
本日は昨年12月14日に発表され、良く15日に発売が開始されたホンダ フリード Modulo X Honda SENSINGに試乗しました。試乗グレードはガソリンモデルの6人乗りになります。
このクルマは車両価格だけで2,830,680円と同じメーカー内では上級モデルにあたるシビックをも上回る価格設定となっておりますが、とりあえず当試乗記では価格に対してはさておいて、クルマそのものの実力を検証していきたいと思います。
エクステリア

フロント

リヤ
多くの人に受け入れられるスタイルの標準モデルに対して、下回りのワイド感を強調したエアロバンパーやサイドスカートを追加したことによりスタイリッシュかつ低重心に見えるようになりました。
テレビCMでこのモデルが登場し走行するシーンを見ても、正直「おっ」と思わせる存在感がありますね。
惜しいなぁと感じるのはボディカラーがホワイト、ブルー、ブラックの3色しか設定されないことですかね。個人的にはダークカラー中心の配色となるホイールとマッチするのはこの3色ではホワイトしかないような気がしますね。
インテリア
内装は使用している素材はそれほどクオリティの高いものを使用していないのですが、横基調のデザインが良く「安っぽさ」は感じない室内に感じました。標準モデルとの違いはそれほど多いわけではなく、目立つところでダッシュボードのセンター部分の加飾パネルが木目調からピアノブラックに変更され、シートカラーにモカ色を使っていること、そしてパンチングレザーを使用した本革ステアリングです。
このクルマを試乗していて改めて感じたのは、前モデルのキャッチフレーズではありませんが、本当に「広さ感」がちょうどいいですね。心地よさを感じる広さを感じるヘッドスペースや助手席との距離間がちょうどいい室内幅など、本当に日本の交通事情にマッチしたクルマだなぁと感じましたね。
シート

フロントシート

リヤシート
シートは全長4265mmの中に3列シートを成立させなければならないということもあって、正直サイズはちょっと小ぶりに感じるところもありますが、合皮であるレザー調のプライムスムースとファブリックのコンビシートは生地のクオリティも高く、硬くも柔らかくもない絶妙な掛け心地でした。
このクルマはこのモデルに限らず標準モデルも合わせて全車にチルト&テレスコピックステアリングが標準装備されるので、自分のベストなシートポジションにステアリングの位置がしっかり決まるところも◎ですね。
エンジン・トランスミッション
ホンダのModulo Xシリーズはエクステリアとサスペンションのチューニングは行われるものの、エンジンやトランスミッションの変更は行わないため、標準モデルと同じ1500CC直噴DOHCエンジンとCVTとの組み合わせとなり、チューニングも標準モデルと全く同じです。
車重は1380㎏に1500CCエンジンの組み合わせになるので、エコモード使用では発進から20km/hくらいまではちょっと加速に「モタつき」を感じてしまいますかね。また、後述するサスペンションがしっかりとしたものになっているので、ターボエンジンもあるといいかなと感じましたが、サイズの制約やホンダのモデル構成上、それはやっぱり無理かなぁ。
サスペンション・乗り心地

装着されていたタイヤは185/65R 15 ダンロップエナセーブ EC300
専用チューニングされたサスペンションは店舗駐車場から道路に出るまでのごく短い距離でも標準モデルとの差はハッキリと感じることができました。
どんな感じになったかというと、重心が標準モデルよりも低くなり直進安定性も向上し、乗り心地は上級モデルのステップワゴン Modulo Xの乗り心地を少し引き締めたような感じで、ハンドリング性能はフィットハイブリッドの15インチタイヤグレードの旋回性能といったところでしょうか。
標準モデルは街乗りにおける快適性を重視したソフトなサスペンションチューニングとなるため、道路の凹凸の大きな場所を走行する時に受ける衝撃を足回りだけではなくクルマのボディ全体で受け止める印象があって少し目線がブレてしまうことがあるのですが、専用チューニングされたModulo Xのサスペンションは少し硬めのチューニングになるものの、道路から受ける衝撃をほとんどサスペンションのみで吸収できるようになるため、目線のブレが少なくなります。
また、現行モデルでは先代モデルよりもステアリングギアレシオが10%クイック化されていて、ステアリングを切るとフロントノーズがキュッと入っていくのですが、専用チューニングにより引き締まったサスペンションによってようやくその能力が活かされてきていて、標準モデルではカーブをキュッと曲がると大きなロールが発生するのですが、このModulo Xでは体感的に半分以下となって本当にコンパクトカーのようにカーブを気持ち良く曲がっていける足回りになっています。
残念なのはタイヤですね。標準モデルと共通のエコタイヤとなっています。せっかくサスペンションチューニングにこだわりを見せて乗り心地と操縦安定性を両立できているので、タイヤも少しコシの弱いバリバリのエコタイヤではなく、同じダンロップなら上級グレードのルマンを装着して欲しかったですね。
総括
さすが走り込んでチューニングされたサスペンションはフリード標準モデルで気になった部分がほとんど解消されていて、また日常使用では取り回しに不便を感じないこのサイズを考慮すると、私個人が何らかの事情でミニバンの購入を検討せざるを得ない場合はこのクルマが間違いなく購入の第1候補になりますが、ちょっと高めな価格設定のグレードとなるので、購入時には思い切った値引き交渉も必要かなと思いました。
Posted at 2018/01/21 13:12:03 | |
トラックバック(0) |
試乗 | クルマ