モーターのおかげで発進直後から十分に力強く、着座位置の高さの関係もあって同様のエンジンを搭載するスイフトRStよりも加速がイイと感じるほどであり、960㎏と軽量なkともあって体感的には1800CCクラスの加速感があります。
燃費も試乗時における燃費計の計測では13.6㎞/ℓとカタログ燃費の22.6㎞/ℓからすればまぁまぁの数値が期待できるのかなといった感じですが、ガソリンタンクが満タンで32ℓと小型車としては小さく長距離走行が多い方には給油回数が増える傾向になるため、少し使い勝手が悪く感じることもありそうです。
サスペンション・乗り心地
剛性を高めた新世代プラットフォーム「HEARTECT」を採用し、足回りを少し硬めにして操縦安定性を重視しているスイフト、ワゴンR、スペーシアとは異なり、同じ「HEARTECT」を採用しながらもハスラーなど軽自動車からのステップアップ層やエスクードなどからのダウンサイジング層が期待する操縦安定性を確保しながら最大限乗り心地に配慮している足回りとなっている、そんな印象です。
乗り心地は基本はソフトで、そのソフトさは同時期に発表されたスペーシアよりもソフトであり、感覚的にはSUVで言えばハリアー標準モデル、わかりやすいところで新型のN-BOXと同じくらいのソフトさですね。道路の凹凸がある程度大きなところを走行すると振動を拾って横揺れが発生してしまうくらいです。個人的には同じスズキのエスクードの硬さが好みなので、この足回りは好みからは少し外れてしまうところもありますが、このソフトな足回りは街乗り中心で時々遠出するといった使い方をする方には好まれる足回りと言えるかもしれないですね。
このソフトな足回りながら、FFモデルは前後にスタビライザーが装着されることもあり、フロア剛性も高いことからタイヤの接地性は高く、交差点でカーブを曲がる時には割とロールが少なくスッと曲がる印象がありました。
電動パワーステアリングは走行中は割とビシッとした印象があるのですが、パーキングスピードになるとアシスト過剰で軽すぎるくらい軽くなってしまい、タイヤの向きが少しわかりづらくなるのがちょっと惜しいですね。
総括
このクルマは乗り心地重視のソフトな足回りのセッティングにより好き嫌いが分かれてしまうかもしれないですね。SUVらしい乗り心地といえばそうなのですが、エクステリアの印象が丸みを多用しながらもタフなイメージを売りにしているのでもう少し操縦安定性にセッティングを振っても良かったのかな、とも思いました。
あとは価格ですね。欲しい装備を装着すると排気量も大きく、レーダークルーズコントロールなどより装備も充実してくるスイフトスポーツと変わらない価格となってしまうことは初期受注終了後の販売動向に大きく影響しそうです。いずれにしても今後の販売動向が興味深いですね。
最後になりますが、このクルマはどうもFF車と4WD車では評価が異なる傾向にあるようです。私は降雪地やラフロードでの使用がない限りは走りが軽快になると思われるFF車をおススメします。
Posted at 2018/01/03 21:32:09 | |
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